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第1章

第1話 入学式のヘレイデン

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 目が覚めると、火の海だった。

 知らない街が壊れている。

 建物にはヒビが入って、崩れているものもある。

 人は……見当たらない。でも、なんで?

 昨日中学校を卒業して、いつの間にか寝ちゃって、それで……ここ?

 いつ着替えたんだっけ、いやいや、まず家じゃないし、えぇと……。

「!?」

 何か、音がした。ガレキが崩れる音?違う、踏み潰す音。

 前から大きな犬みたいな何かが歩いてくる。

 怖いお話に出てくる怪物って、きっとああいうのを言うんだと思う。

 助けを呼んでも、こんなところじゃ人は来なさそう。

 逃げなきゃ。

 逃げなきゃ。

 逃げなきゃ、いけないのに。動かない。

 足、あれ、どうやって走るんだっけ、震えってどうやったら____

「あ」
 
 走ってくる。どうしよう、どうしよう……!

「危ない!」

 突然、視界がさえぎられた。

 黄金の鎧。金色のナイト?ヒーロー?

 よくわかんないけど、その人が、剣で怪物を防いでいる。

「早く逃げるんだ!」

 剣で怪物を押し返しながら、こっちを振り向いてその人が言う。

 逆光で、顔はよく見えないけど。

「あの、足が、震えちゃって!」

「わかった!もう少し待っていてく、うっ!」

 鎧にヒビが入る。

 よく見ると、そこかしこがヒビ割れた鎧だった。

「まだいけるだろ、HELL……!」

 鎧に刻まれた文字?が赤くなる。

「ハアっ!」

 剣で空中に怪物を打ち上げる。

 そして、怪物は頭をそのままに、巨人みたいな姿に変わっていく。

「終わりだ!」
 
 握った剣が、火に包まれる。

「ボルケイノスラッシュ!」

 剣から火だけが飛んでいって、当たると怪物は爆発。

 黒いみたいなものが剣に吸い込まれていく。

「ありがとう、ございます」

「どういたしまして。さ、ここは危ないから、ここから____」

 その時、彼の鎧のヒビがさらに広がり、ポロポロと崩れ落ちていく。

「どうやら、ここまでみたいだ」

 剣を私の目の前に突き立てると、膝をついた。

「あの、どうしたんですか」

「……君を戦いに巻き込んでしまうこと、申し訳なく思うよ」

 その人は、どんどん光になって、剣に吸い込まれていく。

「あの、待って!」

 吸い込まれていく手を掴もうとして、剣を掴んだ________


 *


「待っ、あ、れ?」

 目が覚めた。

 え、夢?夢にしてはなんか……熱かったな。
 あと煙たかった。熱くて煙たくて……ってことは現実?夢?むむむ。

 夢のことを考えながら、制服に着替える。

 あれ、スカートってこんな柄だったっけ?まぁいっか。

 今日は入学式。

 ついきのうが卒業式だった気がするけど、春休みがすっ飛んじゃったみたいな早さで、入学式になっちゃった。

 お父さんとお母さんは、仕事が長引いて帰ってきていない。

「いってきまーす」

 朝ごはんのあと、誰もいない家に声をかけて、玄関を出る。

「おはようさん、ユキちゃん」

 家を出てすぐ、声をかけられる。

 そう、今日はお母さんたちはいないけど。

「おはよう、クロトさん」

 お隣りのお兄さん、宮間みやまクロトさんと学校に行ける日!

「まっさかユキちゃんがボクの高校来るとは思わんかったやんね」

「私もびっくりだよ。ずっと大学生だと思ってたクロトさん、先生だって聞いたから」

 お母さんから、クロトさんは私の通う高校、昴鐘すばるがねの先生だって聞いた。

 えーと、いつ聞いたんだっけ?

「ずっと大学生て。ボクは留年続きじゃないやんね。ちゃーんと教員免許取って実習してって、でぇれえ大変だったよ?」

 あぁ、そっか。先生って何か、免許がいるんだっけ。

「へー。よくわかんないけど、クロトさんってカラスさんみたいに頭がいいから、先生似合うなぁ」

 ギョッとした顔をするクロトさん。

「か、カラスぅ!?な、なぁんでカラスやんね、もっとこう……あるでしょう?」

 あれ、カラスってそんなに変かな?

「なんでって、カラスさんは頭がいいんだよ。黒くてぇ、ツヤがあってぇ、目もキリッ!としてる。だからクロトさんは、カラスさんだよ」

 風が強めに吹いた。
 カー、カーって声に空を見上げる。

 あ、本物のカラスさんが飛んでる。

「そ、そぉんな言われたら照れるやんね。ツヤがあって、キリッとしてるか。悪くないなぁ~!」

「あ、たんぽぽ」

「いきなりスルーか~い」

 ピアノ教室の看板がある道の端っこで、綺麗に咲いてる。

 やっぱり春といえば、たんぽぽさんだよね。

 しゃがんでしっかりと見る。

 綿毛を飛ばすのも楽しいけど、花を咲かせている時が一番かわいい。

「そろそろ、出発しましゃあ」

「はっ」

 そうだ。入学式なんだった!

「そうだよクロトさん!入学式入学式!」

 角を曲がって、少し広い通りをダッシュ!

「急すぎやんね!ちょ、ユキちゃん!?」

 クロトさんが追っかけてくる。

 入学式、入学式。

 新しい学校、新しいクラスメイト。ワクワクなことが待ってる入学式!

 交番の角を曲がるためにスピードを落とし、おまわりさんに敬礼。
 びしっ。

 その先の信号は赤だった。もっとスピードを落として、止まる。

「ひぃ、ふぅ。やーっと追いついた。はぁ」

 後ろから、肩で息をするクロトさんがやってきた。

「あ、ごめーんクロトさん。置いてっちゃった」

「ボクのことほかって、いきなり走り出すんだもんなぁ」

 信号が青になる。私とおんなじ制服を着たみんなが、ぞろぞろ歩き出す。

「えへへ。入学式だーって思ったら、早く行きたくなっちゃって」

 私も、クロトさんと歩き出す。

「ユキちゃんとボクとじゃ、10近く歳が違うやんね。だからね、いきなり走り出されると、さっきみたいにバテバテに……」

 途中、クロトさんが私のカバンをぼーっと見る。

「へぇ、なんか意外やんね。それ」

「それ?」

 私も見る。

 カバンの持ち手の付け根のほうには、剣の形をしたキーホルダーがついていた。

「どっか旅行先とかで買ったやつやんね?」

 うーん、旅行……旅行とこのキーホルダーが全然結びつかない。

「どこで買ったんだろう、これ。
 言われてみれば、おみやげ屋さんで売ってそうな、剣のキーホルダーだよね」

 まっ金金の、剣のキーホルダー。

 こういうのって、ドラゴンのマークとかがついてそうだけど、そういうのはない。

 触ってみると、刃の部分に何か文字が彫られてるみたい。

 けど、小さくてわかんないや。

「買ったんじゃないなら、誰かからもらったとか?」

「もらった……うーん、それも違うような……うーん?」

 このキーホルダーがなんなのか、わからないまま歩いていると校門に着いた。

 入学式の看板が、キラめいて見える。

「んじゃ、ここでお別れやんね。
 入学式、楽しみゃあね」

「うん、ありがとうクロトさん」

 クロトさんに手を振って、新入生の昇降口に向かう。

 その途中で、学校の真ん中にどーんと立ってる、高い塔を見上げる。

 校舎が新しいぶん、これだけ年季が入ってるなぁ。

 目立つ塔なだけあって、校舎と同じような建て替えを簡単にはしないのかも?


「____ご入学おめでとうございます。
 生徒会長の速崎はやさきイレーヌです。
 この昴鐘高校は、時計塔屋上にある隕石で出来た鐘をシンボルとして____」

 入学式は、校長先生や、理事長先生、生徒会長と、式辞とかそういう言葉が続いた。

 それが終わると、教室に戻って自己紹介……なんだけど、一旦入学式を終えて、ひとつ分かった。

 それは、クラスがひとつだけってこと。

 連日このあたりに起こった何かが原因だって言ってたけど、言葉をにごすからなんの事だかよくわかんない。

 とりあえず、入学人数は予定より下回ったんだって。

「はい、皆さん入学おめでとうございます。
 改めて、この1年A組の担任の宮間クロトです。
 皆さんと仲良くやっていけたらと思うや……えー、思います。どうぞよろしく」

 私のクラスの担任は、クロトさんだった。なんか、標準語でどうにか喋ってるのが新鮮。

 そして、クラスの自己紹介が始まった。

「えっと、明上あけがみユキです。好きなお花はたんぽぽです。よろしくお願いします!」

 自己紹介がトップバッターなのは久しぶりだったけど、なんとかできた。

「明上さん、明上さん!」

 クラスで自己紹介が半分くらいまでいったところで、後ろの子が話しかけてきた。

「えっ、と……浅芽あさめさん?で、合ってる?」

「うん!浅芽チカ!チカでいいよ!」

 にっこりと笑うチカちゃん。

 よかった、明るい人みたい。

「うん。チカちゃん、よろしくね。私もユキでいいよ」

 ひと通りの自己紹介が終わると、学級委員長を決めようという流れになった。

「では、中学で学級委員だった人は手を挙げてください」

 クロト先生の言葉で、私のいた列の1番後ろに座る男子が手を挙げる。

「そっか、ひとりだけでしたね。では前期の学級委員長は大堀おおほりくんでいいですか?」

 大堀トオルくん。

 なんとなく、頭が良さそう。メガネをかけてるからって、それにイメージが引っ張られすぎかな?

「よし、では大堀くん、ひと言お願いします」

 早歩きで教壇きょうだんに立ち、ムスッとした顔で口を開く。

「この学校に来た以上、俺が手綱たづなを握るのは当然だろう。
 程度の低いやからと学級委員長の座を争うなんてことがなくてホッとしている。
 さて、ひきいるからには高みを目指す。
 学園137年の史上最高の学力を持つ学年として刻まれるよう、同級生諸君にはせいぜい振り落とされないよう気をつけてほしいところだ。以上」

 しん……と教室が静まり返る。

 (うっ、わぁ……変な人が学級委員長になっちゃったね)

 チカちゃんが、ヒソヒソとこっちに話しかけてくる。

 なんか、難しそうな事を言っててよくわかんなかったけど、ちょっとこわい。

「あー、大堀くん、最高の学力というのはいい事です。でもね、もっと歩み寄りを見せないといかんね。その態度では、クラスの皆はついてこないと思いますよ」

 そんなクロト先生の言葉を聞いてるんだかいないんだか、チラッと先生を見た後、正面を向いた。

「さて。学級委員長はこの俺になった。
 リストを見たところ、他には俺の補佐をする学級委員、書記、他の各種委員会メンバーを2人ずつ。
 順に決めていく流れになる。このクラスは、俺たちクラスメイト、学生によって構成されるもの。
 それを率いる俺こそが!諸君ら全てを!高みへと引き上げることを約束しよう。
 俺の実力は、こんなところでは到底収まらないからな。それに、____」

 なんだか長い話が始まった。

 すごい事をしようとしてるみたいだけど、よくわかんない。

 そういえば、なーちゃんはどうしてるかな。

  なーちゃんこと、ナツキちゃん。

 私の幼なじみ。中学まで学校が一緒で、高校からはちょっと離れた学校に行くんだって。

 それに、何かのスカウトを受けたみたい。

 ずっとお芝居が好きな子だから、女優さんになるのかな。芸能人になるのかな。

 何になるのかは、内緒にして教えてくれなかったっけ。

 コツ、コツ。

 その時、誰かが廊下を歩いていた。

 あ、祝辞を言ってた人。

 えっと……多分、理事長さんだっけ?目が開いてるんだか開いてないんだかの、細い目のおじいちゃん。姿勢良く通り過ぎていく。

 ごぉん、ごぉん……

 重い音。鐘が鳴った。

「もうチャイムだと?」

 大堀くんの話が、やっと止まった。

「あれ、時間はまだ……あぁ、この感じ、鐘の誤作動やんね」

 あ、クロト先生丁寧語がちょっと崩れてる。

「せっかくだから教えておきます。
 見てのとおり、この学校の鐘は歴史があります。
 それで、風の吹き方や気温、湿度、諸々の影響で今のような誤作動を起こします。
 現在は基本的に行事の時しか鳴らないので、覚えておくように」

 先生の言葉の直後。

「うっ、あぁ……!」

 大堀くんが倒れた!

「しっかりしぃ!」

 近くに座っていた先生が駆け寄ったけど、その手を払った。

「ァ、……はぁぁあ……!」

 深い息を吐きながら、教卓に手を着いてゆらゆらと立ち上がる。

「具合が悪いなら、保健室行くやんね。先生が連れていくから、無理はしないで……」

「、れは……俺は……!」

 先生の話は、聞いてなさそう。

「俺はこんなところで終わる男じゃない!
 もっと、もット高みへ行く!こんな滑り止めでは終わらない!
 こんなバカ共とぬるま湯で過ごすなど!」

 突然、すごい顔で怒り始めたと思ったら、床から黒っぽい何かが湧いてきて、彼を包み込む。

「断じて許すわけ、に、ガアアアアァァァッ!!!」

 黒く燃えるようにして包まれると、そこに立っていたのはイノシシと人を混ぜたような、ナニカだった。

「しまった、兆候だったか」

 先生が身分証をカカッ、とタッチすると、スピーカーから警報が鳴る。

 《怪人警報が発令されました。生徒は速やかに避難してください。職員は妨害装置を起動し、安全を確保してください》

 え、何?怪人警報?

「ねぇ、チカちゃん。この警報って……」

「ほらほら、避難だよ避難!あとで説明はするから!」

 手を引かれて、教室から出る。

 先生はさすまたみたいなものを構えながら、私たちに校庭への避難を促している。

 階段に近づくと、上の階から避難してくる上級生と混ぜこぜになって、チカちゃんとは離れちゃった。

「あれ、チカちゃーん!」

 上級生がぞろぞろ降りるのを待って、降りていくしかないかな。

「大堀くん……」

 後ろを振り向く。

 教室には、クロトさんと大堀くんが残ってるはず。

 あんな姿になってたけど、気になる。

『気になるか?』

「うん。何があったのかはよくわかんないけど、……あれ?誰?」

 周りをキョロキョロするけど、階段はぞろぞろ降りていく上級生ばかり。

 私に話しかけてそうな男の人は、いない。

「あちちち」

 スカートのポッケが熱い。カイロなんて持ってきてなかったよね?

 ポッケの裏地を引き出して、中身を出す。カン。

「キーホルダー?」

 熱かったのは、カバンについていたはずの剣のキーホルダーだった。

「キーホルダーというか、剣だ。HELLヘルカリバーって名前の、な」

 キーホルダーがふわふわ浮かび上がって、

 どん!

 と大きくなって、剣が廊下に突き刺さる。

「わ、ほんとに剣」

『このHELLカリバーを抜いて、戦う力を手にすれば、彼を助けられる』

  この剣、見たことあるような。

 でも、どこで?なんか……そう、熱いところ。

 太陽の暑さじゃない、他の熱さがあったところ。だったような?

「あの、HELLカリバーさん」

『ユウイチだ。そう呼んでほしい』

「じゃあ、ユウイチさん。私、あなたにどこかで会いましたか?」

 熱いところで、ボロボロの街で、会った気がする。

『あぁ、そうか。それは昨日、この街で俺は君に会っている。緊急だったから、忘れているのも無理はない』

 昨日?昨日は卒業式で、春休みが飛んでて……んん?あれ?じゃあ、熱いっていうと、

「夢じゃなかったんだ、あれ」

 うっすらと思い出せる。

 熱くて、怪物がいた。

 でも、金色のヒーローが助けてくれた。

 そっか、あれがユウイチさんだったんだ。

『夢じゃない。君にはあの時、成り行きでHELLの力を動かすボディとして手伝ってもらった。
 だが、今は違う。
 君自身が、その意思で俺と一緒に、学級委員長を助けられる』

 私が、大堀くんを……?

 私は、あの時のユウイチさんみたいになれる?

 できる?

 大堀くんはちょっと変な情熱を持った人だけど、怪物になる直前、苦しんでいた。

 怖い。関係ないやって逃げられる。

 でも、それでいいのかな。

 なーちゃんは今、隣にいない。

 今いないなら、頼れない。

 なら決めないと。

【そうとも。君の王子は居ないんだ、我が姫。
 自らがしと思うことをす事こそ、明上ユキに相応しい】

 そうだよね、なーちゃん。

 心の中のなーちゃんも、私の道を応援してくれてる。

 踏み出してみよう、自分で選んだ道を。

「苦しんでいる人を、泣いてる人を、笑顔にできますか?」

 助けるとか、できるかは分からない。

 でも、悲しい人をニコニコな笑顔にできるなら。

『きっとできる。ヒーローは、誰かが悲しむのを防ぐものだ。
 だが、これは強制じゃない。
 うまくいけば、専任のアーマイター到着までの時間稼ぎは、俺だけでもどうにかできる。
 さぁ、どうする?』

 誰かが悲しむのを、防げるなら。

 笑顔にできるなら!

「やってみます。
 私、あなたと一緒に戦います!」

 剣を掴む。

『……!ありがとう。
 さぁ、剣を抜いて、覚悟を声に!』

 つかんだ途端、身体が熱くなる。

 そして、重い剣を廊下から抜き取り、かかげる。

 覚悟を示すため声にする言葉は、もう浮かんでいた。

「アーマイト!」

 《チェンジ HELL》

 機械音声が鳴って、私は炎に包まれる。

 あれ、炎じゃない。炎っぽいホログラムだ。

 それに包まれながら、鎧が身体に装着されていく。

 そして、ヘルメットみたいに頭も覆われる。

「はっ!」

 おおわれていた炎を、剣で振り払い、変身が完了した。

『その姿が、アーマイターHELL……

 いいや、違うな。

 学生……乙女。そうだな。

 君は今から……アーマイターヘレイデンだ!』

 その姿が、と言われても。

 鏡がないからわかんない。

 ヘレイデンか。

 HELLって名前よりは、物騒ぶっそうじゃないかも。

「わかった、ヘレイデンだね。行こう、ユウイチさん!」

『あぁ!まずは教室に戻ろう』

 うん、とうなずいて走る。そして、先生とすれ違う。

「アーマイター!思ったより早い。あとはお願いします」

「あ、はい!お任せを!」

 お任せをとか言っちゃった。たった今変身したばっかりなのに!


 私たちが通り過ぎた後、クロト先生は足を止めて振り向き、つぶやいた。

「あの剣は、資料で見たHELLカリバー……。ほんとに居たやんね、田城タシロユウイチ」


 そして、教室に到着した。

「真っ暗闇くらやみの悲しみは、夢と希望で、明るく照らす!

 アーマイターヘレイデン!

 悪を裁くオトメ、目指します!」

 え、今のなんだろう。

 自分で言っててびっくりした。

 わかんないけど、気合いが入った。

 ドアに設置された、さすまたみたいなものから発生しているバリア。

 それを破ろうと、イノシシ男と化した大堀くんが何度もドアに突撃している。

「ユウイチさん!これ、大丈夫ですか!?」

『HELLの鎧は頑丈だ!それに、もしものときは全力でサポートする。まずは動きを止めよう』

「わかりました!」

 さすまたを持って、イノシシ男を押し込もうとする。

「こんなとこロで!バカ共と並ぶなドォ!
 許されなイ許されなイ許されなイィィ!!」

 けど、あっちの突進力も強い!

 教室の真ん中ぐらいまで押し込むのが限界!

 お相撲なんて、小さい頃友達とふざけてやったぐらいだよ、もう!

「確かにあなたと比べたら、私はおばかさんかもしれない。

 でも!学校って、勉強だけじゃない。

 そうでしょう!?」

 押し込みながら、中にいるはずの大堀くんに呼びかける。

 教室の机は何度もドアに突進した衝撃で吹き飛ばされ、ものによっては壊されている。

 でも、そのせいか、私のいる黒板側は動きやすかった。

『壁まで押し込もう、いけそうか?』

「ぐ、にゅ……抑えるだけで、せいいっぱい、です!」

『なら、勢いをつけようか!』

 え?勢い?いち、にの、さんでどーん!みたいなわわわわわ!

 突然、背中を押されたように足が動く。

「な、なになになんですかこれ!」

『背中から炎をジェット噴射ふんしゃしてる!
 炎はHELLの得意技だ、調整は任せろ!』

 勢いってこれのこと!?

 びっくりしたけど、これなら、いける!

「お、し、こ、みぃぃぃ!!」

 炎の勢いで、さすまたを使って押し込み続ける。でも、

「あっ!」

 勢いが強すぎてヒビが入る。

 なら、右手の剣で、代わりに!

「お、す、こ、いぃぃぃ!!」

 おしこみとどすこい、どっち言おうかと思ってたら混ざっちゃった!

 でもいいや!に手を当てて、おすこい、おすこい、壁、いける!

「こぉあ!」

 どうにか、イノシシ男を壁にめり込ませる事ができた。

「はぁっ、はっ、大堀くん、目を覚ましてよ。
 
 私たち、出会ったばっかりだけど、学級委員長なんだよね!?

 ならこんな大暴れするのは、違うよね!?

 私より頭がいいんでしょ。

 私たちみんなの成績を上げるって言ってたよね。

 なのに、今やってることは違うよ!」

「俺が、俺こそが私こソがボクこソがトップに壱番ノ成、せキ、ぐ、ごァ!

 ち、がう!違う!違う!!
 
 誰だ、俺は大堀トオル……!
 
 2221年度の、学年唯一の!学級委員長だ!」

 怪人になったその目が、大堀くんのものになった……気がする。

 暴れていた変なのから、大堀くんが戻ってきた!

「大堀くん!こんな事、あなたがやりたい事じゃないよね!?」

「あぁ、その通りだ。
 こんな野蛮やばんな八つ当たり!
 頭脳明晰ずのうめいせきな俺には相応ふさわしくない!

 大方おおかた、俺の意気込みに付け入った何かが、俺をみにくくしたんだろう。

 チィ、腹立たしい」

 よかった、大堀くんは本心から暴れてたんじゃなかったんだ。

 でも、このイノシシ男から助けるには、笑顔にするにはどうすればいいんだろう?

「ユウイチさん、私」

『彼を助けたいか?』

 えっ。言う前に先回りされた。

「はい、助けたいです!」

『よし。なら彼の胸当て中央にある時計!

 あそこがエネルギーの炉心ろしんだ。そこを壊せば、助けられる!』

 胸当て……!押さえ込みに使っているHELLカリバー越しに、その時計の一部が見える。

 ひび割れた、止まった時計。

 なんで時計?って違う違う!今はこれを壊さないと!

「わかりました。ヘレイデン、行きます!」

『よし、やろう!獄炎点火ごくえんてんか!』

 HELLカリバーの刃に炎がく。

 剣を使ってたら、小6の時にやってた剣道クラブの経験が、頭をよぎった。

 そっか。これだ!

「大堀くん、いま助けるよ!」

 剣を手元に引きながら距離をとり、両手で構える。

悪元両断あくげんりょうだん!』

「ドーン・オブ・ヘレイデン!」

 斜めに踏み込みながら、時計に向かって振りかぶる!

「ふぅ、やるじゃないか。あんた、何者だ?」

「アーマイター……ヘレイデン!」

 振り向きながら答えると、黒い爆発が起きた。

「わぁ!」

 ちょっとその爆発に巻き込まれ、ぐちゃぐちゃになった机たちに突っ込む。

「あれ、机に突っ込んでも痛くないや」

『頑丈だからな。それより、初陣ういじんで倒すところまで出来るなんて、思った以上の戦果だ!』

 机をどかして、ユウイチさんを拾い上げながら話す。

 後ろを見ると、大堀くんが床に座っていた。

「大堀くん!」

 駆け寄って剣を置き、ほおをぺちぺち叩いてみる。

「う、なんだ、あんたか。

 そうか……俺は戻れたようだな。感謝する」

「よかったぁ……!

 どこか、痛いとことかない?」

 生きてる!無事!

 疲れた顔だけど、笑ってくれた!

 よかった、私……

「明上!後ろだ!」

 笑顔から驚く顔に変わった彼の言葉に、後ろを振り返る。

 人のかたちをした黒い炎が、私に殴りかかろうとしていた。

『危ない!』

 すると、床のHELLカリバーがに動いて、こぶしを剣で受け止めた!

「ユウイチさん!」

『剣を取れ!』

「はい!」

 受け止めた状態の剣を握り、押し込む!

「おすこい!」

 炎の人がよろめく。

『アレは地獄の炎の、燃えカスのようなものだ。生き物じゃない、るぞ!』

「わかりました!やああぁっ!」

 今度は横に持って、斬る!

 すると、ロウソクの火を消したように消えてしまった。

「わ、ほんとだ。びっくりしたぁ」

 バン!

 と、何か叩いたような音がする。

「ひゃ!今度はなに!」

 ドアを叩きつつなだれ込んで来たのは、燃えカスさん(?)の群れだった!

「いっぱいいるー!」

 続々と入ってくる。

 3人、4人……もう、出し物なんてやってないよ~!

「落ち着いて。一体は倒したんだ、次も同じようにやっていくだけだ」

 え、同じようにって、ほんとに?

「ひとりとたくさんじゃ、全然ちがいます!」

「難しかったらサポートするよ」

 たくさんだと、こわい。

 サポートって言っても、私にできるのかな?


 バキュン!


 剣を構えていたら、一番近い燃えカスさんが爆発した。

「え?」

 その後ろには、けむりの上がった銃を構えた、白いヒーローがいた。

「天の一撃いちげき、平和の号砲ごうほう
 速く、きよく、美しく!
 オトメがひとり、アーマイターヘヴンディ!
 覚悟のほどを、おせします!」

 本物のアーマイターだ!

一掃いっそうしましょう」

 ベルトのケースから取り出したカードを、銃に読み込ませるヘヴンディ。

 《『フォトニクル』フォトンタイム》

 機械音声が鳴って、ちょっとブレた。

 すると、教室にいた燃えカスさん全員が撃ち抜かれ、消えた。

「これこそ我が伝統、フォトンタイムです」

「わぁ……すごい!」

「えぇ。おめいただき光栄ですわ。
 あら?あなた、新人のアーマイターさんかしら?」

 新人、という言葉に、背筋を伸ばす。

 ぴんっ!

「は、はい!ヘレイデンです!」

「ヘレイデンさん、どうぞよろしく。ヘヴンディです」

 手を差し出され、握手をする。

「さて。私は救助者の彼を連れて下に戻ります。

 ですが、あなたは先に降りてクラスに合流なさい」

「どうしてですか?」

「あなたは新人。

 私と共に降りても良いですが、取材陣に囲まれてしまう可能性が高いのです。

 正式発表するかどうかは今後決めることにして、今は正体を隠しておくと良いでしょう」

 うん、確かに。

 今までだってわけわからないまま戦ったのに、この後取材で色々聞かれても答えられない!

「わかりました、ヘヴンディさん。それでは!」

 そそくさと教室を出る。

 ユウイチさんの提案ていあんで、入学式をした体育館に向かう渡り廊下から出て、逃げ遅れていたことにした。



「ふぅ、なんだかすごい疲れた入学式だったな」

 それから。

 集団下校となって家に帰った私は、制服のままベッドに寝っ転がっていた。

『お疲れ様。

 入学式と初めての戦いを乗り切ったんだ、すごい事だよ』

 床に置いてあるカバンについたキーホルダー、ユウイチさんが喋る。

 校庭に避難しているみんなのところに、合流してからのこと。

 大堀くんに肩を貸しながら出てきたヘヴンディさんには、みんながすごくき立っていた。

 すごいんだなぁ、ヘヴンディさんって。

「ユウイチさんって、アーマイターなんですか?」

『そうだよ。アーマイターHELLって言うんだ』 

 ユウイチさんもアーマイター。

 あ、そういえば。

「ねぇねぇユウイチさん」

『どうした?』

「アーマイターって、なんですか?」

 私がなったのも、助けてもらったのも、アーマイター。

 でも、それがなんなのかわからない。

『あれ?アーマイター、知らない?』

「うん」

 そっかー、とか地域差かなー、とかブツブツ言ったあと、話してくれた。

『アーマイターっていうのは、怪物と戦うヒーローのことだ。すごくざっくりして言うと、だけどな』

 へぇ。

 寝っ転がった状態から、上半身だけ起こす。

「あ、だから私もアーマイターなの?」

『そう。君に変身してもらったのは、』

「ストップ。すとっぴです、ユウイチさん」

 手のひらを前に出して、止める。

『すとっぴ?』

「私がユウイチさんって呼んでるから、ユウイチさんも私の事、名前で呼んでほしいです」

 なんか、「君」って呼び方がよそよそしい気がして、嫌だ。

『うーん……そうだな。

 今回から、正式に協力関係になるんだ、対等じゃないとだな。

 改めてよろしく、ユキさん』

 ありゃ、さん付けだ。

 でも私もさん付けで、今日は1日目だし、ちょうどいい距離感っていうものなのかな?

「うん!よろしく、ユウイチさん。それでは続きをどうぞ」

『あぁ、そっか!話の途中だった。

 えーと、そう!アーマイターの事だ。

 ユキさんに変身してもらったヘレイデンだけど、HELLの機能を調整してどうにか組み上げたものなんだ。だから、俺抜きでは変身はできない』

「ほかの人たちは違うんですか?」

 私はHELLカリバーで変身して、ヘヴンディさんはあの銃で変身しそう。

『アーマイターシステムの起動装置は、大体が機械か魔術で作られていることが多くてな。

 俺みたいに、意志を持った存在がシステムを管理して、変身させるっていうのは聞いたことがない。

 あー、今ならAIが似たようなことできるのか?……でも見たことないしな』

 んん?どういうことだろう。

「意思っていうのは、心があるってことだよね?」

『そう』

「じゃあ、ユウイチさんが寝てたら?」

 カバンの方を向いて、座りなおす。

『あー……多分、起こしてくれないと変身できないな。

 今の俺に寝るとか食べるとか、必要か分からないけど』

「他のアーマイターの人達は、寝てるかどうかが関係ないってこと?」

『そういうこと。いつでも変身できる。

 ヘレイデンは、アーマイターとしては不完全って事だな』

 不完全か。でも、完全ってなんだろう?

「ユウイチさん、私、その不完全でいいと思います」

『えっ、なんで?』 

 ずい、とカバンの方に身を乗り出す。

「だって私、アーマイターになりたてだから!

 まだアーマイターって道の途中なら、私たちなりのアーマイターヘレイデンに、なっていけるんじゃないかな」 

 アーマイターは、ヒーロー。

 ざっくりって言ってたから、もっと色々「こういうものがアーマイターです!」っていうのがあるんだと思う。

 でも、今までのアーマイターと違うところがあってもいいんじゃないかな。

「……そうか。そうだよな!

 ヘレイデンはまだ、歩き始めたばかりだ!

 ヘレイデンが、いいアーマイターとして活躍できるように。俺も今までの経験でサポートするよ」

 なんだか、ユウイチさん嬉しそう。

 嬉しそうだと、私も嬉しい。へへ。

「これからよろしくね、ユウイチさん」

「あぁ。よろしくな、ユキさん」

 キーホルダーに手を伸ばして、掴む。

 握手のつもり。

「じゃ、挨拶したので寝ます」

『待て待てユキさん。制服、着たまんま寝るの?』

「着たまんまねると……起きたらすぐ学校行けます」

 おぉ、我ながら頭いいかも。

『ユキさん。今は夕方だし、制服はシワになっちゃうし……

 うん、そのままはマズイ。お父さん許しません』

「えー?せっかく家に私だけなのにぃ」

『一応は俺も父親を経験しててな。

 こうして協力関係になったからには、親代わりにもなる』

 そんなぁ。

 ひとりきりの高校生活は初日でなくなったけれど、誰かがいるってのも、いいかも。

 今までの人生とは、全然違うものが始まりそうな気がする。

 私の高校生活と、アーマイターの生活。

 明日はどんな日になるんだろ。

「じゃ、ユウイチさん

『お?』

 ベッドから降りて、ひょい、とカバンを持ち上げる。

「着替えるので、ちょーっと出ててくーださい」

 廊下にカバンを置いて、パタン。ドアを閉めた。


 ***


人類愛讃じんるいあいさん!」

 薔薇バラの花びら舞い散る空間に、その声がひびき渡る。

「人類は美しく、愛おしい」

 床に散らばった花びらが、ブワッと舞い上がる。

「それゆえ、より輝く人生をプロデュースすることこそ、我が喜び。
 我が目的」

 足を組み、椅子イスるその人物。

 ジリリリリン。

「お、来ましたか」

 机に置かれた古めかしいダイヤル式電話をとる。

「はい、こちら新時空調停局しんじくうちょうていきょくで……おや、あなたでしたか。どうです?明上ユキさんは。

 ふむ、ふむふむ。そうですか!アーマイターになりましたか!

 良かった良かった、計画通りです。

 まぁ、そうなるように人生プロデュースを施しましたので、そうならなくては困るというもの!

 それでは、引き続き監視をお願いしますよ。

 はい、報告ありがとうございました」

 受話器を置くと、高笑いを始めた。

「ハハハハハ!

 私の人生をけた、究極の人生プロデュースはうまく行っているようで非っ常~~~になにより!」

 くす玉から落ちたかのように、薔薇の花びらが背後に降り注ぐ。

「人生プロデュースは、我が使命。

 そして明上ユキさん。あなたにほどこしたそれは____」

 椅子を半回転させ、立ち上がる。
 その時、長くきらびやかな髪が舞う。

「この金剛こんごう・P・ハルキの、一世一代の究極プロデュースなのです。

 ぜひ、お楽しみくださいね」

 部屋に薔薇が吹き荒れる。

 新時空調停局のプロデューサーにして、局長。

 金剛・P・ハルキ。ユキが出会うのはもう少し、後のお話。

「ふふふ、人類愛讃」

 第1話 終



【あとがき】

 初めまして。

 エダハ サイと申します。

『オトメ途上のヘレイデン』第1話、いかがでしたか?

 初のオリジナル作品ということで、かなり気合いを入れて執筆しました。

 大まかに街の地図を決めたり、世界観のことを考えてみたり、などなど。

 主人公のユキは思ったよりキャラの個性を出すのが難しい子です。

 初期はより電波気質な感じというか……思っていたのと違うものになったりもしました。

 が、原初のイメージである「ふわっと感」が出せるように頑張ります!

 あぁ、それとユキちゃんには「ちょっとした仕掛け」があります。

 それがなんなのか、いつ明かされるのか。ぜひ予想を立てつつ、お楽しみいただけますと嬉しいです。

 話を書いてみると、設定だけでは出てこなかった化学反応のようなものができて面白いです。

 話を進めることはもちろんですが、「そのセリフをそのキャラはその言い方をするか?」っていう自問自答のようなものは毎回やりながら、書いていけたらいいなと思います!

 それでは、2話以降もお楽しみに!



 2024年7月

 エダハ サイ
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