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第7章 まさかの仕打ち?
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ようやくスターウォッチャーへのチャレンジが始まったおれに、とんだ試練が立ちはだかった。リーラ星賊団のヴィトが、惑星フェニックスに呪いをかけたんだ。「一歩を踏み出せ」と、おれの背中を押してくれたはずの男が、今度は敵となって姿を現すなんて。
「ヴィトは惑星フェニックスを破壊するつもりだ、くそ!」
おれは思わず、煙突望遠鏡のレンズを手のひらでたたく。
「ティム、落ちつくでやんす。こんなときこそ、本のメッセージを思いだすなりよ」
「メッセージ?」
そうつぶやくおれに、ヘンリは本の最後のページを開いて見せた。
「この星は、不死鳥のように強く美しく甦る、……そうか」
「ハリスさんも、きっとこのメッセージを信じて観測したなり。だから、ティムにだってできるでやんす! さあ、もういちど気を取りなおして、観測を再開するでやんす」
ヘンリの言葉にハッとすると、おれはもういちど、赤く燃える星に目をむけた。
★ ★ ★
巨大なふくろうのバーンズが、黄色い目を光らせながら、空中を旋回する。
大きな翼をはばたかせ、バーンズが雲にいる妖精を見つけて飛んでいった。
「ぐへへ、見つけたぜ!」
雲に降りたったバーンズが首をぐるりと回すと、妖精のケイティは叫び声をあげた。
「きゃあっ。あ……あなたは、誰なのっ?」
「ぐへへ、おれ様はな、この星の新しい支配者だよ」
「支配者? こ、この星に、そんな人は必要ないわっ。さっさと出てってよ!」
翼を広げて迫ってくるバーンズに、ケイティは小さな手足をバタバタさせた。
けれど、そんな妖精の小さな抵抗に、バーンズの身体はビクともしない。
「おまえは素晴らしい歌声をもっているそうだな? おれ様に披露してみないか?」
そう言ってバーンズは、自分の翼でケイティをつかみあげてしまったのだ。
「う……わ、わたしは、みんなを幸せにするために歌うの。あなたなんかに、歌うもんですか!」
「ぐへへへ。おまえたちがそう言ってられるのも、今のうちだぜ、ぐへへへ」
「お、おまえたち?」
バーンズの言葉に、ケイティは目を見開く。
「もしかして、ナバービ……お願い、どうかナバービには手をださないでっ!」
「それはどうかな、ぐへへ。おれ様に従う、その準備ができたら考えてやるよ」
すると突然、バーンズの目から、紫の光線が飛びだした。
「きゃあっ」
その光は、あっという間にケイティを包みこんでしまう。そしてケイティのまわりの雲が、みるみるうちに牢屋
となって、なんと彼女を閉じこめてしまったのだ。
「あ、アアっ、アー……」
「ぐへへ、おまえの歌声を奪いとってやったぜ」
喉を押さえたケイティに、バーンズはニヤリとすると、地上へと飛んでいったのだ。
「ヴィトは惑星フェニックスを破壊するつもりだ、くそ!」
おれは思わず、煙突望遠鏡のレンズを手のひらでたたく。
「ティム、落ちつくでやんす。こんなときこそ、本のメッセージを思いだすなりよ」
「メッセージ?」
そうつぶやくおれに、ヘンリは本の最後のページを開いて見せた。
「この星は、不死鳥のように強く美しく甦る、……そうか」
「ハリスさんも、きっとこのメッセージを信じて観測したなり。だから、ティムにだってできるでやんす! さあ、もういちど気を取りなおして、観測を再開するでやんす」
ヘンリの言葉にハッとすると、おれはもういちど、赤く燃える星に目をむけた。
★ ★ ★
巨大なふくろうのバーンズが、黄色い目を光らせながら、空中を旋回する。
大きな翼をはばたかせ、バーンズが雲にいる妖精を見つけて飛んでいった。
「ぐへへ、見つけたぜ!」
雲に降りたったバーンズが首をぐるりと回すと、妖精のケイティは叫び声をあげた。
「きゃあっ。あ……あなたは、誰なのっ?」
「ぐへへ、おれ様はな、この星の新しい支配者だよ」
「支配者? こ、この星に、そんな人は必要ないわっ。さっさと出てってよ!」
翼を広げて迫ってくるバーンズに、ケイティは小さな手足をバタバタさせた。
けれど、そんな妖精の小さな抵抗に、バーンズの身体はビクともしない。
「おまえは素晴らしい歌声をもっているそうだな? おれ様に披露してみないか?」
そう言ってバーンズは、自分の翼でケイティをつかみあげてしまったのだ。
「う……わ、わたしは、みんなを幸せにするために歌うの。あなたなんかに、歌うもんですか!」
「ぐへへへ。おまえたちがそう言ってられるのも、今のうちだぜ、ぐへへへ」
「お、おまえたち?」
バーンズの言葉に、ケイティは目を見開く。
「もしかして、ナバービ……お願い、どうかナバービには手をださないでっ!」
「それはどうかな、ぐへへ。おれ様に従う、その準備ができたら考えてやるよ」
すると突然、バーンズの目から、紫の光線が飛びだした。
「きゃあっ」
その光は、あっという間にケイティを包みこんでしまう。そしてケイティのまわりの雲が、みるみるうちに牢屋
となって、なんと彼女を閉じこめてしまったのだ。
「あ、アアっ、アー……」
「ぐへへ、おまえの歌声を奪いとってやったぜ」
喉を押さえたケイティに、バーンズはニヤリとすると、地上へと飛んでいったのだ。
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