異世界で転生したら襲われたんですが！

第九話

どうしよう、誰か助けてくれっ！！！

言い訳をされるであろうがここは一つ、レイン王子に聞いてみることにした。

「あ、あの～。レイン王子？」
「うん、何？」
「な、なぜ、私の身体は動かないのでしょうか？」
「それは僕の魔法で拘束しているからね。」
「拘束！？な、なら、なぜ目の前にいるのですか？」
「？これからキミを犯す為だよ？分からない？」

ーいや、BLでそういうシチュがあるからもしかしてとは思ったけど、正直当てたくなかったよっ！！！

聞きたくなかったことを聞かされ、少々動揺しているが、自分の意思を主張した。

「あの、正直ムリです。犯されたくありません、俺。」
「だーめ、僕の物になるなら考えるけど。」

ーそれもお断りしたいんだけどっ！！

断ることができない状況になっている。

「好きだよ。ユーイチ………」

ーあ、あ、ど、どど、どーすればっ！！

この状況の打開策を慌てる頭を何とか回転させながら考えていく。

1、逃げる。

回答。無理だ、だってレイン王子に拘束？魔法かけられて動けないしっ！！！

2、魔法で攻撃！はーっ！！

回答。ダメだ。一国の王子に傷をつけたら俺が死罪になる。てか光魔法って癒しと攻撃、あと照らすだけだかんねっ！！！まず、動けないし………

3、かんねんして、身を委ねる。

回答。………絶対したくねぇーーーーーーーっ！！！！！！

なにも打開策が浮かばない。どうすることも出来ないことにもう、ダメだ………と、思ったその時、奇跡が訪れた。

「何しているんですか？レイン王子。」
「！？」

レインは驚いたかのような表情をしていた。

「っ”………ハルキか。なんの用だ。俺は今、取り込み中なんだが？」

レインは苦笑いをしながら出ていけと言っている素振りを見せた。だが、春月は応じない。

「ニイニから離れてくれませんか？王子とて、許さないですよ俺は。」

ーニイニ？………ニイニって俺のこと言ってるのか？っ！この言い方を言うの春月しか………王子は相手にハルキって名前で言ってたし、まさかマジもんの春月！？

春月であれば助けてくれるだろうと思ったが、かんじんの助けてくれっ！！が言えない状況化にあるのだが。

優一は必死にもがこうとしたが身体が言うことを聞かない。

「けど、ユーイチは嫌がる素振りを見せていないよ？」

春月はため息をついた。

「ニイニの目だけは誤魔化せませんよ？嫌がってる目をしてる。」
「…………なんだ、分かってたのか。正直残念だったんだけどなぁ～」

レインは右手の親指と中指を使って、パチンッと音を鳴らした。その瞬間、優一を蝕んでいた魔法が解除され優一は自由になった。

「っ！は、はるぎ～～～っ！！」

安心してしまったのか、優一は魔法が解けると春月の胸に飛び込んだ。泣きながら、汚いが鼻水を垂らしながら。

…………服に鼻水が着いた。キタね。だが、春月は嬉しそうでした。