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敵襲
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楽しい時間ほど早く過ぎ去るもの、ウルリカ様達は海水浴を終え、デナリウス宮殿で一休みしていた。一日遊んで大満足、と思いきや様子のおかしな二人のちびっ子。
「むへぇ……ヒリヒリするのじゃ……」
「ふぐぅ……ヒリヒリするっす……」
ウルリカ様とアンナマリアは、二人並んでグッタリと倒れていた。二人の肌はこんがり小麦色、どうやら激しく日焼けしてしまったらしい。下着姿でごろんと寝そべり、全身を氷で冷やしている。
「やれやれですわ、日焼け対策を怠るからですの」
「日焼けしたウルウルも可愛らしいわ、もっと冷やしてあげるわね」
「ヒンヤリなのじゃ……でもヒリヒリするのじゃ……」
「エリッサちゃん、私も冷やしてほしいっす……」
上半身は素っ裸、下半身は下着一枚。二人して無防備なものだ、男子は目のやり場に困って仕方ない。しかし二人はまったく気にしていない、というより身だしなみに気を配る余裕はない。大量の氷に埋もれたまま、ピクリとも動かなくなってしまう。
「むうぅ……、すやぁ……すやぁ……」
「ううぅ……、むにゃむにゃっす……」
遊びの疲れと氷の心地よさで、揃って寝てしまったよう。日焼けという失敗はあったものの、これ以上ないほど海水浴を満喫したウルリカ様とアンナマリアなのであった。
✡ ✡ ✡ ✡ ✡ ✡
一方そのころ、フラム王とアルフレッド、そしてクリスティーナはデナリウス宮殿の一室に集まっていた。
「──では、明日は午前中に軍事演習の日程調整だな。午後は軍事演習場を案内するよ、デナリウスを出てすぐの場所だ」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
翌日の予定を話しあう三人、表情は真剣そのものだ。それにしてもフラム王とアルフレッド、昼間の変人っぷりはどこへやら。
「子供達は……また海水浴かしら……、もしくは……町の見学でもいいわね……。引率は……私でいいかしら……?」
「軍事演習についてはクリスティーナの意見も聞きたい、子供達の引率は誰かにお願いしよう」
「なら引率はこちらに任せてくれ、王宮の侍女か兵士を手配しておくよ」
「重ねてありがとうございます、子供達をよろしくお願いします」
順調に予定は決まり、三人は同時に席を立つ。いつの間にやら外は真っ暗だ、とその時──。
「大変です、一大事です!」
勢いよく扉を開け、飛び込んでくる一人の兵士。顔面蒼白で汗びっしょり、明らかに異常事態である。
「どうした、何があった?」
「お、王都デナリウスの外れに……魔物の群れが出現しました!」
「魔物の群れだって!?」
緊張感に包まれる中、兵士は報告を続ける。
「数は不明、少なくとも百体以上は集まっているようです。魔物だけではなく、吸血鬼と悪魔の姿も確認しております!」
「なんだと!?」
「吸血鬼に……悪魔……、お兄様……これは……っ」
「そうだねクリスティーナ、恐らくガレウス邪教団の襲撃だろう」
「軍事演習の……話をしていた……矢先に……、間の悪い……連中……」
「愚痴を言うのは後にしよう、今はガレウス邪教団を迎撃だ」
突如として現れたガレウス邪教団の軍勢。南ディナール王国の運命は、そして課外授業の行く末や如何に。
「むへぇ……ヒリヒリするのじゃ……」
「ふぐぅ……ヒリヒリするっす……」
ウルリカ様とアンナマリアは、二人並んでグッタリと倒れていた。二人の肌はこんがり小麦色、どうやら激しく日焼けしてしまったらしい。下着姿でごろんと寝そべり、全身を氷で冷やしている。
「やれやれですわ、日焼け対策を怠るからですの」
「日焼けしたウルウルも可愛らしいわ、もっと冷やしてあげるわね」
「ヒンヤリなのじゃ……でもヒリヒリするのじゃ……」
「エリッサちゃん、私も冷やしてほしいっす……」
上半身は素っ裸、下半身は下着一枚。二人して無防備なものだ、男子は目のやり場に困って仕方ない。しかし二人はまったく気にしていない、というより身だしなみに気を配る余裕はない。大量の氷に埋もれたまま、ピクリとも動かなくなってしまう。
「むうぅ……、すやぁ……すやぁ……」
「ううぅ……、むにゃむにゃっす……」
遊びの疲れと氷の心地よさで、揃って寝てしまったよう。日焼けという失敗はあったものの、これ以上ないほど海水浴を満喫したウルリカ様とアンナマリアなのであった。
✡ ✡ ✡ ✡ ✡ ✡
一方そのころ、フラム王とアルフレッド、そしてクリスティーナはデナリウス宮殿の一室に集まっていた。
「──では、明日は午前中に軍事演習の日程調整だな。午後は軍事演習場を案内するよ、デナリウスを出てすぐの場所だ」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
翌日の予定を話しあう三人、表情は真剣そのものだ。それにしてもフラム王とアルフレッド、昼間の変人っぷりはどこへやら。
「子供達は……また海水浴かしら……、もしくは……町の見学でもいいわね……。引率は……私でいいかしら……?」
「軍事演習についてはクリスティーナの意見も聞きたい、子供達の引率は誰かにお願いしよう」
「なら引率はこちらに任せてくれ、王宮の侍女か兵士を手配しておくよ」
「重ねてありがとうございます、子供達をよろしくお願いします」
順調に予定は決まり、三人は同時に席を立つ。いつの間にやら外は真っ暗だ、とその時──。
「大変です、一大事です!」
勢いよく扉を開け、飛び込んでくる一人の兵士。顔面蒼白で汗びっしょり、明らかに異常事態である。
「どうした、何があった?」
「お、王都デナリウスの外れに……魔物の群れが出現しました!」
「魔物の群れだって!?」
緊張感に包まれる中、兵士は報告を続ける。
「数は不明、少なくとも百体以上は集まっているようです。魔物だけではなく、吸血鬼と悪魔の姿も確認しております!」
「なんだと!?」
「吸血鬼に……悪魔……、お兄様……これは……っ」
「そうだねクリスティーナ、恐らくガレウス邪教団の襲撃だろう」
「軍事演習の……話をしていた……矢先に……、間の悪い……連中……」
「愚痴を言うのは後にしよう、今はガレウス邪教団を迎撃だ」
突如として現れたガレウス邪教団の軍勢。南ディナール王国の運命は、そして課外授業の行く末や如何に。
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