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七章 不可逆属性異種ロマンス
叶えたい願望、記憶の断片、夢の中
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七章 不可逆属性異種ロマンス 最終話です。
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地響きが地下聖堂を揺らす。
彫刻の施されたアーチ型の天井から埃とともに落ちてきた砂塵に頬を打たれて、ユノアはハッと目を覚ました。
教会に大勢の信者が訪れ礼拝でも行われているのか、ドタドタとした騒音に比例して砂塵があちこちの天井から落ちてきた。
こんな夜中に礼拝など行うはずがない。
地上での異変を感じ、ユノアは毛布を押し退け急いで靴を履くと、教会へと続く階段へ向かった。
冷たい石壁に手を付き、大きな柱を抜けたところで一瞬、この騒動は国の然るべき機関に自分の存在がばれて、捜索のために一個連隊でも派遣してきたのかもしれないと思った。
絶滅民族の生き残りである子供一人を捕まえるために、地図を広げても誰も気づかないほどの小さな街“ギルフォイ”に軍隊を差し向ける。
例え親切な神父が密告したとしても、それはあり得ないだろう。
聖典は、敵を焼き尽くす炎を出すことも、剣にも弓矢にもなり得ないのだから。
大砲が城壁を破壊するような凄まじい音に混じってきな臭さが鼻をつく黒い煙が地上へ上がる教会へと続く階段を舐めるように降りてきた。
教会が燃えている!
階段を駆け上がり祭壇の後ろの周歩廊から頭だけを出して辺りをうかがった。
ユノアが目にしたものは、瓦礫と破滅の世界だった。
教会は原型を留めぬほどに破壊されていた。
教会の基礎部分は誰かが削岩機を使ったかのようで、落ちた屋根の残骸と壁を構成していた砕けた石材が長い身廊を埋め尽くし、投げ込まれた藁束が燃えていた。
あちこちで火の手が上がり、黒い煙と熱気とけたたましい叫び声が嵐のように街中を震え動かす中、片手には斧を、もう一方の手には人間の生首を掴んでいる一匹のオークが獲物を求めてうろつく姿が目に入った。
ユノアは奇跡的に無傷の祭壇の裏側でしゃがみ込み、銃声のように激しく打つ鼓動を沈めようと大きく息を吐いた。
ギルフォイの街がオークの襲撃を受けている。
こうなっては、考える時間は残されていない。
意を決したユノアは息を止めて、胸に刻まれた黄金に輝く曼荼羅の中へ手を差し入れると、胸中から聖典を引き抜いた。
大それた事をした割に意外とあっさりと生命維持装置とも言うべき聖典を体内から取り出せたことに拍子抜けしそうになったが、すかさず立ち上がると祭壇を動かし、その下にあるわずかな空間に聖典を隠すと祭壇を元の位置に戻した。
――さあ、あとはなるべく遠くへ走るだけよ。
ユノアは教会を出て走った。
今までの人生でこれ以上ないほどに全力で走った。
心臓を鷲づかみにされそうな恐怖に足がすくむものと思っていたが、自分の中にこれほどの勇気と希望がまだ残っていることに驚いていた。
街の惨状は努めて見ないようにした。
通りに転がる屍体につまずいて転んだ時、自分が方向感覚を失っていることに気づいた。
そして、体力が急激に低下していることにも。
オークに見つかって喰われて死ぬのでは、何のために命そのものである聖典をこの世に残したのか、まるで意味がなくなる。
そう思ったユノアは、急いで立ち上がると前方に見える藪の中へ飛び込むように駆け込んだ。
茨の茂みをうつ伏せに這い進むうちにむき出しの腕や足が枝に刺されて傷ついた。
川縁に辿り着き、立ち上がったとき、背後に人の気配を感じてサッと振り向いた。
街の家々を焼き尽くす炎がかすむほど鮮やかな真紅のローブコートをまとった長身の男が、射抜くような瞳でこちらを見つめていた。
その瞬間、ユノアは差し迫った状況であるにもかかわらず、オークの襲撃も聖典を手放したことも忘れた。
まるで心臓の四心室のすべてから一度に血液を送り出し全身に注ぎ込んだような衝撃を受けた。
実際に、めまいを起こして倒れそうになったが、その青年の吸い込まれそうな漆黒の瞳から目が離せなくなっていた。
微動だにせずじっとこちらを見つめる青年の姿に、彼も自分と同じ気持ちだろうか、とメルヘンチックな考えが頭をよぎった。
が、その愚にもつかぬ考えを瞬時に振り払った。
彼が見つめるその理由はただひとつ。
自分が絶滅民族の民だからだ。
彼は、白髪にオッドアイ、透き通るような白い肌を見て我が目を疑っているのだ。
テウルギアの民は数年前に絶滅したものと見なされていたから。
黒い煙と血と肉の焼ける臭気に、踏み荒らされた藪と、燃え盛る炎を映し朱に染まる小川の間で茫然と立ちすくむ白い少女と、炎に背にして立つ真紅のローブコートをまとった竜章鳳姿な青年が対峙する幾許かの時を経て、青年が声をかけた。
「安心しろ。王国軍だ」
††
「こんな奇跡が起こるなんて思ってなかった。誰にも見つからない場所で静かに死ぬつもりだった。あなたに出逢ってから聖典を体内から取り出したことを後悔し始めた。あなたを信用していなかったし、ほんとうに助けてくれるなんて思ってなかった」
ロイドはユノアと添い寝をして自身の体温で彼女を温めた。
時折、彼女の白い髪を、透き通るような白い頬を撫でた。
ユノアの頬は、ベッド脇に飾られた十二本の緋色の薔薇の輝きを受けて煌めいて見えた。
震えは止まったが、ユノアはロイドと初めて出逢った時の夢を見ているのか、朦朧とした意識の中で、よどみなく囁き続けた。
「ドラゴンの背に乗せられた時よ。守護神グラファイトはわたしを見て厭わしげに身じろぎをした。人間よりも遥かに高等な生物なのよ。当然よね。それと同時に頭が混乱した。神に近い存在のドラゴンに指示を出すあなたの姿に、わけがわからなくなった。そんな人間がこの世に存在するなんてどうして信じられるの? ドラゴンの背に乗せられて空を飛んだ時はとても怖かった。落ちる怖さと、どこへ連れられて何をされるのかと。でも、あなたはずっと肩を抱いてくれていた」
ユノアのこの感傷は腕の痛みや熱による一種のせん妄なのか、と思ったが、ロイドはそうであって欲しくないと強く思った。
彼はユノアの問わず語りを黙って聞きながら、彼女の赤裸々な告白に自身もギルフォイでユノアと初めて出逢った時の衝撃に思いを馳せた。
二人は今、出逢った場所へ舞い戻り、同じ記憶を辿っていた。
「わたしは今まで自分の気持ちにちゃんとした理屈を嵌め込もうと躍起になっていたの。バラバラになったパズルのピースを一つずつ嵌め込むように。そして、正直な気持ちに蓋をして、もっともらしい理屈でパートナーシップを持ち出した。でもそれでは満足できないことにやっと気づいた。そう、もっと単純で明白な気持ちに気づいたの」
包帯の巻かれた腕を上げてロイドの裸の胸に手を置くと、ユノアは瞼を押し上げ潤んだオッドアイで彼の漆黒の瞳を見上げた。
彼女の柔らかな呼吸音と、肩と胸にかかる温かい息を感じたロイドは、押さえ込んでいる内なる何かが腹の底で蠢く感覚を覚えて唇を噛んだ。
「気を失う前、何か言おうとしてただろ?」
ロイドはユノアの掌の温もりを胸に感じながら、額に唇が届きそうなほど近づいて言った。
「ええ……、言おうとしたら、予想を遥かに上回る痛みに気絶してしまった」
ユノアはかすれた声でクスッと笑った。
「何を言おうとしてた?」
「あの時わたしは怒っていたのよ……。ほんとうに聞きたいの?」
「聞きたいね」
ユノアは困ったようにまつ毛を伏せると、聞き取れるか聞き取れないかの早口で囁いた。
その言葉はおよそユノアらしくない罵倒のセリフで、ロイドはあまりの表現に唇を歪めて不敵な笑みを漏らした。
いくら憤慨していたとはいえ、口にしてみると改めて酷い言葉だと思い、ユノアはうつむいた。
が、再び顔を上げると先ほどとは打って変わった力強い声音でこう言った。
「でも、今はこう言いたい。ロイ、わたしはあなたに恋をしている」
「ユノア、おれの中には、おれの知らない何かがいる」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
八章 サイキック・インナーマインド へ続きます。
引き続き宜しくお願い致します。
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地響きが地下聖堂を揺らす。
彫刻の施されたアーチ型の天井から埃とともに落ちてきた砂塵に頬を打たれて、ユノアはハッと目を覚ました。
教会に大勢の信者が訪れ礼拝でも行われているのか、ドタドタとした騒音に比例して砂塵があちこちの天井から落ちてきた。
こんな夜中に礼拝など行うはずがない。
地上での異変を感じ、ユノアは毛布を押し退け急いで靴を履くと、教会へと続く階段へ向かった。
冷たい石壁に手を付き、大きな柱を抜けたところで一瞬、この騒動は国の然るべき機関に自分の存在がばれて、捜索のために一個連隊でも派遣してきたのかもしれないと思った。
絶滅民族の生き残りである子供一人を捕まえるために、地図を広げても誰も気づかないほどの小さな街“ギルフォイ”に軍隊を差し向ける。
例え親切な神父が密告したとしても、それはあり得ないだろう。
聖典は、敵を焼き尽くす炎を出すことも、剣にも弓矢にもなり得ないのだから。
大砲が城壁を破壊するような凄まじい音に混じってきな臭さが鼻をつく黒い煙が地上へ上がる教会へと続く階段を舐めるように降りてきた。
教会が燃えている!
階段を駆け上がり祭壇の後ろの周歩廊から頭だけを出して辺りをうかがった。
ユノアが目にしたものは、瓦礫と破滅の世界だった。
教会は原型を留めぬほどに破壊されていた。
教会の基礎部分は誰かが削岩機を使ったかのようで、落ちた屋根の残骸と壁を構成していた砕けた石材が長い身廊を埋め尽くし、投げ込まれた藁束が燃えていた。
あちこちで火の手が上がり、黒い煙と熱気とけたたましい叫び声が嵐のように街中を震え動かす中、片手には斧を、もう一方の手には人間の生首を掴んでいる一匹のオークが獲物を求めてうろつく姿が目に入った。
ユノアは奇跡的に無傷の祭壇の裏側でしゃがみ込み、銃声のように激しく打つ鼓動を沈めようと大きく息を吐いた。
ギルフォイの街がオークの襲撃を受けている。
こうなっては、考える時間は残されていない。
意を決したユノアは息を止めて、胸に刻まれた黄金に輝く曼荼羅の中へ手を差し入れると、胸中から聖典を引き抜いた。
大それた事をした割に意外とあっさりと生命維持装置とも言うべき聖典を体内から取り出せたことに拍子抜けしそうになったが、すかさず立ち上がると祭壇を動かし、その下にあるわずかな空間に聖典を隠すと祭壇を元の位置に戻した。
――さあ、あとはなるべく遠くへ走るだけよ。
ユノアは教会を出て走った。
今までの人生でこれ以上ないほどに全力で走った。
心臓を鷲づかみにされそうな恐怖に足がすくむものと思っていたが、自分の中にこれほどの勇気と希望がまだ残っていることに驚いていた。
街の惨状は努めて見ないようにした。
通りに転がる屍体につまずいて転んだ時、自分が方向感覚を失っていることに気づいた。
そして、体力が急激に低下していることにも。
オークに見つかって喰われて死ぬのでは、何のために命そのものである聖典をこの世に残したのか、まるで意味がなくなる。
そう思ったユノアは、急いで立ち上がると前方に見える藪の中へ飛び込むように駆け込んだ。
茨の茂みをうつ伏せに這い進むうちにむき出しの腕や足が枝に刺されて傷ついた。
川縁に辿り着き、立ち上がったとき、背後に人の気配を感じてサッと振り向いた。
街の家々を焼き尽くす炎がかすむほど鮮やかな真紅のローブコートをまとった長身の男が、射抜くような瞳でこちらを見つめていた。
その瞬間、ユノアは差し迫った状況であるにもかかわらず、オークの襲撃も聖典を手放したことも忘れた。
まるで心臓の四心室のすべてから一度に血液を送り出し全身に注ぎ込んだような衝撃を受けた。
実際に、めまいを起こして倒れそうになったが、その青年の吸い込まれそうな漆黒の瞳から目が離せなくなっていた。
微動だにせずじっとこちらを見つめる青年の姿に、彼も自分と同じ気持ちだろうか、とメルヘンチックな考えが頭をよぎった。
が、その愚にもつかぬ考えを瞬時に振り払った。
彼が見つめるその理由はただひとつ。
自分が絶滅民族の民だからだ。
彼は、白髪にオッドアイ、透き通るような白い肌を見て我が目を疑っているのだ。
テウルギアの民は数年前に絶滅したものと見なされていたから。
黒い煙と血と肉の焼ける臭気に、踏み荒らされた藪と、燃え盛る炎を映し朱に染まる小川の間で茫然と立ちすくむ白い少女と、炎に背にして立つ真紅のローブコートをまとった竜章鳳姿な青年が対峙する幾許かの時を経て、青年が声をかけた。
「安心しろ。王国軍だ」
††
「こんな奇跡が起こるなんて思ってなかった。誰にも見つからない場所で静かに死ぬつもりだった。あなたに出逢ってから聖典を体内から取り出したことを後悔し始めた。あなたを信用していなかったし、ほんとうに助けてくれるなんて思ってなかった」
ロイドはユノアと添い寝をして自身の体温で彼女を温めた。
時折、彼女の白い髪を、透き通るような白い頬を撫でた。
ユノアの頬は、ベッド脇に飾られた十二本の緋色の薔薇の輝きを受けて煌めいて見えた。
震えは止まったが、ユノアはロイドと初めて出逢った時の夢を見ているのか、朦朧とした意識の中で、よどみなく囁き続けた。
「ドラゴンの背に乗せられた時よ。守護神グラファイトはわたしを見て厭わしげに身じろぎをした。人間よりも遥かに高等な生物なのよ。当然よね。それと同時に頭が混乱した。神に近い存在のドラゴンに指示を出すあなたの姿に、わけがわからなくなった。そんな人間がこの世に存在するなんてどうして信じられるの? ドラゴンの背に乗せられて空を飛んだ時はとても怖かった。落ちる怖さと、どこへ連れられて何をされるのかと。でも、あなたはずっと肩を抱いてくれていた」
ユノアのこの感傷は腕の痛みや熱による一種のせん妄なのか、と思ったが、ロイドはそうであって欲しくないと強く思った。
彼はユノアの問わず語りを黙って聞きながら、彼女の赤裸々な告白に自身もギルフォイでユノアと初めて出逢った時の衝撃に思いを馳せた。
二人は今、出逢った場所へ舞い戻り、同じ記憶を辿っていた。
「わたしは今まで自分の気持ちにちゃんとした理屈を嵌め込もうと躍起になっていたの。バラバラになったパズルのピースを一つずつ嵌め込むように。そして、正直な気持ちに蓋をして、もっともらしい理屈でパートナーシップを持ち出した。でもそれでは満足できないことにやっと気づいた。そう、もっと単純で明白な気持ちに気づいたの」
包帯の巻かれた腕を上げてロイドの裸の胸に手を置くと、ユノアは瞼を押し上げ潤んだオッドアイで彼の漆黒の瞳を見上げた。
彼女の柔らかな呼吸音と、肩と胸にかかる温かい息を感じたロイドは、押さえ込んでいる内なる何かが腹の底で蠢く感覚を覚えて唇を噛んだ。
「気を失う前、何か言おうとしてただろ?」
ロイドはユノアの掌の温もりを胸に感じながら、額に唇が届きそうなほど近づいて言った。
「ええ……、言おうとしたら、予想を遥かに上回る痛みに気絶してしまった」
ユノアはかすれた声でクスッと笑った。
「何を言おうとしてた?」
「あの時わたしは怒っていたのよ……。ほんとうに聞きたいの?」
「聞きたいね」
ユノアは困ったようにまつ毛を伏せると、聞き取れるか聞き取れないかの早口で囁いた。
その言葉はおよそユノアらしくない罵倒のセリフで、ロイドはあまりの表現に唇を歪めて不敵な笑みを漏らした。
いくら憤慨していたとはいえ、口にしてみると改めて酷い言葉だと思い、ユノアはうつむいた。
が、再び顔を上げると先ほどとは打って変わった力強い声音でこう言った。
「でも、今はこう言いたい。ロイ、わたしはあなたに恋をしている」
「ユノア、おれの中には、おれの知らない何かがいる」
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