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秘密の計画②
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総合病院
職員専用出入口
「おはようございます」
1人の女性に彼が挨拶する
「怜くん、おはよう」
挨拶を返す女性
「えっ?どうして
俺の名前…」
笑顔で怜を見る
「わからない?
まぁ、私服だし
髪下ろしてるからね」
彼女の顔をじっと見る
「もしかして
小児病棟の…」
「当たり~!
外科病棟の看護師たちが
騒いてたけど
あなただったのね
え~と…」
「緑川怜です」
彼女に言う
「よろしくね、緑川先生」
そう言って足早に
去って行った
更衣室で白衣に着替える怜
❨そっか!
小児病棟のドクターや
看護師たちは
俺のこと知ってるんだ❩
外科病棟
ナースステーション
50代位の少しふくよかな
看護師が怜に言う
「今日から1人で病室を
担当してもらいます」
少し緊張気味の怜
「私は看護師長の若杉です
こちらは宮下先生です」
白衣の男性を紹介する
黙ったまま怜を見る宮下
「先生…
先生も挨拶してください」
彼女に言われ頭を下げる
「…よろしく」
それだけ言うと
立ち去って行った
「気にしないでくださいね
ちょっと無愛想だけど
腕は確かですから」
開店前の店内
本を並べる楓子
❨敬くんの新刊
今日発売日だ…
でも、小説を書くって
自分の思いを文字にするって
ことなのかな…❩
昼休み
ランチ中の2人
「プレゼント?
別にいいのに」
江莉香に言った
「私が贈りたいの!」
毅然と言う彼女
「エリ…
でも、何を?」
彼女に訊ねる
「洋服よ」
そう言いながら
珈琲を飲む江莉香
「でも、どうして?」
「怜くんと一緒でも引けを
とらないようにね!」
彼女をじっと見つめる
「そんなの…」
おもわず否定した
「大丈夫よ!
私が見立ててあげるから」
嬉しそうに楓子を見た
若杉師長の隣に立つ宮下
「師長、彼は青山先生の
知り合いなんですか?」
ボソッと聞く
「確か息子さんの友達だと…
でも宮下先生が人に興味持つ
なんて珍しいですね」
彼を見る若杉師長
「………」
「青山先生がいらしたら
休憩行ってください」
彼女の言葉を背に
無言で立ち去る宮下
食堂内
おすすめ定食をテーブルに
運び席に着く怜
「今日はよく会いますね」
彼が座った向かいの席
「あなたは今朝の…」
飲み物を片手に前に座る
「彼女は、ふぅちゃんは
元気なの?」
彼に訊ねる
「相変わらず元気一杯だよ」
元気で答える怜
一息ついて話しだす彼女
「最初はね
あなたたちのこと
不釣り合いだと
思ってたのよ」
「えっ…」
食事中の箸が止まった
続けて話しだす彼女
「でもね、毎日見てて
お互いを大切に思ってる…
そんな風に感じるように
なったのよね」
少し照れる怜
「なにそんなに
紅くなってるのよ」
そう言って見る
「別にそんなこと…」
おもわず彼女から
顔を反らした
「でも、素敵なことでしょ
誰も愛せない人には
医者は務まらないわ」
確信に満ちて言う彼女
「そうなの?」
彼女を見返した
「でも
そうかもしれない」
不思議と納得する怜
「特に子供はね!」
笑顔で彼女が言った
❨そうだよな…
でも、本当に大変だよな❩
改めて大変な仕事だと
気を引き締めた
マンションの前に
車が止まる
「じゃあ、また明日
おやすみなさい」
「ありがとうエリ
おやすみなさい」
車を見送る
部屋の前
覗き窓から灯りが漏れる
❨怜、今日早いんだ…❩
ガチャリ
そっとドアを開ける
「おかえり」
キッチンから声がする
「ごめん
遅くなって…」
「食事できてるから」
怜が言った
テーブルに並んだ食事
「ねぇ、買い物してきた?」
「まさか、家にあるもだよ」
「ほんとに?」
「別にいつもどおりだよ
とにかくたべようよ」
❨やっぱり料理うまいんだな❩
「ふぅちゃん、食べ過ぎ!」
「だって、美味しいから」
「そう言ってくれると
嬉しいよ!」
優しく笑う怜
食事が終わり一息つく
「そっか!奴の本
今日が発売日なんだ」
「読まないの?」
「忙しいからなぁ~
時間できたら読むよ」
「そっか
今、大変だもんね」
食後の珈琲を飲む
おもいだしたように
怜が言う
「週末に毅が来るんだけど」
「毅くんが?」
彼を見る
「それでさぁ
ふぅちゃんに
頼みたいんだよ」
「えっ、何を?」
「俺たち3人とも
都合悪くてさ
奴と本屋で待ち合わせ
してるんだよ」
職員専用出入口
「おはようございます」
1人の女性に彼が挨拶する
「怜くん、おはよう」
挨拶を返す女性
「えっ?どうして
俺の名前…」
笑顔で怜を見る
「わからない?
まぁ、私服だし
髪下ろしてるからね」
彼女の顔をじっと見る
「もしかして
小児病棟の…」
「当たり~!
外科病棟の看護師たちが
騒いてたけど
あなただったのね
え~と…」
「緑川怜です」
彼女に言う
「よろしくね、緑川先生」
そう言って足早に
去って行った
更衣室で白衣に着替える怜
❨そっか!
小児病棟のドクターや
看護師たちは
俺のこと知ってるんだ❩
外科病棟
ナースステーション
50代位の少しふくよかな
看護師が怜に言う
「今日から1人で病室を
担当してもらいます」
少し緊張気味の怜
「私は看護師長の若杉です
こちらは宮下先生です」
白衣の男性を紹介する
黙ったまま怜を見る宮下
「先生…
先生も挨拶してください」
彼女に言われ頭を下げる
「…よろしく」
それだけ言うと
立ち去って行った
「気にしないでくださいね
ちょっと無愛想だけど
腕は確かですから」
開店前の店内
本を並べる楓子
❨敬くんの新刊
今日発売日だ…
でも、小説を書くって
自分の思いを文字にするって
ことなのかな…❩
昼休み
ランチ中の2人
「プレゼント?
別にいいのに」
江莉香に言った
「私が贈りたいの!」
毅然と言う彼女
「エリ…
でも、何を?」
彼女に訊ねる
「洋服よ」
そう言いながら
珈琲を飲む江莉香
「でも、どうして?」
「怜くんと一緒でも引けを
とらないようにね!」
彼女をじっと見つめる
「そんなの…」
おもわず否定した
「大丈夫よ!
私が見立ててあげるから」
嬉しそうに楓子を見た
若杉師長の隣に立つ宮下
「師長、彼は青山先生の
知り合いなんですか?」
ボソッと聞く
「確か息子さんの友達だと…
でも宮下先生が人に興味持つ
なんて珍しいですね」
彼を見る若杉師長
「………」
「青山先生がいらしたら
休憩行ってください」
彼女の言葉を背に
無言で立ち去る宮下
食堂内
おすすめ定食をテーブルに
運び席に着く怜
「今日はよく会いますね」
彼が座った向かいの席
「あなたは今朝の…」
飲み物を片手に前に座る
「彼女は、ふぅちゃんは
元気なの?」
彼に訊ねる
「相変わらず元気一杯だよ」
元気で答える怜
一息ついて話しだす彼女
「最初はね
あなたたちのこと
不釣り合いだと
思ってたのよ」
「えっ…」
食事中の箸が止まった
続けて話しだす彼女
「でもね、毎日見てて
お互いを大切に思ってる…
そんな風に感じるように
なったのよね」
少し照れる怜
「なにそんなに
紅くなってるのよ」
そう言って見る
「別にそんなこと…」
おもわず彼女から
顔を反らした
「でも、素敵なことでしょ
誰も愛せない人には
医者は務まらないわ」
確信に満ちて言う彼女
「そうなの?」
彼女を見返した
「でも
そうかもしれない」
不思議と納得する怜
「特に子供はね!」
笑顔で彼女が言った
❨そうだよな…
でも、本当に大変だよな❩
改めて大変な仕事だと
気を引き締めた
マンションの前に
車が止まる
「じゃあ、また明日
おやすみなさい」
「ありがとうエリ
おやすみなさい」
車を見送る
部屋の前
覗き窓から灯りが漏れる
❨怜、今日早いんだ…❩
ガチャリ
そっとドアを開ける
「おかえり」
キッチンから声がする
「ごめん
遅くなって…」
「食事できてるから」
怜が言った
テーブルに並んだ食事
「ねぇ、買い物してきた?」
「まさか、家にあるもだよ」
「ほんとに?」
「別にいつもどおりだよ
とにかくたべようよ」
❨やっぱり料理うまいんだな❩
「ふぅちゃん、食べ過ぎ!」
「だって、美味しいから」
「そう言ってくれると
嬉しいよ!」
優しく笑う怜
食事が終わり一息つく
「そっか!奴の本
今日が発売日なんだ」
「読まないの?」
「忙しいからなぁ~
時間できたら読むよ」
「そっか
今、大変だもんね」
食後の珈琲を飲む
おもいだしたように
怜が言う
「週末に毅が来るんだけど」
「毅くんが?」
彼を見る
「それでさぁ
ふぅちゃんに
頼みたいんだよ」
「えっ、何を?」
「俺たち3人とも
都合悪くてさ
奴と本屋で待ち合わせ
してるんだよ」
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