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第五章
新たな始まり⑪
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「はい。片桐です」
「まあ、驚いた。凛花が連れてきたのが、憧れの蒼空先輩だなんて」
「お母さん!」
「フフッ。凛花ったら。さあ、入ってちょうだい」
「お邪魔します」
完全に母のペースだが、歓迎されたことには、ホッとした。リビングにいくと、ソファに座る父と弟の姿があった。二人とも、蒼空さんを見てポカンとしている。
「つまらないものですが」
「まあ、長谷屋さんの。お気遣いありがとうございます。早速いただいていいかしら」
「もちろんです」
母が和菓子を持ってキッチンに入り、私達は空いているソファに腰を掛けた。
「あ、あ、あの」
「俺?」
「は、はい」
なぜか弟が興奮した様子で、蒼空さんに声を掛けている。
「で、で、伝説の片桐先輩ですよね⁇」
「伝説?」
「はい!!」
先輩は、自分のことが後輩にまで語り継がれているとは知らないかもしれないが、同じ高校の出身者はみんな蒼空さんを知っている。しかも弟に至っては、私と入れ替わりで入学して、バスケ部に在籍していたので、尊敬する大先輩にあたるのだ。
「弟も同じ高校に通ったんです。しかもバスケ部で。だから蒼空さんの話は、散々聞いているのだと思う」
「握手してください!!」
前のめりの弟の勢いに押されているが、快く応じてくれている。
「お前、凛花の彼氏を認めないんじゃなかったのか?」
「父さん、認める認めないじゃなくて、片桐先輩にならもらって下さいと、こちらからお願いする!」
「私もお願いしたいわ」
お茶を淹れていた母まで加わり、まだ何も言っていない蒼空さんへと迫る。
もちろん蒼空さんは、このタイミングを逃さない。
「凛花さんとのおつき合いと、同棲を認めてもらいたくて、本日ご挨拶に伺いました」
「まあ素敵」
「姉ちゃんすげえ」
「……」
父だけが無言だが、母と弟からの圧が凄い。
「コホン、反対はしない。凛花を裏切らないでくれ」
「はい」
呆気ないくらいに、あっさりと認められ、私達の未来が一歩動き出す。
「まあ、驚いた。凛花が連れてきたのが、憧れの蒼空先輩だなんて」
「お母さん!」
「フフッ。凛花ったら。さあ、入ってちょうだい」
「お邪魔します」
完全に母のペースだが、歓迎されたことには、ホッとした。リビングにいくと、ソファに座る父と弟の姿があった。二人とも、蒼空さんを見てポカンとしている。
「つまらないものですが」
「まあ、長谷屋さんの。お気遣いありがとうございます。早速いただいていいかしら」
「もちろんです」
母が和菓子を持ってキッチンに入り、私達は空いているソファに腰を掛けた。
「あ、あ、あの」
「俺?」
「は、はい」
なぜか弟が興奮した様子で、蒼空さんに声を掛けている。
「で、で、伝説の片桐先輩ですよね⁇」
「伝説?」
「はい!!」
先輩は、自分のことが後輩にまで語り継がれているとは知らないかもしれないが、同じ高校の出身者はみんな蒼空さんを知っている。しかも弟に至っては、私と入れ替わりで入学して、バスケ部に在籍していたので、尊敬する大先輩にあたるのだ。
「弟も同じ高校に通ったんです。しかもバスケ部で。だから蒼空さんの話は、散々聞いているのだと思う」
「握手してください!!」
前のめりの弟の勢いに押されているが、快く応じてくれている。
「お前、凛花の彼氏を認めないんじゃなかったのか?」
「父さん、認める認めないじゃなくて、片桐先輩にならもらって下さいと、こちらからお願いする!」
「私もお願いしたいわ」
お茶を淹れていた母まで加わり、まだ何も言っていない蒼空さんへと迫る。
もちろん蒼空さんは、このタイミングを逃さない。
「凛花さんとのおつき合いと、同棲を認めてもらいたくて、本日ご挨拶に伺いました」
「まあ素敵」
「姉ちゃんすげえ」
「……」
父だけが無言だが、母と弟からの圧が凄い。
「コホン、反対はしない。凛花を裏切らないでくれ」
「はい」
呆気ないくらいに、あっさりと認められ、私達の未来が一歩動き出す。
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