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終章
明治十年、銀座(一)
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真新しい社屋の二階のバルコニーからは、街路樹とガス灯が立ち並ぶ、銀座煉瓦街が見渡せる。馬車や人力車が行き交う広い通りの左右には、耐火性に優れた煉瓦造りの壮麗な建物がずらりと並び、まるで外国の街のようだ。
銀座大火で消失したあと、明治政府の肝入りで整備された美しい街並みを眺めながら、東京仮名絵新聞社副編集長の中澤珠希は、目にかかる長めの前髪をさらりと掻き上げた。
人々の装いは相変わらず和装が主だが、男性の髪型には髷と断髪が入り混じっている。
――ふふ。明治四年に『散髪脱刀令』が出た時は大騒ぎだったな。好きな髪型で良いが刀は禁止だよ、ってのが主旨だったのに、髷が禁止だと勘違いした県令のせいで、地方で断髪反対の一揆が起こってしまって。
はたまた断髪する女性が現れたら、翌年今度は東京府が『女子断髪禁止令』なんかを出した。
明治の世はどうも滑稽だよ。江戸と明治が押し引きしてるみたいでね。
「おっと、中澤さん。さぼりですか?」
いたずらっぽく笑いながら、入社三年目の若き記者、成瀬が珠希に声を掛ける。絣の着物に縦縞の袴。短めの断髪が爽やかな好青年だ。
東京開成学校、今年から東京大学と名を変えた名門校出の秀才だったが、それを感じさせない人懐っこさが成瀬にはある。
「…成瀬君か。いや…例の記事がね、進まなくって」
「進まないんじゃなくて、書きたくないんでしょう?」
困り顔の珠希を成瀬はからかった。珠希は憤然として弁舌を垂れる。
「だって僕はどうしても納得できないんだ。それぞれの理由があって、男が女の恰好をしたり、女が男の恰好をして…一体何が悪い? 僕は元寺小姓なんだ。異性装が捕縛されるような罪だなんて…到底認められないよ。そんな政府を批判する記事なら書くけれど、捕まった人を小馬鹿にするような記事なんて…僕は書きたくない」
成瀬はバルコニーの手すりに手を掛けて、ぐっと煉瓦街の街並みを覗き込んだ。
「仕方がありませんよ中澤さん。時代が変わったんです。明治新政府が目指しているのは、諸外国と肩を並べる強い国家なんですから。西洋人に眉を顰められるような文化は、悪しき前時代の負の遺産。はは、中澤さん、寺小姓なんて…明治の世なら即逮捕で、懲役刑ですよ。何たって異性装と男色と、二つの法令違反が揃い踏みなんだから…」
珠希の目に、さっと痛みの色が走る。
――そう。男性同士の恋愛は、今や懲役刑だ…。
珠希の表情を見て、成瀬は真面目な顔になり、軽く唇を噛んでうつむいた。
「すみません、中澤さん。ふざけ過ぎました。ほんの…諧謔のつもりだったんです」
「…分かってるよ、大丈夫。気にしてないよ、全然」
――中澤さん。そんなこと、ないくせに…。
「中澤さんは、傷ついても戦おうとしてる。けど…俺の戦法は違うんです。まともに取り合うのも馬鹿馬鹿しいやって笑い飛ばして、この時代をやり過ごそうとしてる。俺は…弱虫だから」
成瀬は何かを吹っ切るように、にかっと思い切り笑顔を作った。
「いずれにしても、そんな下らない記事は俺が書きますよ。編集長にも言っときます」
「えっ、でも…悪いよ。また成瀬君にお願いしちゃうなんて…」
成瀬は真剣な眼差しで、珠希をじっと見た。
「俺…さっきはあんなこと言ったけど、中澤さんの気持ちとか立場は…ちゃんと全部、分かってるつもりですから」
「成瀬君…?」
「まあとにかく中澤さんには、そういう記事は似合いませんよ。ほら、こないだ閉幕した、上野公園の内国博覧会。あの時みたいな華麗で心躍る記事。それこそが、中澤珠希の真骨頂でしょう?」
成瀬の優しさに、珠希は自分の強情さが恥ずかしくなる。
「なんか、ごめん…。僕、子どもみたいにむきになって…」
成瀬は手すりに寄りかかり、社屋を見上げた。
「編集長だって辛いはずですよ。だけど、『讒謗律』だの『新聞紙条例』だの、言論統制がこれだけ厳しくちゃ、時々は嫌な記事だって書いて政府の御機嫌を取らなきゃならない。ま、こういう汚れ仕事は俺にお任せを。俺は何にも気にしません。あ、けど…読まないでくださいね。俺、中澤さんには嫌われたくないから」
ふふっ。
珠希と成瀬は顔を見合わせた。
「条例って言えば、あそこの角の『朝野新聞社』の論説、『辟易賦』。きっぱりと条例を風刺した、痛快な記事だったなあ。僕も政府がかんかんに怒るような、ああいう記事が書きたいよ」
珠希はバルコニーから身を乗り出して、通りの角にある壮麗な『朝野新聞社』の社屋を眺める。
「やりかねないから怖いです。中澤さんは危なっかしくって、俺…心配だな」
「あ、その台詞。警察官の友人にもよく言われるよ」
――僕の行動には、秋司さんが常に頭を抱えてる。秋司さんは今や警察官のお偉方…おまわりさんだからね。ふふ、あの頃、新徴組と行動を共にされていた秋司さんにはぴったりなお仕事だっていつも思うよ。正義の味方、ってやつだ。
「えっ! そんなご友人が? 大丈夫なんですか? その、色々と…」
珠希はあっけらかんと笑った。
「あはは、大丈夫だよ。だって、江戸の時分からの友人だもの。僕が寺小姓をしてたことも…全部ご存知なんだから。あぁ、俺には何も見えないっ、見えないぞぉ、とか、よくおっしゃってる」
――諒さんのことも、ね。ああ、今日はやっと諒さんに会える! 最近、お互い忙しかったからなあ。
会話を続ける成瀬をそのままに、珠希は弾む心に思いを巡らせていく。
――今夜は定例の、年に一度の食事会。今回の幹事は秋司さん。上野の牛鍋屋で集合だなんて、なんだか秋司さんらしいな。
牛鍋にビイルを飲むのが最近の流行りだけど、僕、ビイルは苦いから、あんまり好きじゃないんだよなあ。断然サンパンだよ。あのしゅわしゅわした見た目が素敵だもの!
冬儀さんは、今年はもう東京住まいだから楽に参加できるね。去年までは庄内…あ、今は山形県か…にいらしたから、東京へ出るだけで一苦労だったけど。
そうだ。夕方には僕、社を出なきゃ。横濱から来る諒さんを迎えに行かないと…。
「中澤さん…ね、中澤さんっ、俺の話、聞いてます?」
うわっ!
珠希はびくりとして頭を上げた。
――いけない、うきうきし過ぎちゃった。
「えっ…と、ごめん、ごめん! ちょっと、考えごとしてて…。もう一度、言ってくれるかな?」
「いや、だから、昔の中澤さんの瓦版を見せてくださいよ、って。こないだほら、丸ノ内の夜盗御成敗のやつを見せてくれたじゃないですか。まだ続きがあるんだよって、言ってたから…」
「あ! 瓦版ね。もちろんだよ。ちょうどいい。今、紅茶を入れるから…僕の机のところで飲みながら、一緒に見ようか」
***
銀座大火で消失したあと、明治政府の肝入りで整備された美しい街並みを眺めながら、東京仮名絵新聞社副編集長の中澤珠希は、目にかかる長めの前髪をさらりと掻き上げた。
人々の装いは相変わらず和装が主だが、男性の髪型には髷と断髪が入り混じっている。
――ふふ。明治四年に『散髪脱刀令』が出た時は大騒ぎだったな。好きな髪型で良いが刀は禁止だよ、ってのが主旨だったのに、髷が禁止だと勘違いした県令のせいで、地方で断髪反対の一揆が起こってしまって。
はたまた断髪する女性が現れたら、翌年今度は東京府が『女子断髪禁止令』なんかを出した。
明治の世はどうも滑稽だよ。江戸と明治が押し引きしてるみたいでね。
「おっと、中澤さん。さぼりですか?」
いたずらっぽく笑いながら、入社三年目の若き記者、成瀬が珠希に声を掛ける。絣の着物に縦縞の袴。短めの断髪が爽やかな好青年だ。
東京開成学校、今年から東京大学と名を変えた名門校出の秀才だったが、それを感じさせない人懐っこさが成瀬にはある。
「…成瀬君か。いや…例の記事がね、進まなくって」
「進まないんじゃなくて、書きたくないんでしょう?」
困り顔の珠希を成瀬はからかった。珠希は憤然として弁舌を垂れる。
「だって僕はどうしても納得できないんだ。それぞれの理由があって、男が女の恰好をしたり、女が男の恰好をして…一体何が悪い? 僕は元寺小姓なんだ。異性装が捕縛されるような罪だなんて…到底認められないよ。そんな政府を批判する記事なら書くけれど、捕まった人を小馬鹿にするような記事なんて…僕は書きたくない」
成瀬はバルコニーの手すりに手を掛けて、ぐっと煉瓦街の街並みを覗き込んだ。
「仕方がありませんよ中澤さん。時代が変わったんです。明治新政府が目指しているのは、諸外国と肩を並べる強い国家なんですから。西洋人に眉を顰められるような文化は、悪しき前時代の負の遺産。はは、中澤さん、寺小姓なんて…明治の世なら即逮捕で、懲役刑ですよ。何たって異性装と男色と、二つの法令違反が揃い踏みなんだから…」
珠希の目に、さっと痛みの色が走る。
――そう。男性同士の恋愛は、今や懲役刑だ…。
珠希の表情を見て、成瀬は真面目な顔になり、軽く唇を噛んでうつむいた。
「すみません、中澤さん。ふざけ過ぎました。ほんの…諧謔のつもりだったんです」
「…分かってるよ、大丈夫。気にしてないよ、全然」
――中澤さん。そんなこと、ないくせに…。
「中澤さんは、傷ついても戦おうとしてる。けど…俺の戦法は違うんです。まともに取り合うのも馬鹿馬鹿しいやって笑い飛ばして、この時代をやり過ごそうとしてる。俺は…弱虫だから」
成瀬は何かを吹っ切るように、にかっと思い切り笑顔を作った。
「いずれにしても、そんな下らない記事は俺が書きますよ。編集長にも言っときます」
「えっ、でも…悪いよ。また成瀬君にお願いしちゃうなんて…」
成瀬は真剣な眼差しで、珠希をじっと見た。
「俺…さっきはあんなこと言ったけど、中澤さんの気持ちとか立場は…ちゃんと全部、分かってるつもりですから」
「成瀬君…?」
「まあとにかく中澤さんには、そういう記事は似合いませんよ。ほら、こないだ閉幕した、上野公園の内国博覧会。あの時みたいな華麗で心躍る記事。それこそが、中澤珠希の真骨頂でしょう?」
成瀬の優しさに、珠希は自分の強情さが恥ずかしくなる。
「なんか、ごめん…。僕、子どもみたいにむきになって…」
成瀬は手すりに寄りかかり、社屋を見上げた。
「編集長だって辛いはずですよ。だけど、『讒謗律』だの『新聞紙条例』だの、言論統制がこれだけ厳しくちゃ、時々は嫌な記事だって書いて政府の御機嫌を取らなきゃならない。ま、こういう汚れ仕事は俺にお任せを。俺は何にも気にしません。あ、けど…読まないでくださいね。俺、中澤さんには嫌われたくないから」
ふふっ。
珠希と成瀬は顔を見合わせた。
「条例って言えば、あそこの角の『朝野新聞社』の論説、『辟易賦』。きっぱりと条例を風刺した、痛快な記事だったなあ。僕も政府がかんかんに怒るような、ああいう記事が書きたいよ」
珠希はバルコニーから身を乗り出して、通りの角にある壮麗な『朝野新聞社』の社屋を眺める。
「やりかねないから怖いです。中澤さんは危なっかしくって、俺…心配だな」
「あ、その台詞。警察官の友人にもよく言われるよ」
――僕の行動には、秋司さんが常に頭を抱えてる。秋司さんは今や警察官のお偉方…おまわりさんだからね。ふふ、あの頃、新徴組と行動を共にされていた秋司さんにはぴったりなお仕事だっていつも思うよ。正義の味方、ってやつだ。
「えっ! そんなご友人が? 大丈夫なんですか? その、色々と…」
珠希はあっけらかんと笑った。
「あはは、大丈夫だよ。だって、江戸の時分からの友人だもの。僕が寺小姓をしてたことも…全部ご存知なんだから。あぁ、俺には何も見えないっ、見えないぞぉ、とか、よくおっしゃってる」
――諒さんのことも、ね。ああ、今日はやっと諒さんに会える! 最近、お互い忙しかったからなあ。
会話を続ける成瀬をそのままに、珠希は弾む心に思いを巡らせていく。
――今夜は定例の、年に一度の食事会。今回の幹事は秋司さん。上野の牛鍋屋で集合だなんて、なんだか秋司さんらしいな。
牛鍋にビイルを飲むのが最近の流行りだけど、僕、ビイルは苦いから、あんまり好きじゃないんだよなあ。断然サンパンだよ。あのしゅわしゅわした見た目が素敵だもの!
冬儀さんは、今年はもう東京住まいだから楽に参加できるね。去年までは庄内…あ、今は山形県か…にいらしたから、東京へ出るだけで一苦労だったけど。
そうだ。夕方には僕、社を出なきゃ。横濱から来る諒さんを迎えに行かないと…。
「中澤さん…ね、中澤さんっ、俺の話、聞いてます?」
うわっ!
珠希はびくりとして頭を上げた。
――いけない、うきうきし過ぎちゃった。
「えっ…と、ごめん、ごめん! ちょっと、考えごとしてて…。もう一度、言ってくれるかな?」
「いや、だから、昔の中澤さんの瓦版を見せてくださいよ、って。こないだほら、丸ノ内の夜盗御成敗のやつを見せてくれたじゃないですか。まだ続きがあるんだよって、言ってたから…」
「あ! 瓦版ね。もちろんだよ。ちょうどいい。今、紅茶を入れるから…僕の机のところで飲みながら、一緒に見ようか」
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