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第一章 幼少期編

番外編 グレン視点

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…天使だと思った




僕、グレージンはビクトリア公爵家の分家の三男として生まれた

親とも言えない人達は、権力のある人に媚び、家にはまったく帰らない。
兄弟はストレスのはけ口を僕にした

暴力なのはバレるから行われなかったけど、物を壊したり、隠したり、誹謗中傷の嵐は当たり前

「お前は家族じゃない、家族になる資格などない」

「その銀髪、父上達にはない色だろう
お前はこの家の子供ではないんじゃないか?」

そんな毎日に限界を感じてたある日、僕の銀髪は本家の人の色であり、養子に僕が選ばれたと知った

親だった人は僕を喜んで差し出し、その分金をせびっていた

兄弟だった人は「お前が選ばれたんじゃない、お前の銀髪が選ばれたんだ」と言った

悔しかったけど、その通りだ、と思った

これから家族になる人は、僕の事を家族と思うだろうか?
…愛してくれるだろうか?

そんな心配は杞憂だったと知った

公爵様は「これからは家族だ、遠慮はいらない、父と呼んでくれ」と

公爵夫人様は「あなたとは血は繋がってないけれど、私達の子供よ」と

公爵子息様は「本当の兄弟だと思っている、僕と妹と、仲良くして欲しい」

そういってくれたんだ

…嬉しかった、家族だと言ってくれた

あと、兄上達によると、
もう1人娘がいるらしい、体が弱く、あまり外に出ないのだそう、僕の方が弟らしいが、仲良くできるといいな

そして、出来る事なら、家族と言って欲しい

正式に公爵家に来た日、その子と会えるかもってどきどきした

緊張しながら扉を開けると…天使がいた

綺麗なストレートの銀髪、空色の瞳はキラキラと輝いており、この世のものとは思えないほどの美しさだった

あいさつをすると、彼女は少し恥ずかしいそうに挨拶を返してくれた

十分な挨拶だと思ったけど、彼女は納得いかなかったらしく、涙目で愛称で呼んでいいか聞いてきた

もちろん構わないと言うと、彼女は嬉しそうに満面の笑みで返事をしてくれた

か、可愛い…

リア姉様と呼んでいいか聞くと、彼女は遠慮はいらないと言ってくれた

…「家族だから」

その言葉が何よりも嬉しかった

僕は、この子を守るだけの力をつけようと、そう思ったのだった

その後、彼女が倒れた時は肝を冷やしたが…


余談

恐らくだが、父上は僕とリア姉様が結婚して欲しいのだろう
2人だけで話していてもニコニコ笑っていただけだったし

まぁ、リア姉様は気付いてないだろうけど

彼女に振り向いてもらえるよう、頑張らなくてはいけないな
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