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第四章 それでは皆様
第73話 悩み事
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「う~ん、一体どうしたのかしらね~?」
ローズは溜息を吐きながらお茶を飲んだ。
ここ数日ローズは有る事に悩んでおりその解決方法を探っている。
それは何かと言うと……。
コンコン……。
「……お嬢様。お着替えをお持ちしました……」
「えぇ、入って良いわよ」
ローズの言葉でゆっくりとローズの部屋の扉が開き、暗い顔をしたメイドが入って来た。
手には丁寧に折りたたまれた肌着と思しき着替えを幾重かに積み重ね持っている。
入って来たメイドはローズに顔を合わせようとはせず、衣装棚の引き出しを開け、手に持った肌着をそこに入れるや否やそそくさと部屋から立ち去ろうとした。
「エレナ? ちょっと待って」
ローズは慌ててその暗い顔をしたメイドに声を掛けて引き留める。
そう、ローズが口にしたメイドの名前通り、暗い顔をしたメイドとはエレナだ。
そしてここ最近のローズの悩みとは先日ビスマルク家のお泊り会から帰って来てから、何故かエレナがよそよそしくなってしまっており、その原因が分からないと言う事だった。
声を掛けても笑顔は見せず、一言二言話すとすぐに顔を背けて『失礼します』と去って行く。
それとミスも目立つようになった。
先ほど肌着を入れた棚は肌着ではなく下着の棚だ。
他にも食器を落として割ったり、手に持った書類をばら撒かせたりと、それまではおよそしなかったミスをするようになり他の使用人達も首を捻っている始末。
『まるでゲームの中のエレナの様だ』と、ローズは思った。
勿論ローズはそんなエレナのミスを怒る様な真似はしない、何故ならそれが悪役令嬢と周囲に映る事を恐れた以上に、中の人である野江 水流は『人間は誰でもミスを犯すもの。それをフォローするのがあたし』と言う信念を持ち、そのミスが更に他人を傷付ける様な真似でもしない限り笑って許す性格なのだから。
『本当にどうしたのかしら? あんなに仲良くなっていたのに、今も少し警戒しているわ。何が有ったのかしら?』
ローズの言葉に立ち止まったエレナだが、長い前髪の所為で俯いているとローズからは表情が全く読めない。
ただこちらの動向を気にしていると言う雰囲気を発している。
まるでこの屋敷に来た後すぐの頃の様に何かに怯えている……、そうローズは感じた。
『あの時はゲームのオープニングと全く違う展開に驚いて混乱していたんだと思うけど、今度は何に怯えているの?』
ローズは立ち止まって俯いたまま何も喋らないエレナを観察した。
すると、その様子に気付いたのかエレナは顔を上げる。
ちらと見えたその瞳には数日前の優しい光は無く、まるで濁り切った沼の如き深い闇を垣間見た気がしてローズはドキリとした。
「…何か御用命でしょうか? お嬢様」
「え? いえ、そうじゃないんだけど……」
氷の様に冷たいエレナの言葉にローズは圧倒され上手く言葉が紡げず口ごもる。
「まだまだお仕事が残っておりますので、何も用事が無いのでしたら失礼いたします」
そんなローズを同じ暗き瞳で一瞥したエレナは頭を下げまた部屋から出て行こうとした。
『待って……』と声を掛けようとしたローズだが、エレナの瞳にショックを受けてその言葉が喉から先に出て来なかった。
「お待ちなさい。お嬢様がお呼びになっているのです。それをメイドが勝手に話を切って去るとは失礼でしょう。それより先程肌着を入れた棚は下着の棚です。すぐに直しなさい」
言葉が出ずに引き留めようとする右手だけが宙を描いていたローズに代わり、隣に控えていたフレデリカが少しドスの利いた声でエレナに声を掛けた。
その声にビクンと体を震わせたエレナは立ち止まる。
「申し訳ありません。お嬢様。今すぐ直します」
エレナは相変わらず冷たい声でそう言い、頭を下げて衣装棚の方へ向かう。
「ち、違うのよエレナ。あなたを引き留めたのはそうじゃないの。下着も肌着も似た様な物だから直さなくていいわ。それより一緒にお茶を飲まない?」
全然似た様なものではないが、ローズの中の人である野江 水流は元の世界ではそう言う人だったのである。
下手したらブラウスも同じ棚に入れると言うガサツ具合。
だって、洗ったし一緒の棚に入れて置いたら一度に準備出来るでしょ? と言った塩梅だった。
だから、『直さなくていい』は嘘偽らざる本心であるし、『お茶を飲もう』と言ったのも引き留めようとした理由そのものだ。
その言葉にエレナは一瞬頬が綻び目に光が戻ったように見えたが、すぐに元の闇の浮かぶ瞳と冷たい表情に戻ってしまった。
『なぜ?』と言う言葉がローズの頭をぐるぐると回る。
「いえ、今は仕事中ですので、折角のお嬢様のお誘いですがご遠慮させて頂きます。また他の方に言われ……。いえ、何でもありません。すぐにお着替えは直しますので」
「え……今なんて?」
聞き返したローズの言葉を余所にエレナはテキパキと肌着を正しい棚に入れ部屋から去って行ってしまった。
部屋に残されたのはエレナの態度に渋い顔をしているフレデリカと茫然とした顔でエレナが出ていった扉を見ているローズの二人。
『気になる言葉を言っていたわ……』
ローズは先ほどエレナが言い掛けて止めた言葉の事を考える。
『また他の方に言われ……』とは、どう言う事なんだろう?
「最近のエレナの態度はなっていませんね。お屋敷の仕事に慣れたからサボってるんですよ。少々厳しくビシッと指導してやりましょうかね」
不満気な思いを隠す事なくフレデリカは腰に手を当て怒っていた。
最後の方は少しサディストチックに舌なめずりをしている。
「え? そんなフレデリカ、厳しくビシッとだなんて。それに環境が変わったって言う緊張が解けて本来のあの子の地が出て来たって事も考えられるわ」
これは考えられる事だった。
完全制覇するくらい慣れたゲームの展開と全く違う状況に放り込まれ、毎日その違いによる困惑で緊張していたんだろう。
そして、直接対決第二戦以降その緊張も取れ、本来の主人公とローズの関係の違いに理解を示しだしていた。
ただ、なぜ避けられるようになったのかだけ分からない。
ローズはまたエレナと一緒に笑って楽しく過ごせるようになったらいいのにと強く思う。
「それですよお嬢様。お嬢様はエレナに甘過ぎます! 仮にもスパイ容疑はまだ晴れていないのですよ? それなのに新人だからと言っても、初めてあの子がお屋敷に来て以降、お嬢様のエレナに対する態度は過保護が過ぎるんです」
「え? そ、そんな事はないわよ」
一応否定したが『確かにそうかも』と、ローズはエレナに出会って以降の自分の態度を顧みた。
他の使用人と比べ贔屓をしている訳ではないと思うのだが、しかし相手はこのゲーム完全制覇能力MAX無敵の主人公だ。
それに比べて自分はただのライバルにもなり得ない悪役令嬢だ。
ただ敵対してもシナリオの強制力により全てが主人公の有利に働くのは目に見えている。
ローズの中の人である野江 水流は練習試合は別として、勝てない戦はしない主義だ。
戦うからには自分の持つ全ての知識をもって相手を叩きのめす。
だからこそ、バッドエンドの一つである、イケメン達の誰とも仲良くならないルートに叩き込んでやろうと画策しているのだ。
その手段はとことん仲良くなってイケメン達と主人公とのフラグを折りまくる事。
だから恋愛フラグの大半を占める同情ポイントを稼がせない様にエレナに仲良くなろうとしたし、失敗しても優しく許した。
けど、他の使用人達とも仲良くしていたと思っていたのだが……。
もしかして『また他の方に言われ……』とは、ローズがエレナを贔屓していると思った他の使用人達が、嫉妬でエレナに何か言ったのだろうか?
だから、一歩身を引いて冷たい態度を取っているのだろうか?
それに一瞬目に光が戻ったんだものと、ローズはエレナの変わり様を推測した。
「ねぇフレデリカ? もしかしてだけど、エレナって他の使用人達にいじめられてるの?」
「え? いじめですか? それは聞いた事は無いですね。それにうちにはその様な者は居ないと思いますが……」
「そ、そうよね。けど、さっき言い掛けた言葉がなんだか気になって……」
ローズもこの屋敷にはそんな人など居ないと思っている。
ただ、このゲームをプレイして自分がエレナだった際、結構ローズの陰口を言うモブ使用人は沢山目にして来たと言うのも事実。
それはゲーム中のローズがどうしようもないクズだったと言う事も分かっていた。
だから自分がローズになった今、少しでもそんな悲しい行為をする人達が減るようにと頑張って来たのだ。
もしかして、ローズの陰口を言う使用人は居なくなったが、代わりに主人公であるエレナに矛先が向かったのだろうか? と、 ローズはそう考えた。
「一応探ってみて。もしそうなら誤解を解かなくちゃ。私もエレナに対する態度をもう少し自重するわ」
「分かりました。それとなく探ってみます。私としてはスパイの仕事を思い出して動き出しただけと思うのですけどね」
フレデリカは少し呆れながらもそう言って部屋を出て行った。
一人部屋に残ったローズは腕を組んでエレナの事を考える。
敵ではあるのだけど、折角仲良くなりかけた同じゲームを楽しんだ者同士。
これからも仲良くなりたいとローズは思う。
『なんたって、それがバッドエンドに叩き込む最善の一手ですもの!』
と、ローズは建前半分本気半分の少々黒い腹案に闘志を燃やした。
ローズは溜息を吐きながらお茶を飲んだ。
ここ数日ローズは有る事に悩んでおりその解決方法を探っている。
それは何かと言うと……。
コンコン……。
「……お嬢様。お着替えをお持ちしました……」
「えぇ、入って良いわよ」
ローズの言葉でゆっくりとローズの部屋の扉が開き、暗い顔をしたメイドが入って来た。
手には丁寧に折りたたまれた肌着と思しき着替えを幾重かに積み重ね持っている。
入って来たメイドはローズに顔を合わせようとはせず、衣装棚の引き出しを開け、手に持った肌着をそこに入れるや否やそそくさと部屋から立ち去ろうとした。
「エレナ? ちょっと待って」
ローズは慌ててその暗い顔をしたメイドに声を掛けて引き留める。
そう、ローズが口にしたメイドの名前通り、暗い顔をしたメイドとはエレナだ。
そしてここ最近のローズの悩みとは先日ビスマルク家のお泊り会から帰って来てから、何故かエレナがよそよそしくなってしまっており、その原因が分からないと言う事だった。
声を掛けても笑顔は見せず、一言二言話すとすぐに顔を背けて『失礼します』と去って行く。
それとミスも目立つようになった。
先ほど肌着を入れた棚は肌着ではなく下着の棚だ。
他にも食器を落として割ったり、手に持った書類をばら撒かせたりと、それまではおよそしなかったミスをするようになり他の使用人達も首を捻っている始末。
『まるでゲームの中のエレナの様だ』と、ローズは思った。
勿論ローズはそんなエレナのミスを怒る様な真似はしない、何故ならそれが悪役令嬢と周囲に映る事を恐れた以上に、中の人である野江 水流は『人間は誰でもミスを犯すもの。それをフォローするのがあたし』と言う信念を持ち、そのミスが更に他人を傷付ける様な真似でもしない限り笑って許す性格なのだから。
『本当にどうしたのかしら? あんなに仲良くなっていたのに、今も少し警戒しているわ。何が有ったのかしら?』
ローズの言葉に立ち止まったエレナだが、長い前髪の所為で俯いているとローズからは表情が全く読めない。
ただこちらの動向を気にしていると言う雰囲気を発している。
まるでこの屋敷に来た後すぐの頃の様に何かに怯えている……、そうローズは感じた。
『あの時はゲームのオープニングと全く違う展開に驚いて混乱していたんだと思うけど、今度は何に怯えているの?』
ローズは立ち止まって俯いたまま何も喋らないエレナを観察した。
すると、その様子に気付いたのかエレナは顔を上げる。
ちらと見えたその瞳には数日前の優しい光は無く、まるで濁り切った沼の如き深い闇を垣間見た気がしてローズはドキリとした。
「…何か御用命でしょうか? お嬢様」
「え? いえ、そうじゃないんだけど……」
氷の様に冷たいエレナの言葉にローズは圧倒され上手く言葉が紡げず口ごもる。
「まだまだお仕事が残っておりますので、何も用事が無いのでしたら失礼いたします」
そんなローズを同じ暗き瞳で一瞥したエレナは頭を下げまた部屋から出て行こうとした。
『待って……』と声を掛けようとしたローズだが、エレナの瞳にショックを受けてその言葉が喉から先に出て来なかった。
「お待ちなさい。お嬢様がお呼びになっているのです。それをメイドが勝手に話を切って去るとは失礼でしょう。それより先程肌着を入れた棚は下着の棚です。すぐに直しなさい」
言葉が出ずに引き留めようとする右手だけが宙を描いていたローズに代わり、隣に控えていたフレデリカが少しドスの利いた声でエレナに声を掛けた。
その声にビクンと体を震わせたエレナは立ち止まる。
「申し訳ありません。お嬢様。今すぐ直します」
エレナは相変わらず冷たい声でそう言い、頭を下げて衣装棚の方へ向かう。
「ち、違うのよエレナ。あなたを引き留めたのはそうじゃないの。下着も肌着も似た様な物だから直さなくていいわ。それより一緒にお茶を飲まない?」
全然似た様なものではないが、ローズの中の人である野江 水流は元の世界ではそう言う人だったのである。
下手したらブラウスも同じ棚に入れると言うガサツ具合。
だって、洗ったし一緒の棚に入れて置いたら一度に準備出来るでしょ? と言った塩梅だった。
だから、『直さなくていい』は嘘偽らざる本心であるし、『お茶を飲もう』と言ったのも引き留めようとした理由そのものだ。
その言葉にエレナは一瞬頬が綻び目に光が戻ったように見えたが、すぐに元の闇の浮かぶ瞳と冷たい表情に戻ってしまった。
『なぜ?』と言う言葉がローズの頭をぐるぐると回る。
「いえ、今は仕事中ですので、折角のお嬢様のお誘いですがご遠慮させて頂きます。また他の方に言われ……。いえ、何でもありません。すぐにお着替えは直しますので」
「え……今なんて?」
聞き返したローズの言葉を余所にエレナはテキパキと肌着を正しい棚に入れ部屋から去って行ってしまった。
部屋に残されたのはエレナの態度に渋い顔をしているフレデリカと茫然とした顔でエレナが出ていった扉を見ているローズの二人。
『気になる言葉を言っていたわ……』
ローズは先ほどエレナが言い掛けて止めた言葉の事を考える。
『また他の方に言われ……』とは、どう言う事なんだろう?
「最近のエレナの態度はなっていませんね。お屋敷の仕事に慣れたからサボってるんですよ。少々厳しくビシッと指導してやりましょうかね」
不満気な思いを隠す事なくフレデリカは腰に手を当て怒っていた。
最後の方は少しサディストチックに舌なめずりをしている。
「え? そんなフレデリカ、厳しくビシッとだなんて。それに環境が変わったって言う緊張が解けて本来のあの子の地が出て来たって事も考えられるわ」
これは考えられる事だった。
完全制覇するくらい慣れたゲームの展開と全く違う状況に放り込まれ、毎日その違いによる困惑で緊張していたんだろう。
そして、直接対決第二戦以降その緊張も取れ、本来の主人公とローズの関係の違いに理解を示しだしていた。
ただ、なぜ避けられるようになったのかだけ分からない。
ローズはまたエレナと一緒に笑って楽しく過ごせるようになったらいいのにと強く思う。
「それですよお嬢様。お嬢様はエレナに甘過ぎます! 仮にもスパイ容疑はまだ晴れていないのですよ? それなのに新人だからと言っても、初めてあの子がお屋敷に来て以降、お嬢様のエレナに対する態度は過保護が過ぎるんです」
「え? そ、そんな事はないわよ」
一応否定したが『確かにそうかも』と、ローズはエレナに出会って以降の自分の態度を顧みた。
他の使用人と比べ贔屓をしている訳ではないと思うのだが、しかし相手はこのゲーム完全制覇能力MAX無敵の主人公だ。
それに比べて自分はただのライバルにもなり得ない悪役令嬢だ。
ただ敵対してもシナリオの強制力により全てが主人公の有利に働くのは目に見えている。
ローズの中の人である野江 水流は練習試合は別として、勝てない戦はしない主義だ。
戦うからには自分の持つ全ての知識をもって相手を叩きのめす。
だからこそ、バッドエンドの一つである、イケメン達の誰とも仲良くならないルートに叩き込んでやろうと画策しているのだ。
その手段はとことん仲良くなってイケメン達と主人公とのフラグを折りまくる事。
だから恋愛フラグの大半を占める同情ポイントを稼がせない様にエレナに仲良くなろうとしたし、失敗しても優しく許した。
けど、他の使用人達とも仲良くしていたと思っていたのだが……。
もしかして『また他の方に言われ……』とは、ローズがエレナを贔屓していると思った他の使用人達が、嫉妬でエレナに何か言ったのだろうか?
だから、一歩身を引いて冷たい態度を取っているのだろうか?
それに一瞬目に光が戻ったんだものと、ローズはエレナの変わり様を推測した。
「ねぇフレデリカ? もしかしてだけど、エレナって他の使用人達にいじめられてるの?」
「え? いじめですか? それは聞いた事は無いですね。それにうちにはその様な者は居ないと思いますが……」
「そ、そうよね。けど、さっき言い掛けた言葉がなんだか気になって……」
ローズもこの屋敷にはそんな人など居ないと思っている。
ただ、このゲームをプレイして自分がエレナだった際、結構ローズの陰口を言うモブ使用人は沢山目にして来たと言うのも事実。
それはゲーム中のローズがどうしようもないクズだったと言う事も分かっていた。
だから自分がローズになった今、少しでもそんな悲しい行為をする人達が減るようにと頑張って来たのだ。
もしかして、ローズの陰口を言う使用人は居なくなったが、代わりに主人公であるエレナに矛先が向かったのだろうか? と、 ローズはそう考えた。
「一応探ってみて。もしそうなら誤解を解かなくちゃ。私もエレナに対する態度をもう少し自重するわ」
「分かりました。それとなく探ってみます。私としてはスパイの仕事を思い出して動き出しただけと思うのですけどね」
フレデリカは少し呆れながらもそう言って部屋を出て行った。
一人部屋に残ったローズは腕を組んでエレナの事を考える。
敵ではあるのだけど、折角仲良くなりかけた同じゲームを楽しんだ者同士。
これからも仲良くなりたいとローズは思う。
『なんたって、それがバッドエンドに叩き込む最善の一手ですもの!』
と、ローズは建前半分本気半分の少々黒い腹案に闘志を燃やした。
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