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第三章
完璧な上司で先輩との関係⑥
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仕事の日はロングヘアーも後ろで纏めていて、ここのホテルの客層とはかけ離れた地味さだと思う。
「待たせた。行こう」
一方の蒼空さんは、バスケ部のエースだった長身で、鍛えられた肉体に超絶なイケメンで常に人目を惹く。私も、長身を生かして中学校までバスケをしていたので、蒼空さんと並ぶと身長だけはバランスが取れているとは思うが、それ以外は何もかもが違いすぎる。
エレベーターへ向かう間も、蒼空さんに視線が向けられている。蒼空さんと歩く私にまで視線を感じるが、きっとアンバランスさに驚かれているのではないだろうか。蒼空さんは見られることに慣れているのか、全く動じた様子はなく私が一人でハラハラしているだけなのだろう。
上層階行のエレベーターに乗り込み、なぜかカードをかざしてから最上階のひとつ下のボタンを押した。ホテルのエレベーターでカードをかざしたこともなければ、そんな仕組みがあることさえ知らない私は戸惑いしかない。そんな驚く私を乗せたエレベーターはぐんぐん上昇している。
そして――。
目的の階に到着したエレベーターの扉が開いた瞬間、あまりの豪華なフロアに目を見開き固まってしまう。
「こっち」
全く驚くことなく平然とした蒼空さんにエスコートされエレベーターを降りた瞬間、ふわふわの絨毯に足を取られそうになる。
「蒼空」
「あっ、陽さん。こんばんは」
蒼空さんを呼ぶ声の主に顔を向けると、優しい表情をしたイケメンが微笑んでいた。
「こ、こんばんは」
なんとか声を絞り出し挨拶したが、表情は硬いと思う。
「ようこそ『SAKURA』へ」
「凛花、こちら神楽坂陽さん」
「か、神楽坂……」
「陽さん、俺の高校の後輩で部下の吉瀬凛花さん」
「君が。やっと会えた」
「へ⁈」
蒼空さんと神楽坂さんはどういう知り合いなのだろうか?
「立ち話もなんだから、カウンターへどうぞ」
エレベーターを降りた瞬間から何もかもが驚きばかりだ。正面が一面ガラス張りの窓で高層階からの夜景が素晴らしい。
豪華なソファセットが何台も置かれ、カフェなのかバーなのかレストランなのかはわからないが、食事やお酒を飲みながら談笑している人の姿が見える。
「待たせた。行こう」
一方の蒼空さんは、バスケ部のエースだった長身で、鍛えられた肉体に超絶なイケメンで常に人目を惹く。私も、長身を生かして中学校までバスケをしていたので、蒼空さんと並ぶと身長だけはバランスが取れているとは思うが、それ以外は何もかもが違いすぎる。
エレベーターへ向かう間も、蒼空さんに視線が向けられている。蒼空さんと歩く私にまで視線を感じるが、きっとアンバランスさに驚かれているのではないだろうか。蒼空さんは見られることに慣れているのか、全く動じた様子はなく私が一人でハラハラしているだけなのだろう。
上層階行のエレベーターに乗り込み、なぜかカードをかざしてから最上階のひとつ下のボタンを押した。ホテルのエレベーターでカードをかざしたこともなければ、そんな仕組みがあることさえ知らない私は戸惑いしかない。そんな驚く私を乗せたエレベーターはぐんぐん上昇している。
そして――。
目的の階に到着したエレベーターの扉が開いた瞬間、あまりの豪華なフロアに目を見開き固まってしまう。
「こっち」
全く驚くことなく平然とした蒼空さんにエスコートされエレベーターを降りた瞬間、ふわふわの絨毯に足を取られそうになる。
「蒼空」
「あっ、陽さん。こんばんは」
蒼空さんを呼ぶ声の主に顔を向けると、優しい表情をしたイケメンが微笑んでいた。
「こ、こんばんは」
なんとか声を絞り出し挨拶したが、表情は硬いと思う。
「ようこそ『SAKURA』へ」
「凛花、こちら神楽坂陽さん」
「か、神楽坂……」
「陽さん、俺の高校の後輩で部下の吉瀬凛花さん」
「君が。やっと会えた」
「へ⁈」
蒼空さんと神楽坂さんはどういう知り合いなのだろうか?
「立ち話もなんだから、カウンターへどうぞ」
エレベーターを降りた瞬間から何もかもが驚きばかりだ。正面が一面ガラス張りの窓で高層階からの夜景が素晴らしい。
豪華なソファセットが何台も置かれ、カフェなのかバーなのかレストランなのかはわからないが、食事やお酒を飲みながら談笑している人の姿が見える。
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