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第二章 開幕
第28話 奇跡
しおりを挟む「そうだ! メアリが聖女になれば解決するじゃないか! ショウタ! 何をするか知らないが、絶対に手を貸すんじゃないぞ!」
おいおい、この父親、とうとうとんでもない事言い出したぞ?
多分あまりのショックで、自分でも何言ってるか分かって無ぇな。
先輩は王子の言葉に『その手は卑怯だぞ!』みたいな顔して歯軋りしていた。
自分の娘にはそんな回避手段が無いからって、何も親の敵みたいな顔をして悔しがらなくても。
二人は親友なんだよな?
「王子。何バカな事を言ってるんですか。理由がどうであれ、本人の意思を尊重してやるのが父親ってモンじゃないんですか? それに俺としては無理矢理メアリを聖女に仕立ててしまった責任も有るんで、メアリの言う通りにしてやりますよ」
「ぐぬぬぬ……。それはそうだが。し、しかし、何処の馬の骨とも分からん奴に……」
あぁ、少しは理性が残っていたか。メアリ本人の意思を蹂躙するような事を言い出したら、さすがに王子と言えどもお灸を据えないと、と思っていたが、その心配は無さそうだ。
「それに、三日後任命式と言っていましたが、メアリは審査が有るって言っていましたよ。そもそも俺が手を貸さなくても聖女じゃないってバレるんじゃないですか? そんな物があるなんて知らなかったから聖女誕生なんて演出をしてしまいましたんで、俺結構焦ってるんですよ。聖女を騙ったなんてのがバレたら普通に投獄でしょ」
「いや、審査なんて建前だ。ただの資質を見る問答のみで、聖女を判断する道具や魔法が有る訳じゃない。それに私の所には既に内定の連絡は来ている。そもそも、聖女と普通の治癒師に明確な差は無いのだよ」
「え?」
聖女と普通の治癒師に差は無い? なんだそれ?
俺の聖女の知識は、小さい頃に記憶の中の母さんが読んでくれた絵本に依るところが大きいが、そこでは手をかざすだけで全ての傷を癒し、病気まで治すみたいな、無双振りだったんだが。
これに関しては、またも神の罠か! と言うより、そうじゃないと何十年に一人現われるとされる聖女と言う称号の意味が無いと思うんで納得がいかない。
「あまり知られていないが、聖女と呼ばれるには幾つかの条件が有るんだ。一つは幼い頃から魔力が高く魔法の才に溢れている事、もう一つは成人後……即ち14歳になってから治癒魔法に目覚める事、そして最後の条件が大勢の目の前で奇跡を起こす事だ」
んんん? あれ? なんか何処かで聞いた話だぞ? それもさっき。
ええと、メアリって確か……?
「そ、それって……。小さい頃から天才魔術師と呼ばれて、先日突然治癒魔法に目覚めて、そしてあの日、俺の魔法で光の柱の演出と共に周りの怪我人達を一瞬で治療したメアリは条件に一致したって事ですか?」
「さよう。元々メアリは聖女候補だったのだよ。あとは奇跡が起こるのを待つだけだったんだ」
あーーーーー! やっぱり神の罠じゃねぇかぁーーー!
またも後出し情報かよーーーー!
「で、でも奇跡に関しては、俺の魔法によるインチキだからノーカンじゃあ?」
「おいおいショウタ? お前は何を言ってるんだ?」
横から急に先輩が呆れたような声を出した。
何を言ってるって? 今言ったじゃないか俺の魔法だったって。
それともノーカンって言葉はこの世界では通じない?
「ノーカンってのは、条件に入らないって事で……」
「それぐらい分かっている。言葉の話じゃない」
あぁ、ノーカンもやっぱり存在するんだな。
じゃあ説明が足らなかったのか?
「いや、だから俺が分配の魔法でメアリに魔力を分けてやり、増幅の魔法で治癒魔法に特化させて威力の底上げをしたから、怪我人達を一瞬で癒せたんだぜ? しかも発動に昔絵本で読んだ聖女誕生の演出を入れてな。こんなのインチキだろって」
どうもインチキと言うのが伝わっていなかった様なので、もう一度詳しく状況を説明をした。
しかし、その俺の言葉によって、更に先輩と王子が呆れた顔をしてため息を付く。
え? 何か二人を呆れさせる事を言ったか?
「あのなぁ、それだけの事を出来る人間が居る訳ないだろ?」
先輩がなんかアホの子を見る様な目で俺を見ながら気の毒そうに言ってくる。
あれ? 二人共俺の魔法の事知っているんだよな?
なら俺の説明を信じてくれなかったのか?
今更信じてくれないなんて少しショック……。
「い、いやここに居るんだが……?」
「フフフッ。そうだな。けど、普通は居ない。魔道と治癒の二つの魔法を操る事もだが、並の魔法使い数人分の魔力量を持つメアリの魔力を全快まで分け与え、尚且つ特定の魔法の威力のみを増幅させ、更に莫大な光量で有りながら周囲に熱を放出しない純粋な光を長時間放出させるなんて芸当が出来る存在なんてな」
「なななななっ」
「ガハハハハ。そんな奴がその場に居たって事こそが、本当に奇跡ってもんだ。そう、インチキじゃねぇよ。実際に奇跡は起こったんだ。お前と言う存在がそこに居たと言う奇跡がな」
「なぁぁぁーーーー! やっちまったぁぁーーー! 違うって、俺はそんなんじゃないって」
「まぁ、そう謙遜しなくてよろしい。今言った通り、メアリの聖女任命はインチキでもない運命なのだよ。普通は覆らない。その場で本人が違うと言っても状況証拠が揃い過ぎているからな。好きな奴が居るからと言うのは納得出来ないが、そもそもどうやって返上しようとしたんだね?」
何も考えずにやってしまった自分の馬鹿さ加減に頭を抱えていると王子が『聖女返上計画』の事を聞いて来た。
確かに状況証拠が揃い過ぎているんで普通は無理そうだ。
しかし、メアリはその事を知っていたんだな。
だから、あれ程の事を考えたのか。
「ええ、実は……」
ごにょごにょごにょごにょ……。
「ガハハハハ! なるほど! そりゃいい! しかし、それ考えた奴は余程のバカだ!」
「それ考えたの俺じゃなくてメアリだぜ?」
「なっ! う、うぐ」
「メ、メアリが? なんて大それて罰当たりな事を……」
あぁ、さすがに王子は自分の娘の計画に頭を抱えてしまったようだ。
確かに罰当たり過ぎる。
俺ならなんとも思わないが、この世界の人間じゃ破格の思考だよな。
自分の娘がそんな事を考えているって言うのは、親としては自分の育て方を間違ったと落胆しても仕方無いか。
「王子、気を落とさず……」
「……フフフッ。フフフフフッ」
お、王子が急に頭を抱えたまま笑い出した!
あまりのショックに頭がおかしくなったのか?
「フハハハハハ! さすが私の娘だ! そんな魔法の使い方を思い付くなんてやるじゃないか! 私も魔法学校の学長と言う身分でありながら、こっそりと禁断の魔力無駄活用法について研究していたが、そこまで罰当たりで面白い事など考えた事は無かったぞ!」
あぁ、分かった。この人も魔法オタクなんだな。
なんかバカが研究するってメアリが言っていた、魔力の無駄遣いについても隠れて研究していたなんて、筋金入りだわ。
さっき頭抱えていたのは、研究していた自分より面白い方法を考え付いたのに嫉妬していたのか?
「しかし、ショウタ? そんな事を実際に出来るのか? いや、お前の事は理解しているつもりだが、とんでもない魔力が必要になるぞ?」
「あぁ、それは大丈夫だ。ざっと頭の中で計算したが何とか持つだろ。といっても次の日寝込むかも知れないがな」
「う~む、それはそれで恐ろしい魔力量だな……」
先輩は直接俺の魔法の力を見たのは出会った時だけだし、あとは話で聞いただけだろうし、信じられなくても仕方無いか。
しかし、メアリは直接俺の魔力を分け与えたんだ。
小さい頃から天才魔術師と呼ばれ、魔力の気配だけで俺が仕掛けた魔法を解析することが出来る程の奴なんだから、俺の魔力から、その総量や出来る事のある程度の試算は済んでいるんだろう。
恐ろしいのはメアリの方かも知れないぜ。
「ショウタ。ではその事についてはお任せしよう。私達も手伝える事が有ったら言って欲しい。あぁ、今から楽しみだ」
王子はまるで子供の様に目をキラキラさせながら、その瞬間の事を想像しているようだ。
こんな所はメアリにそっくりだな。本当に似たもの親子だよ。
「そう言えば、さっき王子が俺の事を希望と言っていましたが、それに付いても今は詳細は知らないけど、心当たりは有るんで任せておいてください」
「「なっ!? それは本当か」」
二人が声を合わせて聞いて来た。
希望と言うのが全ての魔法を使える様になる事と言うのに気付いたようだ。
まぁ、そりゃ気になるよな。
「その事は絶対に他の誰にも言うなよ!」
「勿論私達にもだ。それにもし方法が分かっても出来るならメアリにも秘密にして欲しい。使える者が居るという希望だけで良いのだよ」
「ええ! 何で? 喉から手を出しても欲しい情報と思うんだが?」
「だからだよ! その情報は下手したら戦争の道具になる! それに教会の権威も地に落ちる」
「そんな大袈裟な」
「大袈裟所かそれが現実だ。神の奇跡の代行者として治癒魔法の力を授かる。それがただの知識でどうにかなってみろ! 信仰なんて意味を成さなくなり、教会が今まで戦争の抑止力となって各国のバランスを保っていたのが崩壊する。それに治癒の力を戦争に使われる可能性も出てくるんだぞ!」
そ、そうか!! 俺は二つの魔法を使えると言う事を安易に考えていた。
言われたら、これは神が定めたこの世界のルールなんだ。
ルールは様々存在し、それらはまるで物理法則みたいなものだ。
例えば争いにおいて理由無き者に対しての治癒魔法は行えない。
それだけで他者へと危害を与えようとする者への抑止力となるだろう。
この世界ではそれらのルールを破る事が出来ない。
それが有るから皆が神を意識し、世界はそこそこの平和を保っていられた。
しかし、もしそのルールを一つでも破る方法が有ったら?
しかも、神の奇跡の代行者と言うルールの中でも、そのまま神の存在に直結する超弩級のルールをだ。
他のルールでさえ破る事が出来るのではないか?
人々はそう思い、その方法を求めてそれこそ戦争が起こる事も考えられる。
「分かった。今後方法を知ったとしても誰にも言わねぇよ」
「すまんな。それとお前も気を付けろよ。もしバレる様な事になったら今の生活は出来なくなる事は覚悟しておけ。良くも悪くも表舞台に引きずり出されるだろう」
そうだろう。そうなったら多くの者、いや国が俺の力を取り込もうとアレコレと仕掛けてくるに違いない。
俺一人で国家間のバランスが狂いかねない爆弾だ。
まだ英雄として見られるならマシだろうが、神のルールを破る者として人類の敵にされる事だって有るかもしれない。
そうなれば、今までの逃亡生活よりもっと過酷になる。
それだけは避けなければな。
それに今の俺の夢は……。
「あぁ、何せ俺の夢はのんびり暮らす事だからな。肝に銘じておくよ」
「ハハハッ。運命は何処まで見逃してくれるだろうな?」
「怖い事言うなよ! 運命なんてクソ食らえだぜ!」
とは言ったものの、既に運命の神のプログラムは動き出した。
見逃してくれないんだったらぶっ潰すしか無ぇな。
「しかし、これで確信した。私達の目に狂いが無かったと言う事だろうな」
「ははは、違い無ぇ」
神に対して更なる闘志を燃やしている所に先輩達が気になる事を言い出した。
「目に狂いが無かったって、どう言う事なんだ?」
「あぁ、王国に伝わる伝説にな、お前の事が出てくるのだよ」
「な、何だって?!」
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