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第十一章(2) 決戦、軟殻機動隊キンベレラ / 総員有効射程距離
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ジャンボ・キンベレラの怒りの矛先が、アヴァロン連合に真っ直ぐ向かってくる。奴らのスピードが上がり、距離が縮まる。しかしルンバはたちは待った。その体に力を溜め込んで。
ジャンボ・キンベレラの先頭集団がプテリディニウムの柱に差し掛かる直前、ディッキンソニアが一斉に動いた。
「一匹残らずブチ殺してくれちゃるんど!」
斜め前方に駆け出していくディッキンソニアの戦士たち。その中にはひときわ大きなスコッティの姿も。
間髪入れず、トーゴが声を張り上げる。
「ヨルギア隊、突撃!」
スピードを乗せた若きヨルギアの戦士たちが一直線に駆ける。
ルンバと並走するトーゴがジャンボ・キンベレラの一挙手一投足を見逃さぬよう分析する。
トーゴとタムタムはジャンボ・キンベレラの挙動について意見を一致させていた。タムタムのアドバイスが脳裏をよぎる。
「いいかルンバ、あいつらは正面の吻で攻撃してくる。面と向かって対峙しちゃあならないのはわかるな? しかも身を守っている殻の正面は、かなりの耐久力があるとみた」
そのとおりだ。ディッキンソニアのブッコミでさえも、ジャンボ・キンベレラを正面突破することはできなかった。軟質の殻が、衝撃を吸収してしまうクッションであるかのように。
「後ろもダメだ。あいつらは食いながら、尻にも目がついているように後退してきやがる」
戦いの基本は、相手よりも有利なポジションを取ることだ。敵の追従を許さず、迅速に。
プテリディニウムの柱に差し掛かったところで、トーゴの号令が飛んだ。
「総員、一斉に右へ!」
俊足の若ヨルギアたちがジャンボ・キンベレラ先頭集団の視界から消える。
触手一本分をも乱れぬフェイント。
そして次の瞬間、プテリディニウムの滑り台からカタパルトのようにヨルギアたちが発射されていた。
ドムッ!
ドムッ!
ドムッ、ドムッ!
体当たりの連撃を横から食らったジャンボ・キンベレラの先頭集団が総倒れになった。トーゴの指揮する必殺の戦法、トーゴ・ターンだ。
間髪入れず、ディッキンソニアの軍団がジャンボ・キンベレラの群れに突っ込んだ。その勢いで敵を跳ね飛ばし、そのまま走り抜けていく。
水中をジャンプで舞ったヨルギアたちが、再びプテリディニウムのカタパルトに着地する。
この時と場所を選んだことで潮流が味方し、ディッキンソニアの方向転換を加速させた。
ドムッ ドムッ ドムッ ドムッ!
ジャンボ・キンベレラの群れに、再び礫と化したヨルギアのアタックが炸裂する。
ズモモモモ。ディッキンソニアたちが一斉に、体勢を崩したジャンボ・キンベレラの側面へなだれ込む。
跳ね飛ばされて絶命したジャンボ・キンベレラを、砂の中に隠遁していたエルニエッタ地雷たちがドン、ドンと突き上げて移動する。その骸は次々と海溝へ落とされていった。
作戦は順調かにみえた。しかし、ジャンボ・キンベレラたちは予想以上に知能が発達していた。対応策を学び、次第に向きを変えてくる。アヴァロンの戦士たちに劣らず連携が取れており、数を利用してアヴァロン連合に対抗する戦術を展開してきた。ジャンボ・キンベレラは隊列を組み直し、反撃を開始した。
ドムッ!
ジャンボ・キンベレラの側面に攻撃を仕掛けた若ヨルギア。体当たり直後の無防備な状態をつかれて、両脇で待ち構えた別のジャンボ・キンベレラの餌食になった。容赦なく襲いかかる吻。
そこへ突っ込んできたディッキンソニアによって彼は水中に解放されたが、既に重傷を追っていた。
序盤こそ轢き逃げのごとくジャンボ・キンベレラの壁を粉砕したディッキンソニア軍団であるが、体勢を立て直したジャンボ・キンベレラによって正面から受け止められる者が出てきた。身動きの敵なくなったディッキンソニアの巨体に襲いかかる無数の吻。
「クソッ、まだ半減にもなっていないぞ!」
状況を俯瞰するタムタムが吐き捨てる。
激闘の中で、生物の体液が飛び散り、戦場は生臭い海と化した。アヴァロン連合は形勢を逆転されつつあった。
エルニエッタ地雷のグループも次々とジャンボ・キンベレラの餌食となっていく。吻で噛みつかれ、砂からちぎるようにして引き抜かれる。海溝へ処理されなくなった死骸を確保したジャンボ・キンベレラが、共食いによって凶暴性を増す。
ディッキンソニアの圧力攻撃も回を増すごとに薄くなる。ジャンボ・キンベレラは仲間を犠牲にして、身動きの取れないディッキンソニアを数匹がかりで襲う戦術を展開。またたくまにアヴァロンの戦士たちが劣勢に立たされていく。
残った仲間たちとターン&アタックを繰り広げるルンバとトーゴ。
ドムッ!
ルンバはジャンボ・キンベレラに捕まるまいと、高く、高く跳んだ。
ドムッ!
トーゴも同じく跳ぼうとした。しかしジャンプの軌道へ覆いかぶさるように迫ったジャンボ・キンベレラに阻まれる。
ドッ。砂に落ちるトーゴへ、魔の吻が迫る!
「トーゴ!!」
その時、海溝からゴゴゴ……と大きな流れが生じているような音が轟いた。
((飛翔せよ、生命の海を育む者たちよ))
海溝から声が聞こえてくる。
偉大なるランゲオモルフの末裔、カルニオディスクスたちの声だ!
海溝から一気に吹き出した水流が戦場を乱す……!
スポポポポ!
トーゴを襲うジャンボ・キンベレラに援軍の攻撃が連続ヒット。這うように前進していた老ヨルギアたちだ。
「儂らはまだ跳べる!」
渦巻く乱流に乗って老ヨルギアが舞い上がる。次いで、自由を取り戻したトーゴもジャンプで魔手から逃れる。幸いにして軽傷だ。
ズウウウウウン……!
スコッティの巨漢が跳び、着地で数匹のジャンボ・キンベレラをまとめて押しつぶす。スコッティに攻撃させまいと、ディッキンソニアたちが周囲のジャンボ・キンベレラを牽制する。
カルニオディスクスの声に応じて、ルンバは決意を新たにした。
「飛翔するぞ!」
カルディオニクスの生んだ乱流に乗って、ルンバは飛翔した。トーゴも、仲間たちも、高く、高く。
勢いよく海面から飛び出したヨルギアたちの表面を、強烈な紫外線が焼いた。息を止めていても、致死濃度の酸素が器官にダメージを与える。しかし彼らはその痛みを乗り越え、再び海中へと戻っていった。目指すは悪魔だ。
高高度からジャンボ・キンベレラを穿つ、ヨルギア・バスター!
ルンバの一閃がジャンボ・キンベレラを打破する。
体力の限界を越えた老ヨルギアまでもが、最後の生命を振り絞ってジャンボ・キンベレラに落下直撃を食らわせる。
「バンザーイ!」
衝撃でそのまま天に召されていく仲間たちの姿に、ルンバは涙を飲んだ。
スコッティも再び翔んだ。すさまじい一撃がジャンボ・キンベレラをまとめて圧死させる。しかし、彼を護っていたディッキンソニアがジャンボ・キンベレラの凶刃に倒れてしまう。隙をついて、無防備になったスコッティに、ジャンボ・キンベレラの残党が一斉に襲いかかった。
「スコッティ!」
ルンバは叫び、全力で駆け出した。
---
お読みいただきありがとうございます。
いよいよ佳境、最終回はもうすぐです。
いいね💖、歴史・時代小説大賞での投票等いただけると励みになりますので、気が向いたら宜しくお願いいたします。
ジャンボ・キンベレラの先頭集団がプテリディニウムの柱に差し掛かる直前、ディッキンソニアが一斉に動いた。
「一匹残らずブチ殺してくれちゃるんど!」
斜め前方に駆け出していくディッキンソニアの戦士たち。その中にはひときわ大きなスコッティの姿も。
間髪入れず、トーゴが声を張り上げる。
「ヨルギア隊、突撃!」
スピードを乗せた若きヨルギアの戦士たちが一直線に駆ける。
ルンバと並走するトーゴがジャンボ・キンベレラの一挙手一投足を見逃さぬよう分析する。
トーゴとタムタムはジャンボ・キンベレラの挙動について意見を一致させていた。タムタムのアドバイスが脳裏をよぎる。
「いいかルンバ、あいつらは正面の吻で攻撃してくる。面と向かって対峙しちゃあならないのはわかるな? しかも身を守っている殻の正面は、かなりの耐久力があるとみた」
そのとおりだ。ディッキンソニアのブッコミでさえも、ジャンボ・キンベレラを正面突破することはできなかった。軟質の殻が、衝撃を吸収してしまうクッションであるかのように。
「後ろもダメだ。あいつらは食いながら、尻にも目がついているように後退してきやがる」
戦いの基本は、相手よりも有利なポジションを取ることだ。敵の追従を許さず、迅速に。
プテリディニウムの柱に差し掛かったところで、トーゴの号令が飛んだ。
「総員、一斉に右へ!」
俊足の若ヨルギアたちがジャンボ・キンベレラ先頭集団の視界から消える。
触手一本分をも乱れぬフェイント。
そして次の瞬間、プテリディニウムの滑り台からカタパルトのようにヨルギアたちが発射されていた。
ドムッ!
ドムッ!
ドムッ、ドムッ!
体当たりの連撃を横から食らったジャンボ・キンベレラの先頭集団が総倒れになった。トーゴの指揮する必殺の戦法、トーゴ・ターンだ。
間髪入れず、ディッキンソニアの軍団がジャンボ・キンベレラの群れに突っ込んだ。その勢いで敵を跳ね飛ばし、そのまま走り抜けていく。
水中をジャンプで舞ったヨルギアたちが、再びプテリディニウムのカタパルトに着地する。
この時と場所を選んだことで潮流が味方し、ディッキンソニアの方向転換を加速させた。
ドムッ ドムッ ドムッ ドムッ!
ジャンボ・キンベレラの群れに、再び礫と化したヨルギアのアタックが炸裂する。
ズモモモモ。ディッキンソニアたちが一斉に、体勢を崩したジャンボ・キンベレラの側面へなだれ込む。
跳ね飛ばされて絶命したジャンボ・キンベレラを、砂の中に隠遁していたエルニエッタ地雷たちがドン、ドンと突き上げて移動する。その骸は次々と海溝へ落とされていった。
作戦は順調かにみえた。しかし、ジャンボ・キンベレラたちは予想以上に知能が発達していた。対応策を学び、次第に向きを変えてくる。アヴァロンの戦士たちに劣らず連携が取れており、数を利用してアヴァロン連合に対抗する戦術を展開してきた。ジャンボ・キンベレラは隊列を組み直し、反撃を開始した。
ドムッ!
ジャンボ・キンベレラの側面に攻撃を仕掛けた若ヨルギア。体当たり直後の無防備な状態をつかれて、両脇で待ち構えた別のジャンボ・キンベレラの餌食になった。容赦なく襲いかかる吻。
そこへ突っ込んできたディッキンソニアによって彼は水中に解放されたが、既に重傷を追っていた。
序盤こそ轢き逃げのごとくジャンボ・キンベレラの壁を粉砕したディッキンソニア軍団であるが、体勢を立て直したジャンボ・キンベレラによって正面から受け止められる者が出てきた。身動きの敵なくなったディッキンソニアの巨体に襲いかかる無数の吻。
「クソッ、まだ半減にもなっていないぞ!」
状況を俯瞰するタムタムが吐き捨てる。
激闘の中で、生物の体液が飛び散り、戦場は生臭い海と化した。アヴァロン連合は形勢を逆転されつつあった。
エルニエッタ地雷のグループも次々とジャンボ・キンベレラの餌食となっていく。吻で噛みつかれ、砂からちぎるようにして引き抜かれる。海溝へ処理されなくなった死骸を確保したジャンボ・キンベレラが、共食いによって凶暴性を増す。
ディッキンソニアの圧力攻撃も回を増すごとに薄くなる。ジャンボ・キンベレラは仲間を犠牲にして、身動きの取れないディッキンソニアを数匹がかりで襲う戦術を展開。またたくまにアヴァロンの戦士たちが劣勢に立たされていく。
残った仲間たちとターン&アタックを繰り広げるルンバとトーゴ。
ドムッ!
ルンバはジャンボ・キンベレラに捕まるまいと、高く、高く跳んだ。
ドムッ!
トーゴも同じく跳ぼうとした。しかしジャンプの軌道へ覆いかぶさるように迫ったジャンボ・キンベレラに阻まれる。
ドッ。砂に落ちるトーゴへ、魔の吻が迫る!
「トーゴ!!」
その時、海溝からゴゴゴ……と大きな流れが生じているような音が轟いた。
((飛翔せよ、生命の海を育む者たちよ))
海溝から声が聞こえてくる。
偉大なるランゲオモルフの末裔、カルニオディスクスたちの声だ!
海溝から一気に吹き出した水流が戦場を乱す……!
スポポポポ!
トーゴを襲うジャンボ・キンベレラに援軍の攻撃が連続ヒット。這うように前進していた老ヨルギアたちだ。
「儂らはまだ跳べる!」
渦巻く乱流に乗って老ヨルギアが舞い上がる。次いで、自由を取り戻したトーゴもジャンプで魔手から逃れる。幸いにして軽傷だ。
ズウウウウウン……!
スコッティの巨漢が跳び、着地で数匹のジャンボ・キンベレラをまとめて押しつぶす。スコッティに攻撃させまいと、ディッキンソニアたちが周囲のジャンボ・キンベレラを牽制する。
カルニオディスクスの声に応じて、ルンバは決意を新たにした。
「飛翔するぞ!」
カルディオニクスの生んだ乱流に乗って、ルンバは飛翔した。トーゴも、仲間たちも、高く、高く。
勢いよく海面から飛び出したヨルギアたちの表面を、強烈な紫外線が焼いた。息を止めていても、致死濃度の酸素が器官にダメージを与える。しかし彼らはその痛みを乗り越え、再び海中へと戻っていった。目指すは悪魔だ。
高高度からジャンボ・キンベレラを穿つ、ヨルギア・バスター!
ルンバの一閃がジャンボ・キンベレラを打破する。
体力の限界を越えた老ヨルギアまでもが、最後の生命を振り絞ってジャンボ・キンベレラに落下直撃を食らわせる。
「バンザーイ!」
衝撃でそのまま天に召されていく仲間たちの姿に、ルンバは涙を飲んだ。
スコッティも再び翔んだ。すさまじい一撃がジャンボ・キンベレラをまとめて圧死させる。しかし、彼を護っていたディッキンソニアがジャンボ・キンベレラの凶刃に倒れてしまう。隙をついて、無防備になったスコッティに、ジャンボ・キンベレラの残党が一斉に襲いかかった。
「スコッティ!」
ルンバは叫び、全力で駆け出した。
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