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友達①
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週末
大勢の人で賑わう店内
「人の多い所は苦手だな」
ため息をつきながら
本を見ている毅
「いいか
うまくやるんだぞ」
なにやらひそひそ話す声
声のする方に目をやる毅
人気のない一角
数人の中学生らしき
少年が数人溜まっていた
❨あいつら
何する気だ?❩
彼らから見えないように
様子を伺う
周りを見て誰もいないのを
確認する中学生たち
「いいか
外で待ってるからな」
1人を残して出ていった
のこされた中学生が本棚の
本を手に取り鞄の中に
入れようとした
「おい!
何してるんだ」
不意に声をかけられ
逃げようとする
「悪い事してないなら
逃げなくていいだろ」
そう言うと彼の側へ行く
「外に行こう」
彼の腕を掴み強引に
歩きだす毅と中学生
ビルの外に出てきた
「あなたは誰なんですか?」
毅を見る中学生
「君は自分が何をしようと
してるのかわかってるのか?」
無言のままの中学生
「彼らに命令されたのか?」
毅の顔を見る
「君の友達なら
とっくにいないよ」
自販機からコーラを取りだし
彼に手渡す毅
「飲めば?緊張して
喉、渇いただろう」
「でも…」
「遠慮するな」
コーラを飲みきる中学生
「落ち着いたか?」
「うん…」
「一緒にいた奴らは
友達なのか?」
「そうだけど…」
空を見ながら話しだす毅
「オレの友達に
むちゃくちゃな奴がいてさ
普段は人のこと
誂ってばかりなんだよ
でもさ…オレたちが
苛められたりしてたら
必死で守ってくれたよ
それこそ、自分は
傷だらけになってもね」
そう言って彼を見た毅
「どうしてそこまで?」
不思議そうに毅に聞く
「どうしてだろうな…
きっと理由なんかないよ
友達だから、それだけ!」
「友達だから」
「そいつはね
何があっても
どんなときでも
友達のこと守ってくれた
だから、オレたちだって
奴の味方だよ!
君はどうなんだ?」
「僕…」
「相手のいいなりに
なることで友達だなんて
そんなの違うよ!」
「でも…」
「ほんとの友達なら
駄目なことは駄目
だって言えるよ!
それで離れていくなら
友達になる必要ないよ」
「毅くん」
ビルの外にいる2人に
声をかける
「ふぅちゃん」
毅が楓子を見た
「どうしたの?」
彼のおかしな行動を気にして
様子を見に来た楓子
「なんでもないよ」
毅が答える
逃げようとする中学生
「大丈夫だよ
この人はオレのおねえさん
みたいな人だから…」
彼に言う毅
「おねえさんって…
まぁ、いいけどね」
そう言って毅を見る
そんなやり取りを
見ている彼
楓子の顔をじっと見る
「君はこの人を
知ってるんだ」
毅が彼に聞く
「だって、この人
有名人だもん」
楓子を見て言う
「私が?」
きょとんとする
「僕、帰ります」
毅を見て言った
「じゃあ
もし何かあったら
彼女に聞けば
オレの連絡先わかるから」
帰って行く彼の後ろ姿を
心配そうに見送る毅
「毅くん
何があったの?」
「ふぅちゃん
オレはいい友達が
いて良かった」
「友達か!
私もそうよ!
その大事な友達からの
伝言なんだけど
遅くなるから先に家で
待っててくれって…」
バス停に向かって歩く
楓子の後ろを歩く毅
❨怜、オレたち
ガキの頃から自分のことを
愛してくれる人探してた…
親にさえ愛されないのに
そんな人が現れるなんて
思わなかった❩
「あと10分しないと
バス来ないわよ」
「そのぐらい、すぐだよ」
楓子の横顔を見つめる毅
❨彼女はいつだって
オレたちのこと
愛してくれてる
ほんと、ガキの頃から
一緒に泣いてくれた
一緒に笑いあった
いつだって
側にいてくれた
そうだろう!
だからおまえだって…❩
大勢の人で賑わう店内
「人の多い所は苦手だな」
ため息をつきながら
本を見ている毅
「いいか
うまくやるんだぞ」
なにやらひそひそ話す声
声のする方に目をやる毅
人気のない一角
数人の中学生らしき
少年が数人溜まっていた
❨あいつら
何する気だ?❩
彼らから見えないように
様子を伺う
周りを見て誰もいないのを
確認する中学生たち
「いいか
外で待ってるからな」
1人を残して出ていった
のこされた中学生が本棚の
本を手に取り鞄の中に
入れようとした
「おい!
何してるんだ」
不意に声をかけられ
逃げようとする
「悪い事してないなら
逃げなくていいだろ」
そう言うと彼の側へ行く
「外に行こう」
彼の腕を掴み強引に
歩きだす毅と中学生
ビルの外に出てきた
「あなたは誰なんですか?」
毅を見る中学生
「君は自分が何をしようと
してるのかわかってるのか?」
無言のままの中学生
「彼らに命令されたのか?」
毅の顔を見る
「君の友達なら
とっくにいないよ」
自販機からコーラを取りだし
彼に手渡す毅
「飲めば?緊張して
喉、渇いただろう」
「でも…」
「遠慮するな」
コーラを飲みきる中学生
「落ち着いたか?」
「うん…」
「一緒にいた奴らは
友達なのか?」
「そうだけど…」
空を見ながら話しだす毅
「オレの友達に
むちゃくちゃな奴がいてさ
普段は人のこと
誂ってばかりなんだよ
でもさ…オレたちが
苛められたりしてたら
必死で守ってくれたよ
それこそ、自分は
傷だらけになってもね」
そう言って彼を見た毅
「どうしてそこまで?」
不思議そうに毅に聞く
「どうしてだろうな…
きっと理由なんかないよ
友達だから、それだけ!」
「友達だから」
「そいつはね
何があっても
どんなときでも
友達のこと守ってくれた
だから、オレたちだって
奴の味方だよ!
君はどうなんだ?」
「僕…」
「相手のいいなりに
なることで友達だなんて
そんなの違うよ!」
「でも…」
「ほんとの友達なら
駄目なことは駄目
だって言えるよ!
それで離れていくなら
友達になる必要ないよ」
「毅くん」
ビルの外にいる2人に
声をかける
「ふぅちゃん」
毅が楓子を見た
「どうしたの?」
彼のおかしな行動を気にして
様子を見に来た楓子
「なんでもないよ」
毅が答える
逃げようとする中学生
「大丈夫だよ
この人はオレのおねえさん
みたいな人だから…」
彼に言う毅
「おねえさんって…
まぁ、いいけどね」
そう言って毅を見る
そんなやり取りを
見ている彼
楓子の顔をじっと見る
「君はこの人を
知ってるんだ」
毅が彼に聞く
「だって、この人
有名人だもん」
楓子を見て言う
「私が?」
きょとんとする
「僕、帰ります」
毅を見て言った
「じゃあ
もし何かあったら
彼女に聞けば
オレの連絡先わかるから」
帰って行く彼の後ろ姿を
心配そうに見送る毅
「毅くん
何があったの?」
「ふぅちゃん
オレはいい友達が
いて良かった」
「友達か!
私もそうよ!
その大事な友達からの
伝言なんだけど
遅くなるから先に家で
待っててくれって…」
バス停に向かって歩く
楓子の後ろを歩く毅
❨怜、オレたち
ガキの頃から自分のことを
愛してくれる人探してた…
親にさえ愛されないのに
そんな人が現れるなんて
思わなかった❩
「あと10分しないと
バス来ないわよ」
「そのぐらい、すぐだよ」
楓子の横顔を見つめる毅
❨彼女はいつだって
オレたちのこと
愛してくれてる
ほんと、ガキの頃から
一緒に泣いてくれた
一緒に笑いあった
いつだって
側にいてくれた
そうだろう!
だからおまえだって…❩
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