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第一章 遠邊家顛末記
1.めぐり逢い(三)
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居酒屋は大盛況だった。
畳敷きの座敷にどっかとあぐらをかいた秋司は葱鮪を肴にして豪快に酒を流し込む。脇に置かれた包みの中には巷で評判のかりんとう。冬儀厳選の誠之助への土産だった。冬儀は姿勢を正し、背筋を伸ばして正座したまま大人しく秋司の話に耳を傾けている。
「それでな、誠之助様ったら突然、刀を槍みたいに投げつけてきたんだぜ? 逆手に持って、投擲武器にするんだよ! なあんて…にこにこ笑ってさ」
誰かとそんな風に出かけるのも初めてなら、酒を飲んだこともなかった冬儀は、加減が分からず秋司に勧められるまま素直に杯を重ねた。
「可愛らしいから、こめかみをぐりぐりしてやった」
「な…っ、こめかみを…? 誠之助様にか?」
「あはは、おふざけだよ。こうしてさ、ほら」
「や、やめ…あ、はは、痛い、結構痛いぞ!」
秋司の下らない話に、最初は控え目に笑っていた冬儀。だが酒の力だろうか、そのうち何だか可笑しくてたまらなくなり、気が付くとすっかり打ち解け大笑いしていた。
冬儀は思う。
――酒じゃない。秋司の力だ。
「秋司、正直…うらやましいよ。お前みたいな性格だったら…きっと毎日がもっと楽しいのだろうな」
神妙な顔をして杯をじっと見る冬儀。秋司は額に手を当て、あははと笑った。
「違うよ冬儀。考える頭が無いから気楽なだけだ。お前は俺に比べて相当賢いもんな。まあ、だからあれこれ悩むし、周りに期待されて辛いことも多いんだろうけど…」
秋司は大きな手で冬儀の肩をぽんと叩く。
「でもお前みたいな優秀な奴にはさ、俺みたいな武闘派を導くって使命があるだろ? 高瀬様だってお前にすごく期待してるはずだ」
「そう…だろうか…」
「はは、そうだよ。だって高瀬様なんか、俺がやらかしてもため息ついて終わりだぜ? こいつに言っても分からんって、諦めてらっしゃるんだ」
酔って目の端を赤く染めた秋司は、ぐいっと酒を飲み干した。
「高瀬様がお前に厳しいのは、お前なら分かるって認めてるからさ。この先遠邊家の舵取りができるのは、冬儀、お前しかいない」
「秋司…」
温かい言葉に冬儀はそっと杯を置いた。
「お前は…変わってるな、秋司。私は昔からこんな風だから…家の者は、母上でさえ…私と一線を置いていたのに」
杯の酒にゆらゆら映る光を見つめる冬儀。
「お前と私は、きっと育ち方からして真逆なのだろうな。お前は人の懐に入るのが上手いけれど、それは昔からなのだろう? でも私はそうじゃない。子どもらしく駄々をこねたり叱られたり甘えたり…そんな暖かな関係性は、叶わぬお伽話だった」
秋司は黙ったまま、冬儀の次の言葉を待った。
「…だから私は、御母上と遠く離れ、父君とも一線を置かれる誠之助様の孤独を…おこがましいけれど自分に重ねている」
冬儀の心の内が堰を切ったように溢れ出す。
「誠之助様をお支えしたい気持ちはきっと秋司、お前と同じだ。けれど私はその気持ちを直接形にする方法を知らない。私はどうしたってお前のようには…なれないんだ」
秋司は立てた片膝を抱えると、ぐっと身を乗り出した。
「でも冬儀、お前が俺と同じやり方をする必要はないだろ? お前にはお前の形ってのが…あるはずだぜ?」
いつしか作るのが癖になっていた周囲との壁。高く張り巡らしたその壁を秋司はやすやすと乗り越えてくる。
心を開く心地良さを冬儀は生まれて初めて感じていた。
「ああ。だからこそ私は、一刻も早く遠邊家を支える一人前の用人となり…自分なりに陰から誠之助様をお支えすることを、己に誓った」
冬儀は杯を取り上げると残った酒をぐっと飲み干した。
「でもなかなか思うようにいかなくて、それが歯がゆくて…日々とても…とても悔しいんだ」
――そうだったのか、冬儀。
一見孤高で冷たく見える同胞冬儀。けれどもその内側には不器用だが一途な誠之助への思いがあることを、己と一分も違わぬ熱い思いがあることを秋司ははっきりと知った。
「なあ、冬儀」
秋司はなみなみと、冬儀の盃に酒を注ぐ。
「俺には今夜はっきり分かったことがある。俺たちは真逆だけど、誠之助様への一途な思いは変わらない。しかも真逆だからこそ、俺には無いいいところを沢山…なあ冬儀、ほんとだぜ? お前はほんとに沢山…持ってるんだよ」
秋司は真っ直ぐに冬儀を見つめた。
「だから冬儀。そのままの、ありのままのお前が…俺にはどうしたって必要だ」
冬儀の心の中に、その言葉が真っ直ぐ差し込んで来る。
――ありのままの、私が…。
「いいか冬儀。お前が遠邊家の『頭』に、俺が『体』になるんだ。それも最高の、な。そしたら俺たちは最強の家来になれる。誠之助様を一分の隙も無くお支えできる。どっちが欠けたってそうはなれないだろ?」
秋司は改めて冬儀に向き直った。
「だからさ。俺たちはこれからさんざん笑って泣いてぶつかってさ。めちゃくちゃ深い絆で繋がった…朋友にならなきゃな」
――朋友…?
面食らった冬儀は黙って秋司を見つめたまま、その言葉を反芻している。
「一人前になる前にどっちかが潰れないように、ただの同胞じゃなく朋友としてがっちり支えあうんだ。俺はいつだってお前の味方になるし…あはは、お前が毎日楽しく過ごせるようにさ、今日みたいに沢山お前を笑わせるよ」
「秋、司」
「その代わりもしもこの先、俺が潰れそうになったら…その時は冬儀、お前が必ず俺を支えてくれよな」
秋司は両の手を冬儀に差し出した。
「冬儀。俺たちはずっと、二人でひとりだ」
秋司の熱を帯びた眼差しと強い言葉がじわりと体の芯まで染み渡る。しばらくぽかんとしていた冬儀の心がぶるりと震えた。
――朋友。二人で、ひとり…。
熱い何かが体の奥底から突きあがる。その渦に呑み込まれながら、冬儀は必死に秋司の手を握り返した。
気の利いたことを言いたいけれど、どの言葉もまるで物足りない。
うん、うん、と幾度もうなずきながら、冬儀は生まれて初めての朋友の手を、強く、ただ強く握りしめたのだった。
***
畳敷きの座敷にどっかとあぐらをかいた秋司は葱鮪を肴にして豪快に酒を流し込む。脇に置かれた包みの中には巷で評判のかりんとう。冬儀厳選の誠之助への土産だった。冬儀は姿勢を正し、背筋を伸ばして正座したまま大人しく秋司の話に耳を傾けている。
「それでな、誠之助様ったら突然、刀を槍みたいに投げつけてきたんだぜ? 逆手に持って、投擲武器にするんだよ! なあんて…にこにこ笑ってさ」
誰かとそんな風に出かけるのも初めてなら、酒を飲んだこともなかった冬儀は、加減が分からず秋司に勧められるまま素直に杯を重ねた。
「可愛らしいから、こめかみをぐりぐりしてやった」
「な…っ、こめかみを…? 誠之助様にか?」
「あはは、おふざけだよ。こうしてさ、ほら」
「や、やめ…あ、はは、痛い、結構痛いぞ!」
秋司の下らない話に、最初は控え目に笑っていた冬儀。だが酒の力だろうか、そのうち何だか可笑しくてたまらなくなり、気が付くとすっかり打ち解け大笑いしていた。
冬儀は思う。
――酒じゃない。秋司の力だ。
「秋司、正直…うらやましいよ。お前みたいな性格だったら…きっと毎日がもっと楽しいのだろうな」
神妙な顔をして杯をじっと見る冬儀。秋司は額に手を当て、あははと笑った。
「違うよ冬儀。考える頭が無いから気楽なだけだ。お前は俺に比べて相当賢いもんな。まあ、だからあれこれ悩むし、周りに期待されて辛いことも多いんだろうけど…」
秋司は大きな手で冬儀の肩をぽんと叩く。
「でもお前みたいな優秀な奴にはさ、俺みたいな武闘派を導くって使命があるだろ? 高瀬様だってお前にすごく期待してるはずだ」
「そう…だろうか…」
「はは、そうだよ。だって高瀬様なんか、俺がやらかしてもため息ついて終わりだぜ? こいつに言っても分からんって、諦めてらっしゃるんだ」
酔って目の端を赤く染めた秋司は、ぐいっと酒を飲み干した。
「高瀬様がお前に厳しいのは、お前なら分かるって認めてるからさ。この先遠邊家の舵取りができるのは、冬儀、お前しかいない」
「秋司…」
温かい言葉に冬儀はそっと杯を置いた。
「お前は…変わってるな、秋司。私は昔からこんな風だから…家の者は、母上でさえ…私と一線を置いていたのに」
杯の酒にゆらゆら映る光を見つめる冬儀。
「お前と私は、きっと育ち方からして真逆なのだろうな。お前は人の懐に入るのが上手いけれど、それは昔からなのだろう? でも私はそうじゃない。子どもらしく駄々をこねたり叱られたり甘えたり…そんな暖かな関係性は、叶わぬお伽話だった」
秋司は黙ったまま、冬儀の次の言葉を待った。
「…だから私は、御母上と遠く離れ、父君とも一線を置かれる誠之助様の孤独を…おこがましいけれど自分に重ねている」
冬儀の心の内が堰を切ったように溢れ出す。
「誠之助様をお支えしたい気持ちはきっと秋司、お前と同じだ。けれど私はその気持ちを直接形にする方法を知らない。私はどうしたってお前のようには…なれないんだ」
秋司は立てた片膝を抱えると、ぐっと身を乗り出した。
「でも冬儀、お前が俺と同じやり方をする必要はないだろ? お前にはお前の形ってのが…あるはずだぜ?」
いつしか作るのが癖になっていた周囲との壁。高く張り巡らしたその壁を秋司はやすやすと乗り越えてくる。
心を開く心地良さを冬儀は生まれて初めて感じていた。
「ああ。だからこそ私は、一刻も早く遠邊家を支える一人前の用人となり…自分なりに陰から誠之助様をお支えすることを、己に誓った」
冬儀は杯を取り上げると残った酒をぐっと飲み干した。
「でもなかなか思うようにいかなくて、それが歯がゆくて…日々とても…とても悔しいんだ」
――そうだったのか、冬儀。
一見孤高で冷たく見える同胞冬儀。けれどもその内側には不器用だが一途な誠之助への思いがあることを、己と一分も違わぬ熱い思いがあることを秋司ははっきりと知った。
「なあ、冬儀」
秋司はなみなみと、冬儀の盃に酒を注ぐ。
「俺には今夜はっきり分かったことがある。俺たちは真逆だけど、誠之助様への一途な思いは変わらない。しかも真逆だからこそ、俺には無いいいところを沢山…なあ冬儀、ほんとだぜ? お前はほんとに沢山…持ってるんだよ」
秋司は真っ直ぐに冬儀を見つめた。
「だから冬儀。そのままの、ありのままのお前が…俺にはどうしたって必要だ」
冬儀の心の中に、その言葉が真っ直ぐ差し込んで来る。
――ありのままの、私が…。
「いいか冬儀。お前が遠邊家の『頭』に、俺が『体』になるんだ。それも最高の、な。そしたら俺たちは最強の家来になれる。誠之助様を一分の隙も無くお支えできる。どっちが欠けたってそうはなれないだろ?」
秋司は改めて冬儀に向き直った。
「だからさ。俺たちはこれからさんざん笑って泣いてぶつかってさ。めちゃくちゃ深い絆で繋がった…朋友にならなきゃな」
――朋友…?
面食らった冬儀は黙って秋司を見つめたまま、その言葉を反芻している。
「一人前になる前にどっちかが潰れないように、ただの同胞じゃなく朋友としてがっちり支えあうんだ。俺はいつだってお前の味方になるし…あはは、お前が毎日楽しく過ごせるようにさ、今日みたいに沢山お前を笑わせるよ」
「秋、司」
「その代わりもしもこの先、俺が潰れそうになったら…その時は冬儀、お前が必ず俺を支えてくれよな」
秋司は両の手を冬儀に差し出した。
「冬儀。俺たちはずっと、二人でひとりだ」
秋司の熱を帯びた眼差しと強い言葉がじわりと体の芯まで染み渡る。しばらくぽかんとしていた冬儀の心がぶるりと震えた。
――朋友。二人で、ひとり…。
熱い何かが体の奥底から突きあがる。その渦に呑み込まれながら、冬儀は必死に秋司の手を握り返した。
気の利いたことを言いたいけれど、どの言葉もまるで物足りない。
うん、うん、と幾度もうなずきながら、冬儀は生まれて初めての朋友の手を、強く、ただ強く握りしめたのだった。
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