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第4章 陽気なパートナー
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ところが、ヘンリはきっぱりと言う。
「未経験、上等なり! そんなの、経験を積めばいいだけですからね。だから、恥ずかしがる必要なんてありません。それに、おいらがティムのパートナーになりますから」
「えっ?」
「そうですよ。だから、おいらは月からやってきたんです。――ただし!」
テーブルのヘンリが、おれの顔に、人差し指を向ける。
「今のままだと、いくら頑張っても、星を観測することはできません」
「そ、そうなのか? 望遠鏡を覗けば、惑星フェニックスが見れるんじゃ?!」
だが、ヘンリは人差し指をふった。
「いいですか、ティム。物事には順序、ってもんがあるんですよ。何を始めるにしても、そこには、とっーても大事な順番ってものがあるんです」
「順序? 順番?」
意気込みだけは1人前だが、おれは、スターウォッチャーのことを何も知らなかったんだと痛感した。
おれがヘンリなら、きっとガッカリするだろうな……。
「落ち込む必要なんてありませんよ。誰だって、初めはみーんな初心者ですからね」
そう励ましたヘンリが、テーブルから望遠鏡へ飛び移る。鏡筒に座って、足を組んだ。
「それでは、特別授業を開始するなり。いいですか、ティム。じつは、このガリレオ式望遠鏡の対物レンズは、『遠眼鏡』という特殊なレンズが使われているんです」
「ええっ? そ、……そうだったのか」
「ですが、これだけじゃ、星は見えてもその中までは見えません。もっぱら物語を書くなんて、無理な話でしょう。だから、次に必要になるのが、これなんですねえ」
ヘンリが、どこかもったいぶるような口調で言い、シルクハットを脱いだ。
そこから、ヘンリが取り出したのは、なんと虹色に光るメガネだった。
「レンズが、7色に光ってる! そのメガネは何なんだっ?」
「その前に、おいらのシルクハットは、時空トンネルになってるんですよ。月にあるおいらの観測部屋とつながっていて、時空トンネルを使えば、そこにある物を何でも取り出せるんですよ」
「すっげえ」
「それで、このメガネは『マジカルメガネ』って言います。じつは、スターウォッチャーの必須アイテムなんです、これ」
「未経験、上等なり! そんなの、経験を積めばいいだけですからね。だから、恥ずかしがる必要なんてありません。それに、おいらがティムのパートナーになりますから」
「えっ?」
「そうですよ。だから、おいらは月からやってきたんです。――ただし!」
テーブルのヘンリが、おれの顔に、人差し指を向ける。
「今のままだと、いくら頑張っても、星を観測することはできません」
「そ、そうなのか? 望遠鏡を覗けば、惑星フェニックスが見れるんじゃ?!」
だが、ヘンリは人差し指をふった。
「いいですか、ティム。物事には順序、ってもんがあるんですよ。何を始めるにしても、そこには、とっーても大事な順番ってものがあるんです」
「順序? 順番?」
意気込みだけは1人前だが、おれは、スターウォッチャーのことを何も知らなかったんだと痛感した。
おれがヘンリなら、きっとガッカリするだろうな……。
「落ち込む必要なんてありませんよ。誰だって、初めはみーんな初心者ですからね」
そう励ましたヘンリが、テーブルから望遠鏡へ飛び移る。鏡筒に座って、足を組んだ。
「それでは、特別授業を開始するなり。いいですか、ティム。じつは、このガリレオ式望遠鏡の対物レンズは、『遠眼鏡』という特殊なレンズが使われているんです」
「ええっ? そ、……そうだったのか」
「ですが、これだけじゃ、星は見えてもその中までは見えません。もっぱら物語を書くなんて、無理な話でしょう。だから、次に必要になるのが、これなんですねえ」
ヘンリが、どこかもったいぶるような口調で言い、シルクハットを脱いだ。
そこから、ヘンリが取り出したのは、なんと虹色に光るメガネだった。
「レンズが、7色に光ってる! そのメガネは何なんだっ?」
「その前に、おいらのシルクハットは、時空トンネルになってるんですよ。月にあるおいらの観測部屋とつながっていて、時空トンネルを使えば、そこにある物を何でも取り出せるんですよ」
「すっげえ」
「それで、このメガネは『マジカルメガネ』って言います。じつは、スターウォッチャーの必須アイテムなんです、これ」
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