40 / 137
第六章
モテる男の彼女⑥
しおりを挟む
少しでも顔を見たいと、毎日リビングのソファで帰りを待っているのだが、いつの間にか寝てしまい、夜中にふと目覚めるとベッドに運ばれている。隣には綺麗な蒼空さんの寝顔があるのだ。
美しい寝顔を暫し眺めてから、もう一度眠りにつく日々……
唯一朝のひとときだけが、私達の時間……
最近では、蒼空さんを起こさないように、アラームが鳴る前に目覚める。一人暮らしの時は、二度寝してギリギリになっていたのが、嘘のようにスッキリ目覚めて、そっとベッドを抜け出すのだ。
私も蒼空さんも、元々朝食は適当だったのだが、同棲をきっかけに二人でしっかりと食べることにした。
コーヒーに合わせて、朝食はパンにしている。野菜を食べられるように、サンドイッチだったりピザトーストだったり工夫はしているのだ。
ちょうど、ピザトーストが焼き上がったタイミングで、蒼空さんが起きてきた。
「おはようございます」
「おはよう。ソファで寝ていたら疲れも取れないし、風邪を引くぞ」
「だって……。起きて待っていたかったんだもん」
「はぁ~」
ため息をつかれてしまった。
「ゴメンナサイ……」
「怒っているんじゃない」
「でも……」
「朝から可愛いこと言われると、仕事に行きたくなくなるだろう?もう凛花不足で限界なんだ」
「へ!?」
「へってなんだ? 寂しいと思っているのは俺だけか?」
「私もだけど、蒼空さんは平気なんだと思ってた」
「そんなわけあるか。何度凛花を起こして抱きたいと思ったことか」
「なっ!!」
顔を真っ赤にする私とは違い、冷静に見える蒼空さんが、私の目の前まで来てギュウッと抱き締める。私も蒼空さんの背中に手を回した。
「はぁ~、まともに抱き締められるのが朝だけって、なんの試練だ……」
「クスクス」
「笑ったな」
「だって、ンンッ」
顔を見ようと、見上げた瞬間に唇を塞がれた。朝から濃厚な口づけが交わされる。
「ハアン」
「凛花の色っぽい声で我慢できなくなりそうだ……。今週末は絶対に休むから」
「うん」
「どこかに行きたいか?」
「ううん。蒼空さんとゆっくりしたい……」
「可愛すぎるだろう。ハア、本当にこれ以上は理性がヤバイ。朝食を食べて週末のために頑張ろう」
美しい寝顔を暫し眺めてから、もう一度眠りにつく日々……
唯一朝のひとときだけが、私達の時間……
最近では、蒼空さんを起こさないように、アラームが鳴る前に目覚める。一人暮らしの時は、二度寝してギリギリになっていたのが、嘘のようにスッキリ目覚めて、そっとベッドを抜け出すのだ。
私も蒼空さんも、元々朝食は適当だったのだが、同棲をきっかけに二人でしっかりと食べることにした。
コーヒーに合わせて、朝食はパンにしている。野菜を食べられるように、サンドイッチだったりピザトーストだったり工夫はしているのだ。
ちょうど、ピザトーストが焼き上がったタイミングで、蒼空さんが起きてきた。
「おはようございます」
「おはよう。ソファで寝ていたら疲れも取れないし、風邪を引くぞ」
「だって……。起きて待っていたかったんだもん」
「はぁ~」
ため息をつかれてしまった。
「ゴメンナサイ……」
「怒っているんじゃない」
「でも……」
「朝から可愛いこと言われると、仕事に行きたくなくなるだろう?もう凛花不足で限界なんだ」
「へ!?」
「へってなんだ? 寂しいと思っているのは俺だけか?」
「私もだけど、蒼空さんは平気なんだと思ってた」
「そんなわけあるか。何度凛花を起こして抱きたいと思ったことか」
「なっ!!」
顔を真っ赤にする私とは違い、冷静に見える蒼空さんが、私の目の前まで来てギュウッと抱き締める。私も蒼空さんの背中に手を回した。
「はぁ~、まともに抱き締められるのが朝だけって、なんの試練だ……」
「クスクス」
「笑ったな」
「だって、ンンッ」
顔を見ようと、見上げた瞬間に唇を塞がれた。朝から濃厚な口づけが交わされる。
「ハアン」
「凛花の色っぽい声で我慢できなくなりそうだ……。今週末は絶対に休むから」
「うん」
「どこかに行きたいか?」
「ううん。蒼空さんとゆっくりしたい……」
「可愛すぎるだろう。ハア、本当にこれ以上は理性がヤバイ。朝食を食べて週末のために頑張ろう」
22
お気に入りに追加
448
あなたにおすすめの小説
地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!
めーぷる
恋愛
見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。
秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。
呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――
地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。
ちょっとだけ三角関係もあるかも?
・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。
・毎日11時に投稿予定です。
・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。
・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。
【R18・完結】甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~
花室 芽苳
恋愛
【本編完結/番外編完結】
この人なら愛せそうだと思ったお見合い相手は、私の妹を愛してしまった。
2人の間を邪魔して壊そうとしたけど、逆に2人の想いを見せつけられて……
そんな時叔父が用意した新しいお見合い相手は大企業の御曹司。
両親と叔父の勧めで、あっという間に俺様御曹司との新婚初夜!?
「夜のお相手は、他の女性に任せます!」
「は!?お前が妻なんだから、諦めて抱かれろよ!」
絶対にお断りよ!どうして毎夜毎夜そんな事で喧嘩をしなきゃならないの?
大きな会社の社長だからって「あれするな、これするな」って、偉そうに命令してこないでよ!
私は私の好きにさせてもらうわ!
狭山 聖壱 《さやま せいいち》 34歳 185㎝
江藤 香津美 《えとう かつみ》 25歳 165㎝
※ 花吹は経営や経済についてはよくわかっていないため、作中におかしな点があるかと思います。申し訳ありません。m(__)m
独占欲強めな極上エリートに甘く抱き尽くされました
紡木さぼ
恋愛
旧題:婚約破棄されたワケアリ物件だと思っていた会社の先輩が、実は超優良物件でどろどろに溺愛されてしまう社畜の話
平凡な社畜OLの藤井由奈(ふじいゆな)が残業に勤しんでいると、5年付き合った婚約者と破談になったとの噂があるハイスペ先輩柚木紘人(ゆのきひろと)に声をかけられた。
サシ飲みを経て「会社の先輩後輩」から「飲み仲間」へと昇格し、飲み会中に甘い空気が漂い始める。
恋愛がご無沙汰だった由奈は次第に紘人に心惹かれていき、紘人もまた由奈を可愛がっているようで……
元カノとはどうして別れたの?社内恋愛は面倒?紘人は私のことどう思ってる?
社会人ならではのじれったい片思いの果てに晴れて恋人同士になった2人。
「俺、めちゃくちゃ独占欲強いし、ずっと由奈のこと抱き尽くしたいって思ってた」
ハイスペなのは仕事だけではなく、彼のお家で、オフィスで、旅行先で、どろどろに愛されてしまう。
仕事中はあんなに冷静なのに、由奈のことになると少し甘えん坊になってしまう、紘人とらぶらぶ、元カノの登場でハラハラ。
ざまぁ相手は紘人の元カノです。
隠れドS上司の過剰な溺愛には逆らえません
如月 そら
恋愛
旧題:隠れドS上司はTL作家を所望する!
【書籍化】
2023/5/17 『隠れドS上司の過剰な溺愛には逆らえません』としてエタニティブックス様より書籍化❤️
たくさんの応援のお陰です❣️✨感謝です(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
🍀WEB小説作家の小島陽菜乃はいわゆるTL作家だ。
けれど、最近はある理由から評価が低迷していた。それは未経験ゆえのリアリティのなさ。
さまざまな資料を駆使し執筆してきたものの、評価が辛いのは否定できない。
そんな時、陽菜乃は会社の倉庫で上司が同僚といたしているのを見てしまう。
「隠れて覗き見なんてしてたら、興奮しないか?」
真面目そうな上司だと思っていたのに︎!!
……でもちょっと待って。 こんなに慣れているのなら教えてもらえばいいんじゃないの!?
けれど上司の森野英は慣れているなんてもんじゃなくて……!?
※普段より、ややえちえち多めです。苦手な方は避けてくださいね。(えちえち多めなんですけど、可愛くてきゅんなえちを目指しました✨)
※くれぐれも!くれぐれもフィクションです‼️( •̀ω•́ )✧
※感想欄がネタバレありとなっておりますので注意⚠️です。感想は大歓迎です❣️ありがとうございます(*ᴗˬᴗ)💕
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……

隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる