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23話 やめて!乱暴する気でしょ!一昔前のエロゲーみたいに!

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 走って、その光が大きくなり、声が聞こえて来るにつれ、何か違和感を感じ始めてきた。
 いや待てよ、なにかがおかしい。おかしいぞ
「アリス、ちょっと待って」
 少し前を走っていたアリスにそう言うと
「なんで?やっと人を見つけたんだよ?」
 と、不思議そうに尋ねてきた。
「いや、ちょっと違和感っていうか、ごめん、でもなんかすごく嫌な予感がするんだよ、ちょっと考えさせて」
 そう言うと、アリスは少し不満そうな顔をしたが、一応分かってくれたようだ。

 一旦足を止めて考える。
 一つ目に、なんで今まで誰とも会わなかったのか、その答えとしてはおそらく、今この森が危険な状態だからなのではないだろうか、村が襲われる直前の冒険者達の会話からして、モンスターがここまで増える事も稀なのだろう。
 二つ目に、ならばなぜ今彼らはここにいるのか、もしやもうあまり危険じゃなくなったのか?それともこの状況じゃなきゃ出来ないことがあるのか?だとしたらそれは一体なんだ?少なくとも救助とかではないだろう。もしそうなら呼び掛けやらなんやらをするはずだ。それもなくただ騒いでるだけ、とまで考えた所で、一人の声が異様にはっきりと聞こえた。
「にしてもお頭!こんなレアなスキル持ってる奴が手に入るなんてラッキーっすね!こいつを売り飛ばせばどんだけの大金が手に入るんでしょうねぇ!」
 !!!なるほど、そういうことかよ!異世界なんだからあってもおかしくはないと思ってたが、まさかこんな時にこんな状況で出会うことになるとは!間違いない奴らは、人攫いだ!
 逃げるか?だが、このまま野垂れ死ぬくらいならどっかに攫われた方が生存率は高いのかもしれない。どうする?選択肢は二つ、このまま気付かれないうちに逃げるか、それともわざと捕まるか……、もしかしたら勘違いかもしれないしな、だけど……
 そんなことを考えながら、無意識的に後ろへ一歩下がった。そして、運の悪いことにそこには枯れ木があったようで、パキッと小気味良い音が辺りに響いた。
 集団の中の一人が、こっちを見て、目があった。
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