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第五話 忘れられない人がいるあなたへ
忘れないでいよう
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女将詩乃さんの言う通り、早苗さんはそれから一週間後に本当に京都和み堂書店までやって来た。しかも、早苗さん一人ではなく、旦那さんも一緒だった。
「こんにちは」
旦那さんの後ろで、小さく頭を下げた早苗さんを見て、私は「ああ、本当に詩乃さんの言う通りだ」と思った。
「先日は、大変失礼しました」
「いえいえ」
「でも、本当に店員さんや他のお客さんに迷惑をかけてしまって……」
「もういいんです。特に被害もなかったですし。強いて言えば『星やどりの声』の帯が破れただけですしね」
帯の破れも今となっては笑い話! というようなテンションで、私は彼らに向かって笑いかけた。仮にもお客さんに、変な気を遣わせたくないから。
「ああ、そのことなんです。今日二人で来たのは」
男性は、ほら、と後ろで居心地悪そうに下を向いていた早苗さんの肩をポンと軽く叩く。
「その……この間は、電話でひどいことを言って、ごめんなさい……」
開口一番、彼女が謝罪の言葉を発したので、私は驚いてしまう。
「いえ、そんな」
確かに、グサリと心に突き刺さるような辛辣な言葉だった。でも、私がもし彼女と同じ立場に立っていて、大切な人を失ってからまだ間もないとしたら、とてもじゃないけれど、他人に気まで遣う余裕なんてない。だから、彼女のすごさが分かってしまった。
「あなたは全然関係ないのに。私たちとも……娘とも。それなのに、理解できないなんて言ってしまって、ごめんなさい」
今度は早苗さんだけでなく、旦那さんの方も一緒に頭を下げる。
「私、本当は好きなんです……」
「え?」
「本当は、小説が好きなんです」
「ああ、そうだったんですね」
大切なものを本当に大切に、愛おしむような口ぶりで、彼女は話し出した。
小説が好きだった。
毎日、暇があればいつでも本を読んでいた。
でも、あの日娘が死んでしまってから、めっきり本に手が伸びなくなった。
本を読んだって、気が紛れることもない。それがもし幸せな話だったらなおさら辛くなる。
だからどうしても本を開くことができなかった。
そして一週間前のあの日、夫が私をこの書店に連れて来た時、本当に腹が立って仕方がなかった。だって、大好きなのに触れられない本たちがたくさん並んでいるんですもの。そんな場所に、今の自分はふさわしくない。
本に触れたい。
でも、いざたくさんの本を目の前にしたら、やっぱりこの本の中に自分の心の傷を癒してくれるものなんて、一つもないと思ってしまったから。
だから本棚に八つ当たりなんかしてしまった。
最低だと思った。その行為が、書店員さんやここにいるお客さんを傷つけてしまうこと。 そして何より、自分を傷つけてしまうこと。全部知っていた。
自己嫌悪に陥りながら家に帰って、そこで夫に本を渡されたのがまた、罪悪感を募らせた。
だってその本は、私が一番好きな本だったから。
娘が生まれた後、病院のベッドの上で読んで、何度も泣いてしまった小説だったから。
「『星やどりの声』は、お父さんを亡くした六人兄弟と母親のお話で……。父親が残した店を守って生活してて、明るい家族なのに……彼がいない悲しみを、皆それぞれ胸にしまって生きてる……」
でもやっぱり、悲しいのが、溢れてしまうことがある。
母親と一緒に兄弟の世話を一心に背負ってしまう長女にも。
父親と一緒に叶えたかった夢を持つ次女たちにも。
進路に悩む長男、バカみたいに振る舞っている次男にも。
一番父親との思い出が少ない三男にも。
そして、彼が残した店を守る母親にも。
「それぞれの気持ちが溢れて辛くなる瞬間に、それを読んでいた私も、娘が生まれた嬉しさに満たされているはずなのに、病院のベッドの上で泣いてしまって……」
悲しくて仕方がなくて。
辛い気持ちを周りに気づかれまいとする家族みんなの努力が、より一層切なくて。
「本当に泣いて泣いて、でも、最後に父親が残した仕掛けに、心がじわっと温かくなったんです。だからこの本を読
んだ時の感動を、もう一度思い出したくて……あなたと電話した後に、もう一度読みました」
そうしたら今度は、この物語が違う物語みたいに思えてきて。
娘が死んでしまった今、朝井リョウの『星やどりの声』は、大切だったのに失ってしまった人を忘れるんじゃなくて、その人をずっと忘れずにいようって思わせてくれる物語だと感じたんです。
「下を向いて生きるんじゃなくて、娘のことを忘れずに、娘を想いながら、だけどもう振り返らずに前を向いて生きなくちゃいけないって、思い出させてくれたんです」
そこには、先日ヒステリックに叫びながら京都和み堂書店に入って来た彼女とは全然違う彼女がいた。
この女性は、早苗さんという人は、本当はこんなに凜とした表情をした人なんだと、そこで初めて知った。それから、本が好きだということ。本を愛して生きてきた人だということ。
それが分かっただけで、私はもう十分だった。
「娘はもういないけれど……、これからは夫と一緒に、また明るい家庭での生活を送れるように、前を向いて生きなきゃダメね」
娘のことを忘れずに。
そう付け加えて、二人揃って深々と私に頭を下げる。
私は思う。母親って、こんなに強いものなのかと。大事な娘さんが亡くなって辛くて苦しくて、それでも前を向くと決意して。
確かに物語が彼女を元の姿に変えてくれたというのもあるけれど、これってもう、彼女自身の強さなのではないだろうか。
「ありがとうございます。お二人が来てくださって、本当に良かったです」
忘れられない人を、忘れなければと思い込むこと。それはとても苦しくて辛い。忘れても忘れなくても、どっちも悲しい。
でも、忘れないでいようと、自分で選択すること。
状況は変わらなくたって、こんなにも世界の見方は変わるのだ。
だから、忘れられない人がいて、その人を忘れなくちゃいけないと苦しんでる人がいたら、私はこう伝えるだろう。
その人のことを、あなたはずっと忘れないでいればいいんだよって。
忘れられない人がいるあなたへ
朝井リョウ著『星やどりの声』はいかがでしょう?
「こんにちは」
旦那さんの後ろで、小さく頭を下げた早苗さんを見て、私は「ああ、本当に詩乃さんの言う通りだ」と思った。
「先日は、大変失礼しました」
「いえいえ」
「でも、本当に店員さんや他のお客さんに迷惑をかけてしまって……」
「もういいんです。特に被害もなかったですし。強いて言えば『星やどりの声』の帯が破れただけですしね」
帯の破れも今となっては笑い話! というようなテンションで、私は彼らに向かって笑いかけた。仮にもお客さんに、変な気を遣わせたくないから。
「ああ、そのことなんです。今日二人で来たのは」
男性は、ほら、と後ろで居心地悪そうに下を向いていた早苗さんの肩をポンと軽く叩く。
「その……この間は、電話でひどいことを言って、ごめんなさい……」
開口一番、彼女が謝罪の言葉を発したので、私は驚いてしまう。
「いえ、そんな」
確かに、グサリと心に突き刺さるような辛辣な言葉だった。でも、私がもし彼女と同じ立場に立っていて、大切な人を失ってからまだ間もないとしたら、とてもじゃないけれど、他人に気まで遣う余裕なんてない。だから、彼女のすごさが分かってしまった。
「あなたは全然関係ないのに。私たちとも……娘とも。それなのに、理解できないなんて言ってしまって、ごめんなさい」
今度は早苗さんだけでなく、旦那さんの方も一緒に頭を下げる。
「私、本当は好きなんです……」
「え?」
「本当は、小説が好きなんです」
「ああ、そうだったんですね」
大切なものを本当に大切に、愛おしむような口ぶりで、彼女は話し出した。
小説が好きだった。
毎日、暇があればいつでも本を読んでいた。
でも、あの日娘が死んでしまってから、めっきり本に手が伸びなくなった。
本を読んだって、気が紛れることもない。それがもし幸せな話だったらなおさら辛くなる。
だからどうしても本を開くことができなかった。
そして一週間前のあの日、夫が私をこの書店に連れて来た時、本当に腹が立って仕方がなかった。だって、大好きなのに触れられない本たちがたくさん並んでいるんですもの。そんな場所に、今の自分はふさわしくない。
本に触れたい。
でも、いざたくさんの本を目の前にしたら、やっぱりこの本の中に自分の心の傷を癒してくれるものなんて、一つもないと思ってしまったから。
だから本棚に八つ当たりなんかしてしまった。
最低だと思った。その行為が、書店員さんやここにいるお客さんを傷つけてしまうこと。 そして何より、自分を傷つけてしまうこと。全部知っていた。
自己嫌悪に陥りながら家に帰って、そこで夫に本を渡されたのがまた、罪悪感を募らせた。
だってその本は、私が一番好きな本だったから。
娘が生まれた後、病院のベッドの上で読んで、何度も泣いてしまった小説だったから。
「『星やどりの声』は、お父さんを亡くした六人兄弟と母親のお話で……。父親が残した店を守って生活してて、明るい家族なのに……彼がいない悲しみを、皆それぞれ胸にしまって生きてる……」
でもやっぱり、悲しいのが、溢れてしまうことがある。
母親と一緒に兄弟の世話を一心に背負ってしまう長女にも。
父親と一緒に叶えたかった夢を持つ次女たちにも。
進路に悩む長男、バカみたいに振る舞っている次男にも。
一番父親との思い出が少ない三男にも。
そして、彼が残した店を守る母親にも。
「それぞれの気持ちが溢れて辛くなる瞬間に、それを読んでいた私も、娘が生まれた嬉しさに満たされているはずなのに、病院のベッドの上で泣いてしまって……」
悲しくて仕方がなくて。
辛い気持ちを周りに気づかれまいとする家族みんなの努力が、より一層切なくて。
「本当に泣いて泣いて、でも、最後に父親が残した仕掛けに、心がじわっと温かくなったんです。だからこの本を読
んだ時の感動を、もう一度思い出したくて……あなたと電話した後に、もう一度読みました」
そうしたら今度は、この物語が違う物語みたいに思えてきて。
娘が死んでしまった今、朝井リョウの『星やどりの声』は、大切だったのに失ってしまった人を忘れるんじゃなくて、その人をずっと忘れずにいようって思わせてくれる物語だと感じたんです。
「下を向いて生きるんじゃなくて、娘のことを忘れずに、娘を想いながら、だけどもう振り返らずに前を向いて生きなくちゃいけないって、思い出させてくれたんです」
そこには、先日ヒステリックに叫びながら京都和み堂書店に入って来た彼女とは全然違う彼女がいた。
この女性は、早苗さんという人は、本当はこんなに凜とした表情をした人なんだと、そこで初めて知った。それから、本が好きだということ。本を愛して生きてきた人だということ。
それが分かっただけで、私はもう十分だった。
「娘はもういないけれど……、これからは夫と一緒に、また明るい家庭での生活を送れるように、前を向いて生きなきゃダメね」
娘のことを忘れずに。
そう付け加えて、二人揃って深々と私に頭を下げる。
私は思う。母親って、こんなに強いものなのかと。大事な娘さんが亡くなって辛くて苦しくて、それでも前を向くと決意して。
確かに物語が彼女を元の姿に変えてくれたというのもあるけれど、これってもう、彼女自身の強さなのではないだろうか。
「ありがとうございます。お二人が来てくださって、本当に良かったです」
忘れられない人を、忘れなければと思い込むこと。それはとても苦しくて辛い。忘れても忘れなくても、どっちも悲しい。
でも、忘れないでいようと、自分で選択すること。
状況は変わらなくたって、こんなにも世界の見方は変わるのだ。
だから、忘れられない人がいて、その人を忘れなくちゃいけないと苦しんでる人がいたら、私はこう伝えるだろう。
その人のことを、あなたはずっと忘れないでいればいいんだよって。
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