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落ちこぼれ魔女と悪役令嬢②
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「これはユーリも知らない事なんだけどーーーー実は私、中身が男なんだよね」
“なかみがおとこ”
おとこ?男?へ?中身?
あまりの混乱に思わずオフィーリアの胸を凝視してしまった。
まさか、アレは偽物なのだろうか?
「あ、違う違う」
私の失礼過ぎる視線に気付いたオフィーリアは上品に笑いながら手のひらを横に振った。
「体は女だよ。産まれた時から正真正銘の天然物。……君はユーリの事を聞いてると思うけど、私も前世の記憶があるんだ。
その前世で私は男だったんだけど、記憶を思い出したら精神も男に戻っちゃってね。今、非常に困ってるんだよ」
全く困って無さそうに「ふふふ」と笑うと、優雅な仕草で紅茶をひと口飲んだ。
「……ユーリと同じなんですか?」
「性別の事以外ならたぶん同じだよ」
気が付くとオフィーリアの話し方が変化している。その自然な雰囲気に嘘ではないと受け入れることが出来た。
「では……あなたもこの世界がゲームの世界だと言うのですね?ユーリの妄想じゃなくて」
「そうだよ。ユーリは馬鹿だけど素直な奴なんだ。でも馬鹿正直過ぎるから、ゲームのその後の事まで考えてない。とにかくヒロインと結ばれてハッピーエンドにさえなれれば大丈夫だと思ってる。だから替え玉なんて馬鹿な事をするんだよね」
嘘ではないとわかってる。オフィーリアの言葉は素直に信じられた。別にユーリの事を全く信じていなかったわけでもないけど(あんまり信じてもいないけど)改めて言われるとやはり複雑な気持ちになってしまった。
「あの……それじゃあ、駆け落ちしたのはその悪役令嬢の運命から逃れるためだったんですよね?なぜ戻ってきたんですか?」
ユーリの言ってた事が真実ならば、オフィーリアの将来は決まっている。わざわざ冤罪で断罪されるために戻ってきたとは思えない。
「あぁ、それは……。なんと言うか、別に駆け落ちとかそんなんじゃなかったんだけどね。
ーーーー君を探しに行ってたんだよ、ルルーシェラ。君こそ私の運命を変える為の最重要人物……シークレットキャラクターだったんだ」
にっこりと、とんでもない事を言うオフィーリア。その笑顔は優雅で美しく端から見れば完璧な公爵令嬢の微笑みだが、なんだがとんでもなく恐ろしい圧を感じてしまった。
「は?私?しーくれっときゃら……ってなんですかそれ?!」
あまりの圧に恐怖を感じ思わず聞いてしまったが、聞かなきゃ良かったと思ってしまったのだった。
「君は、私……オフィーリア・カサンドラの生き別れの双子の妹なんだよ」
もう、意味がわからない……!
“なかみがおとこ”
おとこ?男?へ?中身?
あまりの混乱に思わずオフィーリアの胸を凝視してしまった。
まさか、アレは偽物なのだろうか?
「あ、違う違う」
私の失礼過ぎる視線に気付いたオフィーリアは上品に笑いながら手のひらを横に振った。
「体は女だよ。産まれた時から正真正銘の天然物。……君はユーリの事を聞いてると思うけど、私も前世の記憶があるんだ。
その前世で私は男だったんだけど、記憶を思い出したら精神も男に戻っちゃってね。今、非常に困ってるんだよ」
全く困って無さそうに「ふふふ」と笑うと、優雅な仕草で紅茶をひと口飲んだ。
「……ユーリと同じなんですか?」
「性別の事以外ならたぶん同じだよ」
気が付くとオフィーリアの話し方が変化している。その自然な雰囲気に嘘ではないと受け入れることが出来た。
「では……あなたもこの世界がゲームの世界だと言うのですね?ユーリの妄想じゃなくて」
「そうだよ。ユーリは馬鹿だけど素直な奴なんだ。でも馬鹿正直過ぎるから、ゲームのその後の事まで考えてない。とにかくヒロインと結ばれてハッピーエンドにさえなれれば大丈夫だと思ってる。だから替え玉なんて馬鹿な事をするんだよね」
嘘ではないとわかってる。オフィーリアの言葉は素直に信じられた。別にユーリの事を全く信じていなかったわけでもないけど(あんまり信じてもいないけど)改めて言われるとやはり複雑な気持ちになってしまった。
「あの……それじゃあ、駆け落ちしたのはその悪役令嬢の運命から逃れるためだったんですよね?なぜ戻ってきたんですか?」
ユーリの言ってた事が真実ならば、オフィーリアの将来は決まっている。わざわざ冤罪で断罪されるために戻ってきたとは思えない。
「あぁ、それは……。なんと言うか、別に駆け落ちとかそんなんじゃなかったんだけどね。
ーーーー君を探しに行ってたんだよ、ルルーシェラ。君こそ私の運命を変える為の最重要人物……シークレットキャラクターだったんだ」
にっこりと、とんでもない事を言うオフィーリア。その笑顔は優雅で美しく端から見れば完璧な公爵令嬢の微笑みだが、なんだがとんでもなく恐ろしい圧を感じてしまった。
「は?私?しーくれっときゃら……ってなんですかそれ?!」
あまりの圧に恐怖を感じ思わず聞いてしまったが、聞かなきゃ良かったと思ってしまったのだった。
「君は、私……オフィーリア・カサンドラの生き別れの双子の妹なんだよ」
もう、意味がわからない……!
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