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第5章 ピンチの後のビッグチャンス?
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ふたりが病院へ向かったあと、おれは家を飛び出して山小屋へいそいだ。
家でじっと静かになんか、しているわけにはいかなかったんだ。けれど、母さんとの約束は守る。犯人探しはしない。
(だからその代わりに、1秒でも早く、惑星フェニックスを観測させてほしい!)
町のみんなに、早く真実を伝えなきゃって、そう強く思ったのだ。
今、おれに出来ることは観測しかない。町のみんなが混乱しているのは、フィッチに、惑星フェニックスが呪われていると吹き込まれたせいなんだ。
だったら、惑星フェニックスの真実を観測すれば、みんなも安心するはず。
「おっかえり~」
おれが観測部屋に入ると、ヘンリが、マントをひらひらさせて飛んできた。
「うわっ! ど、どうしたんです、ティム? 目の下にクマができてるなり」
「ちょっと、色々あって。それよりヘンリ、望遠鏡の使い方を教えてくれよ」
おれはそう言い、じいちゃんの書いた惑星フェニックスの本を本棚で探す。
「あった」
ところが、本を開いた瞬間、なんとそこに書かれた文字が消え始めたのだ。
「ヘンリ、何だこれっ?」
「文字が消えて、白紙になったなりっ」
おれの肩に止まったヘンリも驚いて言う。
「じいちゃんが書いた本が、ただの白紙の本になっちまった!」
そのとき、ヘンリがハッとするように、手をパンと叩いた。
「合図なりよ、ティム!」
「え? 白紙が、合図だって?」
家でじっと静かになんか、しているわけにはいかなかったんだ。けれど、母さんとの約束は守る。犯人探しはしない。
(だからその代わりに、1秒でも早く、惑星フェニックスを観測させてほしい!)
町のみんなに、早く真実を伝えなきゃって、そう強く思ったのだ。
今、おれに出来ることは観測しかない。町のみんなが混乱しているのは、フィッチに、惑星フェニックスが呪われていると吹き込まれたせいなんだ。
だったら、惑星フェニックスの真実を観測すれば、みんなも安心するはず。
「おっかえり~」
おれが観測部屋に入ると、ヘンリが、マントをひらひらさせて飛んできた。
「うわっ! ど、どうしたんです、ティム? 目の下にクマができてるなり」
「ちょっと、色々あって。それよりヘンリ、望遠鏡の使い方を教えてくれよ」
おれはそう言い、じいちゃんの書いた惑星フェニックスの本を本棚で探す。
「あった」
ところが、本を開いた瞬間、なんとそこに書かれた文字が消え始めたのだ。
「ヘンリ、何だこれっ?」
「文字が消えて、白紙になったなりっ」
おれの肩に止まったヘンリも驚いて言う。
「じいちゃんが書いた本が、ただの白紙の本になっちまった!」
そのとき、ヘンリがハッとするように、手をパンと叩いた。
「合図なりよ、ティム!」
「え? 白紙が、合図だって?」
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