114 / 117
10章 風の魔王の小さな祈り
112話 魔女に欠けしもの:魔界の宰相vs魔女
しおりを挟む
「……もしかして、あなたは宰相さんですか?」
「そうですが、何故?」
「いえ、なんとなく」
以前、アスタフェルが「俺の城には怖い宰相がいる」と言っていたのを思い出したのだ。彼は苦労性っぽい雰囲気をまとっているし。失礼ながら、彼なら話に合うな、と。
「あ、ジャンザ。こいつはゼーヴァだ。宰相をしてもらってる。ゼーヴァ、こちら俺の奥さんのジャンザだ。仲良くしてやって欲しいんだが……」
「かしこまりました、ご友人として丁重に歓待いたします」
苦笑しつつ紹介するアスタに、苦々しいような対抗するような、トゲトゲした視線を遠慮なく刺してくるアゲハ宰相ゼーヴァ。
正直、居心地が悪い。
まあ、いいや。
ご挨拶にはご挨拶で返すのが礼儀というもの――。
ワタシは肩をすくめて、わざとらしくはぁっと息をついた。
「……いやあ、それにしても驚きましたよ。風属性というのは自由なのですね、ゼーヴァさん。先ほどの小妖精……シルフィさんと仰いましたか。あなたも含めて、まさに風のように軽やかで自由なんですから」
「風属性のすべてがああだと思われるのは心外です。シルフィは特別に能天気ですから」
「仕える主が好きで連れてきた女に向かって部下であるあなたがいきなりそんな言い草を、しかも主が見ている前で、面と向かって女にぶちかますんですよ? ワタシたち人間の世界ではそういうのは無作法とされています。やるなら主に気取られないように裏からチクチクやるんですよ、人間の世界ならね。だからワタシから見れば、あなたは十二分にシルフィさんと同じ、笑っちゃうくらい脳天気で軽やかな風属性です」
「おおおお、ジャンザが……完全にいつもの調子に戻ってるぅ……」
アスタフェルが涙を拭う素振りをするなか、ゼーヴァはぐぬぬという感じで眉根を寄せてワタシを睨んでいる。
なんだこれは。
まあいいや。うん、それよりも、だ。
「なあ、アスタ。オマエ家に帰るって言ってなかったっけ」
「ここ、俺ん城」
「オマエの言い方に威厳がなさすぎてワタシたちの家に帰るのかと思ったわ」
だがここが魔界なら、あのとんでも大掛かりな魔法陣も納得がいく。
いくら聖妃とはいえワタシはただの人間だ。
ただの人間に世界を超えさせようとするならば、魔王の魔力任せの強引なほどに強力な魔法陣も必要になるだろう。
「俺たちの家……! いい響きだ。しかし心配するな、ここもすぐあそこと変わらぬ夫婦の愛の巣となる」
「そういう部類の心配はついぞしたことがないな」
「貴様っ、黙って聞いていれば魔王様に向かってなんという口の聞き方を!」
とはいえ。
「アスタフェル」
ワタシにはまだやりたいことがある。
人間の世界に薬草薬を広めるのだ。
魔女の魔力を……生命を代価としなくてもいいように。誰も犠牲にならずに人を癒やすことのできる、薬草薬を。
「すぐにワタシを人間の世界に帰してくれ」
こんなところでアスタフェルと結婚している暇なんか無い。ワタシが戦うべき舞台は人間の世界なのだ。
まあ……元の世界に帰してくれるかというと、それは無理だろうけど。
「ようやくお前を魔界に連れてきたっていうのに。ここで逃すワケがないことくらいお前なら分かるだろ?」
アスタフェルはワタシの予想どおり、純粋に不思議そうに首をかしげている。
「まあそうだよな」
反発する気も起きず、ワタシはふうっと息を吐いた。
「ワタシでもそうするだろう。オマエの願望が叶ったわけだからな……」
思えば彼はずっと言っていた。
魔界に帰って式挙げよう! と――。
だ、が。
実のところ、代価案はある。
ワタシは魔王の魔力を引き出すことができる。
つまり、あの恐ろしい数の異世界を一気に顕在化させ保っていた魔方陣――あれ、原則としてワタシも作れるのだ。
ただ、やり方が分からない。
闇雲に多数の魔方陣を同時に作ってそれを一つの大きな魔方陣でくくったところで世界を越えることができるとは思えないということだ。
アスタフェルが作ったあの魔方陣は、あの数千数万の大きさも属性も様々な魔方陣を、ある法則を持って作り、くくったものである。だからこそ生身のワタシに世界を越えさせることができた。
記憶力には自信があるが、あの一瞬で全てを覚えられるわけでもないしそもそも魔方陣の全てを見渡せたわけでもない。
ワタシはあの越世の魔方陣について知らないのだ。
知らないものは作ることができない。
しかし逆を言えば、知れば作ることができる。
つまり、ワタシがあの魔方陣について学べば、アスタフェルに頼らなくとも人間の世界に帰れるのだ。
ここは魔界。しかも風の魔王の城だ。きっと人の世界にはないような魔術的な知識がたんまりあるはず。それこそ創世神話に出てくるような、世界を創造したり命を与えたり、そういう秘術だって伝わっているはずだ。考えただけで奮えがくる。
そう簡単に得られるような知識でもないだろうが――ワタシはこの目であの魔法陣を見たんだ。あの秘術は存在している。
必ずやあそこまで到達してやる。
まあ結局は魔王の魔力に頼るし、使えばアスタフェルにはバレるが……副作用の性的刺激によって。
だがそれに躊躇するようなワタシではない。使えるものは何でも使うのが流儀だ。
……が。
解決策を持っていてなお、それでも気になることはあった。
「ほんと、さすが魔王だよな。結局全部オマエの独り勝ちじゃないか。あんなに頑張ったワタシの願いはちっとも叶わないというのに……」
ワタシは最後の最後まで魔界行きは抵抗した。
なのにどさくさに紛れたとはいえ、結局アスタフェルの望み通り、魔界に――しかも風の魔王の城に来てしまっている。
ワタシの夢は叶わなかったのに、アスタフェルの夢は叶ったのだ。
誰がなんと言おうと、ワタシは精一杯頑張った。
薬草薬を広めるために王子を籠絡しようとしたら聖騎士に邪魔され続けたから魔物を召喚した。
出てきたのが魔王で、それで運命が狂ってしまったが……。
それでもできることはなんでもした。
王子を欺こうとし、聖騎士を殺そうとした。
……なのに、この二つは両方とも成功していない。
友達のユスティアも去っていった。とはいえ彼女を助けることができたのは唯一の成功事例といえるだろう。
すべては魔力の使いすぎで若くして亡くなった我が師匠アリアネディアを弔うために。
なのに、これはどう考えてもおかしい。
ワタシは何故ここにいる? アスタフェルは何をした?
おそらくはアスタフェルにありワタシにないもの。それが成否を別けたのだ。
「まあ、日頃の行いってやつだな」
アスタフェルは爽やかに笑う。
「でもお前もいい線いってたと思うぞ。特に俺にちゃんと謝ったのは良かったと思う。……人は誰でも狂気を内在させている。狂気と上手く付き合っていけたらいいな、ジャンザ」
「うるさい黙れ」
くそっ勝者の余裕をかましやがってムカつく。
だがこういうところにヒントがあるのが世の常である。
日頃の行い……。
ワタシとアスタフェルの違いはそれなのか?
それを手に入れれば、ワタシは何でもできるようになる……。
「……魔王様、本当にこの方で間違いないのですか? 聖神に幻術でも掛けられているのではありませんか? 本当のジャンザさんは、その……少なくとももう少し言葉の端々が柔らかいといいのですが」
「それお前の願望だろゼーヴァ」
しかし、日頃の行いってなんだ?
「ところでタオル持ってきてくれるか? それから着替えと暖かい飲み物も。あと、風呂はあとどれくらいでできるか聞いてきてくれるか。そしたら俺の着替えも頼む」
「魔王様も入られるおつもりですか、風呂に」
「無論よ。新婚さんは一緒に風呂に入る。これが魔界の常識だ」
「それは魔界のどの地方の常識でしょうか?」
「……ごめん今俺が考えた」
「だと思いました」
お掃除小妖精とキャッキャしてたあのノリ。もしかしたらアレか? ああいうのが必要なのか?
「ほらっ、早く行けって」
「はっ、申し訳――いえ、ご友人と二人っきりにして間違いがあってはいけませんし」
「間違いね。ふふふふふふふお前ジャンサの正体知ったら驚くぞー」
「そちらの小娘様に驚くべき正体があるというのですか?」
って、ついに小娘呼ばわりされたぞ。一応様付けだが。
「知りたいか? 知りたいよなー。まさか風の魔王が魔力の低い魔女にただただベタ惚れして連れ去ってきたわけないしなー」
「確かに……。口の悪さからも多少ではありますが頑とした知性を感じはしますし」
「実は、ジャンザはな……」
アスタは重大な秘密を告げるように声をひそめ、そして笑顔でぶっちゃけた。
「聞いて驚け、ただの魔力の低い魔女だ!」
「アスタオマエ……」
ワタシが聖妃だと明かす流れかと思ったのに。
「ジャンザの正体はただの魔女だ。俺が心底惚れたってだけの、ただの女の子だ。ほらほらっ、お前も気が利かないな。ただの女の子が魔界に来たんだ、精神的に疲れてるに決まってるだろ。早いとこ二人っきりでイチャイチャ癒やしたいんだよ、お前はお邪魔なの。皆まで言わせんなって」
「ちょっ……魔王様!」
とアスタフェルはアゲハ翅の宰相ゼーヴァの背を押し、扉から出してしまった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お読みいただきありがとうございます!
面白かったらお気に入り登録をお願いします!
感想もいただけると物凄く嬉しいです。
あと一話!
「そうですが、何故?」
「いえ、なんとなく」
以前、アスタフェルが「俺の城には怖い宰相がいる」と言っていたのを思い出したのだ。彼は苦労性っぽい雰囲気をまとっているし。失礼ながら、彼なら話に合うな、と。
「あ、ジャンザ。こいつはゼーヴァだ。宰相をしてもらってる。ゼーヴァ、こちら俺の奥さんのジャンザだ。仲良くしてやって欲しいんだが……」
「かしこまりました、ご友人として丁重に歓待いたします」
苦笑しつつ紹介するアスタに、苦々しいような対抗するような、トゲトゲした視線を遠慮なく刺してくるアゲハ宰相ゼーヴァ。
正直、居心地が悪い。
まあ、いいや。
ご挨拶にはご挨拶で返すのが礼儀というもの――。
ワタシは肩をすくめて、わざとらしくはぁっと息をついた。
「……いやあ、それにしても驚きましたよ。風属性というのは自由なのですね、ゼーヴァさん。先ほどの小妖精……シルフィさんと仰いましたか。あなたも含めて、まさに風のように軽やかで自由なんですから」
「風属性のすべてがああだと思われるのは心外です。シルフィは特別に能天気ですから」
「仕える主が好きで連れてきた女に向かって部下であるあなたがいきなりそんな言い草を、しかも主が見ている前で、面と向かって女にぶちかますんですよ? ワタシたち人間の世界ではそういうのは無作法とされています。やるなら主に気取られないように裏からチクチクやるんですよ、人間の世界ならね。だからワタシから見れば、あなたは十二分にシルフィさんと同じ、笑っちゃうくらい脳天気で軽やかな風属性です」
「おおおお、ジャンザが……完全にいつもの調子に戻ってるぅ……」
アスタフェルが涙を拭う素振りをするなか、ゼーヴァはぐぬぬという感じで眉根を寄せてワタシを睨んでいる。
なんだこれは。
まあいいや。うん、それよりも、だ。
「なあ、アスタ。オマエ家に帰るって言ってなかったっけ」
「ここ、俺ん城」
「オマエの言い方に威厳がなさすぎてワタシたちの家に帰るのかと思ったわ」
だがここが魔界なら、あのとんでも大掛かりな魔法陣も納得がいく。
いくら聖妃とはいえワタシはただの人間だ。
ただの人間に世界を超えさせようとするならば、魔王の魔力任せの強引なほどに強力な魔法陣も必要になるだろう。
「俺たちの家……! いい響きだ。しかし心配するな、ここもすぐあそこと変わらぬ夫婦の愛の巣となる」
「そういう部類の心配はついぞしたことがないな」
「貴様っ、黙って聞いていれば魔王様に向かってなんという口の聞き方を!」
とはいえ。
「アスタフェル」
ワタシにはまだやりたいことがある。
人間の世界に薬草薬を広めるのだ。
魔女の魔力を……生命を代価としなくてもいいように。誰も犠牲にならずに人を癒やすことのできる、薬草薬を。
「すぐにワタシを人間の世界に帰してくれ」
こんなところでアスタフェルと結婚している暇なんか無い。ワタシが戦うべき舞台は人間の世界なのだ。
まあ……元の世界に帰してくれるかというと、それは無理だろうけど。
「ようやくお前を魔界に連れてきたっていうのに。ここで逃すワケがないことくらいお前なら分かるだろ?」
アスタフェルはワタシの予想どおり、純粋に不思議そうに首をかしげている。
「まあそうだよな」
反発する気も起きず、ワタシはふうっと息を吐いた。
「ワタシでもそうするだろう。オマエの願望が叶ったわけだからな……」
思えば彼はずっと言っていた。
魔界に帰って式挙げよう! と――。
だ、が。
実のところ、代価案はある。
ワタシは魔王の魔力を引き出すことができる。
つまり、あの恐ろしい数の異世界を一気に顕在化させ保っていた魔方陣――あれ、原則としてワタシも作れるのだ。
ただ、やり方が分からない。
闇雲に多数の魔方陣を同時に作ってそれを一つの大きな魔方陣でくくったところで世界を越えることができるとは思えないということだ。
アスタフェルが作ったあの魔方陣は、あの数千数万の大きさも属性も様々な魔方陣を、ある法則を持って作り、くくったものである。だからこそ生身のワタシに世界を越えさせることができた。
記憶力には自信があるが、あの一瞬で全てを覚えられるわけでもないしそもそも魔方陣の全てを見渡せたわけでもない。
ワタシはあの越世の魔方陣について知らないのだ。
知らないものは作ることができない。
しかし逆を言えば、知れば作ることができる。
つまり、ワタシがあの魔方陣について学べば、アスタフェルに頼らなくとも人間の世界に帰れるのだ。
ここは魔界。しかも風の魔王の城だ。きっと人の世界にはないような魔術的な知識がたんまりあるはず。それこそ創世神話に出てくるような、世界を創造したり命を与えたり、そういう秘術だって伝わっているはずだ。考えただけで奮えがくる。
そう簡単に得られるような知識でもないだろうが――ワタシはこの目であの魔法陣を見たんだ。あの秘術は存在している。
必ずやあそこまで到達してやる。
まあ結局は魔王の魔力に頼るし、使えばアスタフェルにはバレるが……副作用の性的刺激によって。
だがそれに躊躇するようなワタシではない。使えるものは何でも使うのが流儀だ。
……が。
解決策を持っていてなお、それでも気になることはあった。
「ほんと、さすが魔王だよな。結局全部オマエの独り勝ちじゃないか。あんなに頑張ったワタシの願いはちっとも叶わないというのに……」
ワタシは最後の最後まで魔界行きは抵抗した。
なのにどさくさに紛れたとはいえ、結局アスタフェルの望み通り、魔界に――しかも風の魔王の城に来てしまっている。
ワタシの夢は叶わなかったのに、アスタフェルの夢は叶ったのだ。
誰がなんと言おうと、ワタシは精一杯頑張った。
薬草薬を広めるために王子を籠絡しようとしたら聖騎士に邪魔され続けたから魔物を召喚した。
出てきたのが魔王で、それで運命が狂ってしまったが……。
それでもできることはなんでもした。
王子を欺こうとし、聖騎士を殺そうとした。
……なのに、この二つは両方とも成功していない。
友達のユスティアも去っていった。とはいえ彼女を助けることができたのは唯一の成功事例といえるだろう。
すべては魔力の使いすぎで若くして亡くなった我が師匠アリアネディアを弔うために。
なのに、これはどう考えてもおかしい。
ワタシは何故ここにいる? アスタフェルは何をした?
おそらくはアスタフェルにありワタシにないもの。それが成否を別けたのだ。
「まあ、日頃の行いってやつだな」
アスタフェルは爽やかに笑う。
「でもお前もいい線いってたと思うぞ。特に俺にちゃんと謝ったのは良かったと思う。……人は誰でも狂気を内在させている。狂気と上手く付き合っていけたらいいな、ジャンザ」
「うるさい黙れ」
くそっ勝者の余裕をかましやがってムカつく。
だがこういうところにヒントがあるのが世の常である。
日頃の行い……。
ワタシとアスタフェルの違いはそれなのか?
それを手に入れれば、ワタシは何でもできるようになる……。
「……魔王様、本当にこの方で間違いないのですか? 聖神に幻術でも掛けられているのではありませんか? 本当のジャンザさんは、その……少なくとももう少し言葉の端々が柔らかいといいのですが」
「それお前の願望だろゼーヴァ」
しかし、日頃の行いってなんだ?
「ところでタオル持ってきてくれるか? それから着替えと暖かい飲み物も。あと、風呂はあとどれくらいでできるか聞いてきてくれるか。そしたら俺の着替えも頼む」
「魔王様も入られるおつもりですか、風呂に」
「無論よ。新婚さんは一緒に風呂に入る。これが魔界の常識だ」
「それは魔界のどの地方の常識でしょうか?」
「……ごめん今俺が考えた」
「だと思いました」
お掃除小妖精とキャッキャしてたあのノリ。もしかしたらアレか? ああいうのが必要なのか?
「ほらっ、早く行けって」
「はっ、申し訳――いえ、ご友人と二人っきりにして間違いがあってはいけませんし」
「間違いね。ふふふふふふふお前ジャンサの正体知ったら驚くぞー」
「そちらの小娘様に驚くべき正体があるというのですか?」
って、ついに小娘呼ばわりされたぞ。一応様付けだが。
「知りたいか? 知りたいよなー。まさか風の魔王が魔力の低い魔女にただただベタ惚れして連れ去ってきたわけないしなー」
「確かに……。口の悪さからも多少ではありますが頑とした知性を感じはしますし」
「実は、ジャンザはな……」
アスタは重大な秘密を告げるように声をひそめ、そして笑顔でぶっちゃけた。
「聞いて驚け、ただの魔力の低い魔女だ!」
「アスタオマエ……」
ワタシが聖妃だと明かす流れかと思ったのに。
「ジャンザの正体はただの魔女だ。俺が心底惚れたってだけの、ただの女の子だ。ほらほらっ、お前も気が利かないな。ただの女の子が魔界に来たんだ、精神的に疲れてるに決まってるだろ。早いとこ二人っきりでイチャイチャ癒やしたいんだよ、お前はお邪魔なの。皆まで言わせんなって」
「ちょっ……魔王様!」
とアスタフェルはアゲハ翅の宰相ゼーヴァの背を押し、扉から出してしまった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お読みいただきありがとうございます!
面白かったらお気に入り登録をお願いします!
感想もいただけると物凄く嬉しいです。
あと一話!
0
お気に入りに追加
402
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
転生先が羞恥心的な意味で地獄なんだけどっ!!
高福あさひ
恋愛
とある日、自分が乙女ゲームの世界に転生したことを知ってしまったユーフェミア。そこは前世でハマっていたとはいえ、実際に生きるのにはとんでもなく痛々しい設定がモリモリな世界で羞恥心的な意味で地獄だった!!そんな世界で羞恥心さえ我慢すればモブとして平穏無事に生活できると思っていたのだけれど…?※カクヨム様、ムーンライトノベルズ様でも公開しています。不定期更新です。タイトル回収はだいぶ後半になると思います。前半はただのシリアスです。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
悪役令嬢の生産ライフ
星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。
女神『はい、あなた、転生ね』
雪『へっ?』
これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。
雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』
無事に完結しました!
続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。
よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる