上 下
39 / 74
第八話

佐藤!鈴木!捕まったっ!? : 4

しおりを挟む
「なぁ」
「ん?どうしたの、田中さん?」
「この馬ってメスなのオスなの?」

ーここは慎重に聞かないと…………ここが男しかいない異世界だって分かんないと思うし。

優一は次に来るだろう反応を伺った。

「んー、分からん。」
「知らないで名前付けてたのかよ、鈴木。」
「はぁ?だって馬の性別なんて関係ないっしょ?別に女性が少ないだけでしょ?」

ここで言って良いものか迷った優一だが、ここらで言った方が良いのかもしれないと思っていた。

「あの、さー。」
「ん?」
「ココア、オスだよ?」
「……………」

そして畳み掛けるように真実を伝えた。

「あと、この世界に女性はいないよ。」

「「…………………はっ?」」

佐藤と鈴木は固まった。例え異世界であっても男女の性別は変わらないであろうと言うことを、考え込んでいたのかもしれない。そして事実と違うことにどう反応して良いか分からない様子だ。

「えっ、嘘でしょ?冗談キツいよ~。アハハハハ…………」
「本当だって。」
「……………」

佐藤は嬉しそうだが、鈴木は嬉しくなさそうだ。

「絶対、あれだね。ケアとかそういうのないよ。」





ーーーーー
雑談をしながら賊達が通ったであろう道のりを進んでいった。すると、赤く灯った松明が遠くから微かに見えた。

「あれ、松明だよな?」
「もしかしたら、人が居るかもしれないよ?」
「んじゃ、行くか。」

その時、行かなければ良かったのだ。こんなにも面倒ごとに巻き込まれるだなんて思わなかったのだから。


松明の近くに行く為、一旦商業用馬車から降りることにした。

「寝てるかな?」
「んー。もう少し近くに行かないと分からないかも。」

「そこで何をしているっ!?」

「ふぇっ!?」
「ん?黒髪の少年…………!まさかっ!」
「何、まさかって。」

兵士の姿をした男性が首もとに着けていた笛を吹いた。


『プ………ピィーーーーーーーッ!!!』


「な、なんだよっ!?いきなり笛なんか吹いてっ!!」
「皆の者っ!!黒髪の少年以外捕らえろっ!!!」
「はっ!!!団長っ!!」

そこで理解した。あぁ、もしかしたらこの人達なんか勘違いしている、と。

「い、痛っ!!!」
「あっ、ちょっ!!拘束するならアザ出来ないようにしてよっ!!!」
「なに、俺達がやりましたって認めるようなこと言うんだよ!?」

ーあっ。やばい。この状況……………

優一は勘でこの感じはヤバイと悟った。

佐藤と鈴木は優一を人身売買未遂の罪で捕まってしまった。優一は何度も『この人達は俺の友人で助けてくれた人達なんです!!』と訴えたが、兵士達は誘惑か洗脳の類いの魔法を使われているか、ただ単に何かに脅されていたかの線で、優一の訴えは聞かれなかった。

ーどうしよう…………助けなきゃ、なのにどうして助けられないんだ。

今現在、優一は佐藤達を助けに行けない理由があった。

「はあ、本当に良かった!ユーイチが、売られなくて。」

優一はレインに部屋の中に監禁状態にされ、外には警備が付いており、レインにベットに連れられ(合意じゃないっす)、押し倒され、今、押し倒された優一は目の前にレインの顔がある状況下にあった。

ーなんか、魔法みたいなので体が動かないし…………

この状況を一言で言えば、レイン王子に“抱かれそう”になっていた。

ー誰か、あの神様でも良いから、助けてくれっーーーーーー!!!!!

優一は果たして助かるのか、それとも抱かれるのか。



ーーーーー
(読みたい方だけ読んで下さい。)

ここからは、私、作者の方で言いたいことを書かせていただきます。
この度、更新が遅れてしまい誠に申し訳ありません。
しいては、私自身の才能のなさが原因なのですが、言い訳をするとリアルで今大変な状況てあり。自身の疲れなどが原因で、目の下にクマっ!!や布団に入ったら爆睡などで暇な時間にコツコツとなんとか書きました!!
これからも書きますので、どうか宜しくお願いします。(。-人-。)

以上、作者の私事情でした。最後にスミマセン。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

転生したので異世界でショタコンライフを堪能します

のりたまご飯
BL
30歳ショタコンだった俺は、駅のホームで気を失い、そのまま電車に撥ねられあっけなく死んだ。 けど、目が覚めるとそこは知らない天井...、どこかで見たことのある転生系アニメのようなシチュエーション。 どうやら俺は転生してしまったようだ。 元の世界で極度のショタコンだった俺は、ショタとして異世界で新たな人生を歩む!!! ショタ最高!ショタは世界を救う!!! ショタコンによるショタコンのためのBLコメディ小説であーる!!!

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

嫌われ者だった俺が転生したら愛されまくったんですが

夏向りん
BL
小さな頃から目つきも悪く無愛想だった篤樹(あつき)は事故に遭って転生した途端美形王子様のレンに溺愛される!

エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!

たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった! せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。 失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。 「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」 アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。 でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。 ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!? 完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ! ※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※ pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。 https://www.pixiv.net/artworks/105819552

だからその声で抱きしめて〖完結〗

華周夏
BL
音大にて、朱鷺(トキ)は知らない男性と憧れの美人ピアノ講師の情事を目撃してしまい、その男に口止めされるが朱鷺の記憶からはその一連の事は抜け落ちる。朱鷺は強いストレスがかかると、その記憶だけを部分的に失ってしまう解離に近い性質をもっていた。そしてある日、教会で歌っているとき、その男と知らずに再会する。それぞれの過去の傷と闇、記憶が絡まった心の傷が絡みあうラブストーリー。 《深谷朱鷺》コンプレックスだらけの音大生。声楽を専攻している。珍しいカウンターテナーの歌声を持つ。巻くほどの自分の癖っ毛が嫌い。瞳は茶色で大きい。 《瀬川雅之》女たらしと、親友の鷹に言われる。眼鏡の黒髪イケメン。常に2、3人の人をキープ。新進気鋭の人気ピアニスト。鷹とは家がお隣さん。鷹と共に音楽一家。父は国際的ピアニスト。母は父の無名時代のパトロンの娘。 《芦崎鷹》瀬川の親友。幼い頃から天才バイオリニストとして有名指揮者の父と演奏旅行にまわる。朱鷺と知り合い、弟のように可愛がる。母は声楽家。

どうやら生まれる世界を間違えた~異世界で人生やり直し?~

黒飴細工
BL
京 凛太郎は突然異世界に飛ばされたと思ったら、そこで出会った超絶イケメンに「この世界は本来、君が生まれるべき世界だ」と言われ……?どうやら生まれる世界を間違えたらしい。幼い頃よりあまりいい人生を歩んでこれなかった凛太郎は心機一転。人生やり直し、自分探しの旅に出てみることに。しかし、次から次に出会う人々は一癖も二癖もある人物ばかり、それが見た目が良いほど変わった人物が多いのだから困りもの。「でたよ!ファンタジー!」が口癖になってしまう凛太郎がこれまでと違った濃ゆい人生を送っていくことに。 ※こちらの作品第10回BL小説大賞にエントリーしてます。応援していただけましたら幸いです。 ※こちらの作品は小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しております。

僕の兄は◯◯です。

山猫
BL
容姿端麗、才色兼備で周囲に愛される兄と、両親に出来損ない扱いされ、疫病除けだと存在を消された弟。 兄の監視役兼影のお守りとして両親に無理やり決定づけられた有名男子校でも、異性同性関係なく堕としていく兄を遠目から見守って(鼻ほじりながら)いた弟に、急な転機が。 「僕の弟を知らないか?」 「はい?」 これは王道BL街道を爆走中の兄を躱しつつ、時には巻き込まれ、時にはシリアス(?)になる弟の観察ストーリーである。 文章力ゼロの思いつきで更新しまくっているので、誤字脱字多し。広い心で閲覧推奨。 ちゃんとした小説を望まれる方は辞めた方が良いかも。 ちょっとした笑い、息抜きにBLを好む方向けです! ーーーーーーーー✂︎ この作品は以前、エブリスタで連載していたものです。エブリスタの投稿システムに慣れることが出来ず、此方に移行しました。 今後、こちらで更新再開致しますのでエブリスタで見たことあるよ!って方は、今後ともよろしくお願い致します。

処理中です...