桜色の思いで

木葉風子

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コンコン
「入るわね」

ノックと同時にドアを開け
神谷医師が来る

「あら、美味しそうね」

二人に言った、そう言われ
食べるのを辞めようとする

「いいから
見にきただけよ
その分だと食事は
普通で大丈夫ね

まだ熱があるから
点滴するね
それと血を採るから」

「なんだか先生
吸血鬼みたいだな」

「あら、どうして?」

「だって、顔みたら血を
くれっていわれてる
気がするわ!」

「そうだったかしら?」

「詩織
失礼なこと言って
すいません、先生」

「そんなこと
気にしなくても
でも、確かにそうね
詩織ちゃんにはたくさん
血をもらったからね」

切なそうなに
私を見た神谷先生
でも、すぐに笑顔になる

「今は大丈夫
でも熱が下がるまでは
病室でおとなしくしてて」

「わかりました」

神谷先生は私が病気を
発症したときから
診てくれている
だから、もう五年
お世話になっている



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