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優一の姉のお話。番外編

文化祭。(桃子、高校2年生の時。)

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文化祭。それは、友情と団結力を高める為、そして生徒達の疲れを癒すため行われる行事。私は嬉しいのだ。なぜって?それは…………



ーーーーー
桃子達のクラスでは逆転喫茶をした。逆転喫茶では男子が女装、女子が男装をする形になっていた。

「女子だけズルいじゃねーかっ!!!」

ーまた始まった。

桃子のクラスでは文化祭まで、残り後5日を切っていた。クラスの男子達は全員反対していた出し物だったが、女子の人数がクラスで一番多かったのでこの出し物になったのだ。なったのだが。

「んだよっ!清多(きよしだ)っ!!!男子達はウチのクラス全員不器用だから、女子はお前達の分までやってんだよっ!!」
「だからなんだよっ!!」
「場をわきまえろって言ってんだよっ!」

最終日まで、後5日間だ。女子達は皆目の下に少しクマができていた。

「アンタらはまともに服縫えないわ、まつり縫いさえ出来ないわで、どうやって作ろうってわけ!?」
「そ、そんなん知るかっ!!!」
「だったら、黙れ。集中途切れるだろ?」

女子達の空気は最悪だ。授業に、料理担当達の試作の手伝いや、自身の部活での出し物。そしてクラスの男子達の世話。出来なければ出し物は出せない。そして何より一番クマに近づいていた理由は、衣装。今までメイド服などは演劇部で使っている衣装があったが、他のクラスが使うことになってしまって自身で作らなければならなかった。

「アクセサリーはあるから良いとして、服はまだ12人分しかないし、後4人分もあるのよ!?それにクツだって揃えなきゃだし。ああっ!!!もうやだっ!!!!!!」

「「だったらやるなよ……………」」

『うるせーーーーっ!!!』
『ホントだよっ!!』
『黙れ男子っ!!!!』

暴言が飛び交う中、一部の女子達は薄笑いを表情に浮かべながら暗い空気でチクチク、チクチクと衣装を縫っていた。その中には桃子の姿もあった。

ー私は徹夜してんのよ。いい加減にしろ。早く作れ。そして、寝させろ………

桃子の目の下にはクマができていた。

「一着、でき、ま、した…………」

一着を作っていたチームが倒れた。そして瞬く間に“イビキ”をかきはじめた。

『グーーー…………』

ー私も寝たい…………

だが衣装を作る女子達は寝ない。作り続ける、チクチクと。彼女らは皆のメイド服姿が見たいが為に、今日も頑張る。







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