夏の灰から

「夏はシャンデリア、秋は灯籠」と手にしている本の主人公が言う。
 言いたいことはなんとなく分かる。
 だけど僕にとって夏はスポットライト、秋は間接照明だ。
 夏は、強烈に輝き逆に影を色濃く目立たせる。そうして秋は、疲弊した僕を淡く見せる。
 似ているようで少し違う。

「秋は夏の焼け残りさ」
 この文は……その通りだと強く共感する。

 佐倉実は、貴重な高校一年生の夏休みを、毎日無為にしていた。
 そんな最中、祖母の提案により、夏休みの間田舎の町で過ごすことになる。
 そこで出会った女性、園田由那は『みたらし炭酸』なる謎のドリンクを愛飲する変わり者だったが、関わっていくうちに、彼女に隠された哀しい結末を知ることになる。
 そして、彼女の父親である園田聡の憂悶と葛藤。
 すべてが終わる時、実たち三人は夏の灰から、夏の焼け残りへとなる。
24h.ポイント 0pt
0
小説 194,514 位 / 194,514件 ライト文芸 7,745 位 / 7,745件

あなたにおすすめの小説

僕の目の前の魔法少女がつかまえられません!

兵藤晴佳
ライト文芸
「ああ、君、魔法使いだったんだっけ?」というのが結構当たり前になっている日本で、その割合が他所より多い所に引っ越してきた佐々四十三(さっさ しとみ)17歳。  ところ変われば品も水も変わるもので、魔法使いたちとの付き合い方もちょっと違う。  不思議な力を持っているけど、デリケートにできていて、しかも妙にプライドが高い人々は、独自の文化と学校生活を持っていた。  魔法高校と普通高校の間には、見えない溝がある。それを埋めようと努力する人々もいるというのに、表に出てこない人々の心ない行動は、危機のレベルをどんどん上げていく……。 (『小説家になろう』様『魔法少女が学園探偵の相棒になります!』、『カクヨム』様の同名小説との重複掲載です)

ウィークアウト

エスティー
ライト文芸
「…」 現代を舞台にしたバトルコメディ 完全不定期・見切り発車の私の小説ですが、よろしくお願いします。

鏡鑑の夏と、曼珠沙華

水無月彩椰
ライト文芸
文芸部員の雨宮彩織は、夏休みの終わり際、"夏"を探しに田舎へと帰省する。その先で再会したのは、かつての幼馴染であり、彼の初恋の相手──椎奈あやめだった。そこで彩織は、彼女に『自分の色を分ける』ことを決意する。昔とは少し違う夏休みのなかで、ただ夏だけを描き続けた幻想綺譚。どこか懐かしくて物悲しい、狂おしくも儚い夏物語。 『縁なしの紺青の空、ただ立ち昇るだけの入道雲、アスファルトに霞む夏陽炎、降り注ぐような蝉時雨──僕は存在しない虚像の夏に、焦がれている。』 【原案:春夏秋冬 廻】 【執筆:水無月 彩椰】

視聴者と作る! 現実世界

天谷爽
ライト文芸
「皆こんばんは! 今日も二時間宜しく!!」 高校生の日野隆介は動画配信者である。チャンネル登録者数は多くはないが視聴者と一つになりたいという思いも叶い、アンチの存在はほとんどない。 充実した配信者ライフを送る日野だったが、そんな彼に転機が。 「これ、日野くんだよね」 クラスの美人学級委員長にバレて配信していることがバレてしまった! 配信者ライフ、即終了!? 波乱の学園生活が始まる―――!! この物語はカクヨムでも投稿されています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【6】冬の日の恋人たち【完結】

ホズミロザスケ
ライト文芸
『いずれ、キミに繋がる物語』シリーズの短編集。君彦・真綾・咲・総一郎の四人がそれぞれ主人公になります。全四章・全十七話。 ・第一章『First step』(全4話) 真綾の家に遊びに行くことになった君彦は、手土産に悩む。駿河に相談し、二人で買いに行き……。 ・第二章 『Be with me』(全4話) 母親の監視から離れ、初めて迎える冬。冬休みの予定に心躍らせ、アルバイトに勤しむ総一郎であったが……。 ・第三章 『First christmas』(全5話) ケーキ屋でアルバイトをしている真綾は、目の回る日々を過ごしていた。クリスマス当日、アルバイトを終え、君彦に電話をかけると……? ・第四章 『Be with you』(全4話) 1/3は総一郎の誕生日。咲は君彦・真綾とともに総一郎に内緒で誕生日会を企てるが……。 ※当作品は「カクヨム」「小説家になろう」にも同時掲載しております。(過去に「エブリスタ」にも掲載)

看取り人

織部
ライト文芸
 宗介は、末期癌患者が最後を迎える場所、ホスピスのベッドに横たわり、いずれ訪れるであろう最後の時が来るのを待っていた。 後悔はない。そして訪れる人もいない。そんな中、彼が唯一の心残りは心の底で今も疼く若かりし頃の思い出、そして最愛の人のこと。  そんな時、彼の元に1人の少年が訪れる。 「僕は、看取り人です。貴方と最後の時を過ごすために参りました」  これは看取り人と宗介の最後の数時間の語らいの話し

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です