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3: 男爵令嬢の変化
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登校中の生徒たちがざわめき、怪訝な視線が集中すると、ジェットは居心地が悪そうに舌打ちをした。
そして「こんな女など知るか!」と悪態をついてその場から逃げるように立ち去ってしまったのだ。
あまりの態度にいくらなんでも酷すぎると、その場にいたほとんどの者が思った。
ジェットは自身の婚約者を突き飛ばし泣かせた上に、手も差し出さなければ謝りもせずに置き去りにしたのだ。もしもジェットがこの場だけでも取り繕っていればまだ単なる痴話喧嘩でおさめられたかもしれないが、周りの目にはこのふたりの関係がどう見えたかなど説明するまでもないだろう。特に令息たちは親から婚約者が出来た時は大切に扱うように厳しく言いつけられている。政略結婚の相手とはいえ、それは家の為でありしいては国の為になる結婚相手なのだ。軽んじていいはずがない。それが貴族の男の義務なのだ。彼らの目にジェットはその義務を放棄した愚か者にしか見えなかった。
「皆様、お騒がせしてしまい申し訳ありません……。私は大丈夫ですので、どうかお気になさらないで下さい」
ひとりで立ち上がり、目元をそっとハンカチで拭いながらリリアナが頭を下げる。婚約者に虐げられていても健気に笑みを作るが、赤くなった目元には未だ涙が残っていた。その姿は庇護欲をそそり、リリアナに釘付けになる視線はひとつやふたつではなかっただろう。
リリアナがその場を去った後は、ほのかに花の香が漂っていた。
***
「うーん、最初はこんなもんかな?」
校舎の裏まで足を進め、誰もいないのを確認するとリリアナの雰囲気ががらりと変わった。ゴキゴキと肩を回し「あー、肩凝った」と胡座をかいて芝生に座っている。
パチン!と指を鳴らせば体が淡く輝き出す。光が収まる頃には涙も消え赤くなった目元はすっかり元通りになっていた。それは見るものが見れば、使える者はほとんどいないと言われている希少な魔法の類だとわかるだろう。
儚げな可憐な少女がするとは思えないような格好でリリアナはにやりと笑った。
「あのゲス野郎の驚いた顔見たか?傑作だったな」
そして、その声に反応するかのようにリリアナの頭の中に〈声〉が響いたのだが……。
『なんてことしてくれたんですかぁっ?!あんな目立つことするなんて、またイジメられちゃいます!』
ぽわっと、淡い光の塊がリリアナから飛び出し、それは朧気な人の形と変化した。
そう、それは……向日葵色の髪をしたリリアナの姿になったのだ。顔色を悪くした朧気なリリアナが、にやりと笑っているもうひとりの不遜な態度のリリアナをぽかすかと殴るが、その拳はリリアナの体に当たることはなくすり抜けた。
「なに怒ってるんだよ?っていうか、勝手に出てくんなよな」
そう言って目の前の“リリアナ”を抱き締め、体の中に戻すと、リリアナは「大丈夫だ」と呟いた。
「オレが助けてやるから」
あの日、リリアナは確かに毒を飲んだ。
家族や侍女たちには「体調不良は寝不足が原因だからとにかく眠りたい」と出来るだけ部屋には越させないようにしていたし、あの夜はみんな流星群に夢中で星が尽きるまで誰かがリリアナの部屋に訪ねてくる可能性は低い。発見さえ遅れればきっと死ねる。リリアナはそう確信していた。
だが、ひとりだけリリアナの動向を見守る者がいたのだ。
それはリリアナにとって幸運か不運かはわからないが、その者はリリアナの現状にヤキモキしていて『あぁ、もう。見てらんねぇな』と痺れを切らした。
次の瞬間、リリアナは体を乗っ取られた。そしてあっという間に毒を解毒されてしまった。だが、違う魂が無理やり体に入ってきたショックで朝まで寝込み……体の主導権を奪われてしまったのである。
リリアナの精神はこの数日、ずっと内側から見ていた。この人物はリリアナの体を勝手に動かし、リリアナなら言わないような事ばかり口にする。リリアナは内側からずっとハラハラしながら見ているしかなかった。
「髪と肌を整えたいから、美容グッズを揃えたいの」
リリアナは驚愕した。普段の自分なら絶対に口にしない言葉だからだ。なぜなら美容グッズは高額で、婚約者であるジェットに使用を禁止されていたからである。そんな無駄なお金があるなら支援の金額を増やして欲しい。とお願いされ、それ以降リリアナは節約の為に1番安い石鹸だけを使い化粧水もやめた。髪や肌がパサパサになってもその分ジェットに多く支援金を渡せれば「これで少しでも早く一人前になれるよ。ありがとう」と笑顔を見れたからだ。
『な、なんてことを……』
心の内側でひとり慌てるリリアナをよそに、侍女たちはなぜか大喜びだった。「やっとお嬢様がその気になってくれた!」と高価な美容グッズを揃え、たった二日しかない休日でリリアナを磨き上げたのだった。
リリアナは確かにキレイになった。同じ向日葵色とはいえぱさついていたせいかどんよりしていた髪が艶々になり、ほのかに甘い花の香りがする。せっかく隠すために伸ばしていた前髪は短く切られ、くるんと巻かれてしまう。これでは地味でみっともない瞳がまる見えだと慌てれば、肌が白く輝いているせいなのかクリクリとした大きな瞳が可愛らしく見えた。
『え、これは誰なの……』
爪先まで磨かれた鏡にうつる人物は、まるで別人だって。ついこの間までの地味でいつも下を向いていたリリアナはもういなかったのだ。しかし、リリアナはやはりお金の事が気になっていた。この二日間で使った美容グッズの金額はかなりのものだ。お父様が怒っているかもしれない。子爵家に渡す支援金が足りなくなったらどうしよう。と。
しかし両親の反応は予想と違った。
「やっとその気になってくれてどんなに嬉しかったか!うむ、美しいぞ!さすがは我が娘だ」
「リリアナは磨けば光ると思っていましたけれど、頑なに嫌がるから思春期の反抗かと思って諦めていましたのに。やはり女の子ですもの、キレイになることに興味を持ってくれたのね!感激だわぁっ」
なんと両親は、私のおしゃれ費用として別にお金を貯めておいてくれたのだ。おしゃれを拒んでいたこの数年分のその費用はかなりの金額になっていた。なので私が化粧品が欲しいと強請れば大喜びで商人を呼んで人気の化粧品や香油を揃えてくれたようだった。両親と侍女たちは私がオシャレに目ざめてくれたと、一緒になって喜んでいた。
「お前、両親や使用人に愛されてるんだな……」
鏡に向かってリリアナがそう呟く。それは、たぶん私に言った言葉だろう。しかしその声のトーンは低い。きっと、後に続く言葉は「それなのに、なぜ毒なんて飲んだんだ」だろうか。
『……私にとって、ジェットとの婚約は人生の全てだったの』
私がジェットと結婚して子爵夫人になることが両親の望みなのだ。たが、そのジェットは公爵令嬢を愛している。爵位の低いこちらから婚約破棄するのはかなりの労力がいるし、もしもそのまま結婚してもよりツラい目に合うのはわかり切っている。どのみち近い将来に捨てられてしまうのだ。それも最悪の形で。それならば今のうちに楽になりたかった。そう、私は逃げたのだ。だって、あんなキレイな公爵令嬢に男爵令嬢の私が勝てるはずもない。
『……だって、もう疲れちゃったの。ジェットの婚約者でいるのも、ジェットの恋人である公爵令嬢からイジメられるのも……男爵令嬢の私が何を言ってもきっと誰も相手にしてくれないもの』
言い訳するように呟く。すると、私の体が鏡に向かってにやりと笑った。
「よーし、そんじゃその婚約者だって言うゲス野郎からお仕置きしてやろうか」と。
私が必死に止めるも効果はなく、先程の惨状となってしまったわけである。まさか、あんな大勢の前であんなことをしでかすなんて!
『男爵令嬢が目立つと、いい事ないんですってばぁっ』
これまで散々「男爵令嬢のくせに」とイジメられてきた事を知っているくせに、なぜこんな暴挙に出るのか、私には理解不能だった。
こうして、私の体を乗っ取った魔法が使えるらしい不思議な人との共同生活が始まったのであった。
そして「こんな女など知るか!」と悪態をついてその場から逃げるように立ち去ってしまったのだ。
あまりの態度にいくらなんでも酷すぎると、その場にいたほとんどの者が思った。
ジェットは自身の婚約者を突き飛ばし泣かせた上に、手も差し出さなければ謝りもせずに置き去りにしたのだ。もしもジェットがこの場だけでも取り繕っていればまだ単なる痴話喧嘩でおさめられたかもしれないが、周りの目にはこのふたりの関係がどう見えたかなど説明するまでもないだろう。特に令息たちは親から婚約者が出来た時は大切に扱うように厳しく言いつけられている。政略結婚の相手とはいえ、それは家の為でありしいては国の為になる結婚相手なのだ。軽んじていいはずがない。それが貴族の男の義務なのだ。彼らの目にジェットはその義務を放棄した愚か者にしか見えなかった。
「皆様、お騒がせしてしまい申し訳ありません……。私は大丈夫ですので、どうかお気になさらないで下さい」
ひとりで立ち上がり、目元をそっとハンカチで拭いながらリリアナが頭を下げる。婚約者に虐げられていても健気に笑みを作るが、赤くなった目元には未だ涙が残っていた。その姿は庇護欲をそそり、リリアナに釘付けになる視線はひとつやふたつではなかっただろう。
リリアナがその場を去った後は、ほのかに花の香が漂っていた。
***
「うーん、最初はこんなもんかな?」
校舎の裏まで足を進め、誰もいないのを確認するとリリアナの雰囲気ががらりと変わった。ゴキゴキと肩を回し「あー、肩凝った」と胡座をかいて芝生に座っている。
パチン!と指を鳴らせば体が淡く輝き出す。光が収まる頃には涙も消え赤くなった目元はすっかり元通りになっていた。それは見るものが見れば、使える者はほとんどいないと言われている希少な魔法の類だとわかるだろう。
儚げな可憐な少女がするとは思えないような格好でリリアナはにやりと笑った。
「あのゲス野郎の驚いた顔見たか?傑作だったな」
そして、その声に反応するかのようにリリアナの頭の中に〈声〉が響いたのだが……。
『なんてことしてくれたんですかぁっ?!あんな目立つことするなんて、またイジメられちゃいます!』
ぽわっと、淡い光の塊がリリアナから飛び出し、それは朧気な人の形と変化した。
そう、それは……向日葵色の髪をしたリリアナの姿になったのだ。顔色を悪くした朧気なリリアナが、にやりと笑っているもうひとりの不遜な態度のリリアナをぽかすかと殴るが、その拳はリリアナの体に当たることはなくすり抜けた。
「なに怒ってるんだよ?っていうか、勝手に出てくんなよな」
そう言って目の前の“リリアナ”を抱き締め、体の中に戻すと、リリアナは「大丈夫だ」と呟いた。
「オレが助けてやるから」
あの日、リリアナは確かに毒を飲んだ。
家族や侍女たちには「体調不良は寝不足が原因だからとにかく眠りたい」と出来るだけ部屋には越させないようにしていたし、あの夜はみんな流星群に夢中で星が尽きるまで誰かがリリアナの部屋に訪ねてくる可能性は低い。発見さえ遅れればきっと死ねる。リリアナはそう確信していた。
だが、ひとりだけリリアナの動向を見守る者がいたのだ。
それはリリアナにとって幸運か不運かはわからないが、その者はリリアナの現状にヤキモキしていて『あぁ、もう。見てらんねぇな』と痺れを切らした。
次の瞬間、リリアナは体を乗っ取られた。そしてあっという間に毒を解毒されてしまった。だが、違う魂が無理やり体に入ってきたショックで朝まで寝込み……体の主導権を奪われてしまったのである。
リリアナの精神はこの数日、ずっと内側から見ていた。この人物はリリアナの体を勝手に動かし、リリアナなら言わないような事ばかり口にする。リリアナは内側からずっとハラハラしながら見ているしかなかった。
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リリアナは驚愕した。普段の自分なら絶対に口にしない言葉だからだ。なぜなら美容グッズは高額で、婚約者であるジェットに使用を禁止されていたからである。そんな無駄なお金があるなら支援の金額を増やして欲しい。とお願いされ、それ以降リリアナは節約の為に1番安い石鹸だけを使い化粧水もやめた。髪や肌がパサパサになってもその分ジェットに多く支援金を渡せれば「これで少しでも早く一人前になれるよ。ありがとう」と笑顔を見れたからだ。
『な、なんてことを……』
心の内側でひとり慌てるリリアナをよそに、侍女たちはなぜか大喜びだった。「やっとお嬢様がその気になってくれた!」と高価な美容グッズを揃え、たった二日しかない休日でリリアナを磨き上げたのだった。
リリアナは確かにキレイになった。同じ向日葵色とはいえぱさついていたせいかどんよりしていた髪が艶々になり、ほのかに甘い花の香りがする。せっかく隠すために伸ばしていた前髪は短く切られ、くるんと巻かれてしまう。これでは地味でみっともない瞳がまる見えだと慌てれば、肌が白く輝いているせいなのかクリクリとした大きな瞳が可愛らしく見えた。
『え、これは誰なの……』
爪先まで磨かれた鏡にうつる人物は、まるで別人だって。ついこの間までの地味でいつも下を向いていたリリアナはもういなかったのだ。しかし、リリアナはやはりお金の事が気になっていた。この二日間で使った美容グッズの金額はかなりのものだ。お父様が怒っているかもしれない。子爵家に渡す支援金が足りなくなったらどうしよう。と。
しかし両親の反応は予想と違った。
「やっとその気になってくれてどんなに嬉しかったか!うむ、美しいぞ!さすがは我が娘だ」
「リリアナは磨けば光ると思っていましたけれど、頑なに嫌がるから思春期の反抗かと思って諦めていましたのに。やはり女の子ですもの、キレイになることに興味を持ってくれたのね!感激だわぁっ」
なんと両親は、私のおしゃれ費用として別にお金を貯めておいてくれたのだ。おしゃれを拒んでいたこの数年分のその費用はかなりの金額になっていた。なので私が化粧品が欲しいと強請れば大喜びで商人を呼んで人気の化粧品や香油を揃えてくれたようだった。両親と侍女たちは私がオシャレに目ざめてくれたと、一緒になって喜んでいた。
「お前、両親や使用人に愛されてるんだな……」
鏡に向かってリリアナがそう呟く。それは、たぶん私に言った言葉だろう。しかしその声のトーンは低い。きっと、後に続く言葉は「それなのに、なぜ毒なんて飲んだんだ」だろうか。
『……私にとって、ジェットとの婚約は人生の全てだったの』
私がジェットと結婚して子爵夫人になることが両親の望みなのだ。たが、そのジェットは公爵令嬢を愛している。爵位の低いこちらから婚約破棄するのはかなりの労力がいるし、もしもそのまま結婚してもよりツラい目に合うのはわかり切っている。どのみち近い将来に捨てられてしまうのだ。それも最悪の形で。それならば今のうちに楽になりたかった。そう、私は逃げたのだ。だって、あんなキレイな公爵令嬢に男爵令嬢の私が勝てるはずもない。
『……だって、もう疲れちゃったの。ジェットの婚約者でいるのも、ジェットの恋人である公爵令嬢からイジメられるのも……男爵令嬢の私が何を言ってもきっと誰も相手にしてくれないもの』
言い訳するように呟く。すると、私の体が鏡に向かってにやりと笑った。
「よーし、そんじゃその婚約者だって言うゲス野郎からお仕置きしてやろうか」と。
私が必死に止めるも効果はなく、先程の惨状となってしまったわけである。まさか、あんな大勢の前であんなことをしでかすなんて!
『男爵令嬢が目立つと、いい事ないんですってばぁっ』
これまで散々「男爵令嬢のくせに」とイジメられてきた事を知っているくせに、なぜこんな暴挙に出るのか、私には理解不能だった。
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