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「ーーーーと、言うわけでして。せっかくすぐさま嫁入りして初夜になだれ込もうと思っておりましたのにおあずけでございます。お父様ったら婚約破棄とクロード様との結婚を承諾する代わりにクロード様が成人なさるまでは婚約者扱いとしておさわり禁止だなんて……私の目の前に人参がぶら下がっているのに手を出してはダメだなんて酷いと思いませんか?」
「俺は人参なのか」
「クロード様も残念でございましょう?」
「いや、君の父君に心の底より感謝する」
クロード様ったら、そんなに心底ホッとしたお顔をなさるなんて……とても可愛いですわ。
「まぁ、娘可愛さにクロード様への嫁入りを阻止してきたあのような父になんて慈悲深いお言葉を……。ですが成人するまでですよ?クロード様は現在12歳……いえ、もうすぐ13歳になられますわね。この国での成人は18歳からですから、クロード様は5年も私におさわり禁止ですのよ?年頃の男子として我慢できまして?」
「だからっ!お前こそ年頃の令嬢のくせになんてこと口にするんだっ?!そんっ、さ、触るわけないだろ?!」
あら、顔を真っ赤にして慌ててそんなことをおっしゃるなんて……。
「そうですわね。障害がある方が萌えますわ。でも、あんな父との約束など気にせず触りたくなったらいつでもおっしゃってくださいませ。ちなみに私はすでにものすごく触りたいです。その柔らかそうな美しい髪を撫でてもよろしいですか?」
「いいわけあるかぁ!」
全力で拒否られました。残念です。
「せっかくあれやこれやと計画してましたのに……。とにかく、今日から正式に婚約者としてこちらに通わせて頂きますわね。通い妻というのもそれはそれで萌えますし」
「……一体何をする気だったんだ」
「そんな事、口には出せませんわ」
あら、なぜクロード様はがっくりと肩を落としていらっしゃるのかしら?なにやらお疲れのご様子ですし……。もしかしたら眠いのかしら。
「お昼寝なさるなら添い寝いたしますわよ?」
「子供扱いするな。と言うか添い寝しようとするな。おい、何をジリジリと近づこうとしている?!」
「もういっそ一気に「はい姉上、そこまで!」……なぜあなたがここにいるの?ヘンリー」
クロード様に近寄ろうとする私の顔がやたら分厚い書類の束にぶつかった。せっかくクロード様と2人きりだと思っていたのにとんだお邪魔虫がいたものだ。「使用人が困ってるじゃないですか、はしたない真似はやめてください。姉上」そうでした、執事や侍女がいました。これは失礼。
「私の目にはクロード様しかうつっていなかったから仕方無いですわ」
「その獲物を狙うハンターな目にですか?」
「そうよ。私の旦那様はこの世で1番素敵ですもの」
「その未来の旦那様にセクハラで訴えられる前におとなしくしていないとロープで縛って穴に埋めますよ」
「クロード様が望むなら特殊プレイだってどんとこーい!「いいから黙れ、バカ姉」……ごめんなさい」
ヘンリーは本気で怒ると怖いのよね。これ以上ふざけたら(本気だけど)本当にぐるぐる巻きにされてその辺に転がされてしまうわ。全くあの子は私をなんだと思っているのかしら?(たぶん変態だと思われている)
あらそういえば、あの子ったら何の書類を持ってきたのでしょうか?
「俺は人参なのか」
「クロード様も残念でございましょう?」
「いや、君の父君に心の底より感謝する」
クロード様ったら、そんなに心底ホッとしたお顔をなさるなんて……とても可愛いですわ。
「まぁ、娘可愛さにクロード様への嫁入りを阻止してきたあのような父になんて慈悲深いお言葉を……。ですが成人するまでですよ?クロード様は現在12歳……いえ、もうすぐ13歳になられますわね。この国での成人は18歳からですから、クロード様は5年も私におさわり禁止ですのよ?年頃の男子として我慢できまして?」
「だからっ!お前こそ年頃の令嬢のくせになんてこと口にするんだっ?!そんっ、さ、触るわけないだろ?!」
あら、顔を真っ赤にして慌ててそんなことをおっしゃるなんて……。
「そうですわね。障害がある方が萌えますわ。でも、あんな父との約束など気にせず触りたくなったらいつでもおっしゃってくださいませ。ちなみに私はすでにものすごく触りたいです。その柔らかそうな美しい髪を撫でてもよろしいですか?」
「いいわけあるかぁ!」
全力で拒否られました。残念です。
「せっかくあれやこれやと計画してましたのに……。とにかく、今日から正式に婚約者としてこちらに通わせて頂きますわね。通い妻というのもそれはそれで萌えますし」
「……一体何をする気だったんだ」
「そんな事、口には出せませんわ」
あら、なぜクロード様はがっくりと肩を落としていらっしゃるのかしら?なにやらお疲れのご様子ですし……。もしかしたら眠いのかしら。
「お昼寝なさるなら添い寝いたしますわよ?」
「子供扱いするな。と言うか添い寝しようとするな。おい、何をジリジリと近づこうとしている?!」
「もういっそ一気に「はい姉上、そこまで!」……なぜあなたがここにいるの?ヘンリー」
クロード様に近寄ろうとする私の顔がやたら分厚い書類の束にぶつかった。せっかくクロード様と2人きりだと思っていたのにとんだお邪魔虫がいたものだ。「使用人が困ってるじゃないですか、はしたない真似はやめてください。姉上」そうでした、執事や侍女がいました。これは失礼。
「私の目にはクロード様しかうつっていなかったから仕方無いですわ」
「その獲物を狙うハンターな目にですか?」
「そうよ。私の旦那様はこの世で1番素敵ですもの」
「その未来の旦那様にセクハラで訴えられる前におとなしくしていないとロープで縛って穴に埋めますよ」
「クロード様が望むなら特殊プレイだってどんとこーい!「いいから黙れ、バカ姉」……ごめんなさい」
ヘンリーは本気で怒ると怖いのよね。これ以上ふざけたら(本気だけど)本当にぐるぐる巻きにされてその辺に転がされてしまうわ。全くあの子は私をなんだと思っているのかしら?(たぶん変態だと思われている)
あらそういえば、あの子ったら何の書類を持ってきたのでしょうか?
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