上 下
2 / 110
第一章 ~第三ウェーブ~

2話 目が覚めるとそこは……

しおりを挟む
「う……ん……んん!?」

 目が覚めるとそこは、一面銀色の不思議な空間でした。

 はて、ここはどこ? 私は誰……。
 いやいや、流石に自分のことは覚えてるか。明峰空あけみね そら、十六歳、東京都在住、高校二年生。
 うん、とりあえず記憶喪失とかではなさそうかな。

 でもここがどこなのかは全く分からない。
 壁も天井も床も、どこを見ても銀色の不思議な部屋。
 なんで私、こんなところで寝てるんだろう?
 よく分かんないけど……とりあえず起きた方がいいよね。

「っとっと……とおぉ?」

 ビックリした、何これ?
 フワフワして体が軽くて、まるで宙に浮かんでるみたい……って、ホントに体が宙に浮かんでる!?
 私そんなに体重軽くないよ? むしろ最近ちょっと増えたよ! 結構悩んでるよ!
 そんなこと今はどうでもいいか……ホントはどうでもよくないけど、今は一旦置いておこう。

 それよりこの状況だよ。
 これってきっと無重力っていうやつだよね?
 ヤバい、ちょっと混乱してきちゃってる。頭の中が真っ白になりそう。
 こういう時こそ冷静にならないとね。落ち着いて私!

 あ、窓がある。
 ちょうどいいや、外の景色でも眺めてリラックスしようかな。

 わぁ! すっごく綺麗な星空だ。満天の星が宝石みたいにキラキラ輝いてる。
 でもこれ、よく見たらホントに目の前に星があるよ。星空じゃなくてただの宇宙だこれ。

 無重力に、銀色の部屋、そして窓の外は宇宙……なるほどね。
 つまり私は今、宇宙空間にいるわけだ。ということは、この銀色の部屋は宇宙ステーション的な何かの一室ということかな……?

「いやいや! 無いから、流石にそれは無いから!!」

 あり得ないでしょ! だって私、ただの女子高生だよ?
 宇宙とか無縁の一般人だし!

「意味が分かんない……なんでこんなことに……」

 ん? あれ? 
 なんか私、声がおかしくない?
 私らしくない、やたらカワイイ声だったけど。
 それに顔も体も、ちょっと違和感がある気がする。
 特におっぱいの辺り、Fカップはあるはずなのに軽すぎない?

 とりあえず確認しよう、どこかに鏡とかないかな?
 えっと……あぁ、洗面台がある。
 蛇口も洗面器も銀色で、銀色じゃないのは鏡に映ったカワイイお顔だけ。

 白くて綺麗で透き通るようなお肌。うーん、羨ましい!
 へぇ、水色の髪って個性的だね。フシャフシャの緩いヘアスタイルがとってもカワイイよ。
 目はキョロキョロっとキュートな感じで、耳はツンツン尖ってて。まるで宇宙人みたいな顔。

 うちゅカワイイって感じかな?

 うん。

 私。

 うちゅカワイイ!

「って! なななっ、何これ!?」

 え? は? 宇宙人? これ私!?
 嘘でしょ! もしかして私、宇宙人になっちゃってるの?

 あり得ないから! 宇宙人とかホントにあり得ないから!!
 はぁっ、動悸がしてきた……胸が痛くて苦しい……胸が……。

 あれ? ちょっと待ってよ。
 おっぱいがない! 私のおっぱいがツルツルでペッタンコになってる!?
 ん? でもこれはこれで控えめな感じがカワイイのかも……? 

 いやいや! 落ち着いて私、今そういう問題じゃないから。
 とりあえずどうしよう、えっと……。

「ひゃわっ……あの……どうして……?」

 突然のカワイイ声。
 振り向くとそこには。
 別の宇宙人ちゃん、登場。

 そう、宇宙人ちゃんが……。

 宇宙人……。

「宇宙人ーッ!?」

「ひゃわわぁっ!?」

 いや、なんで私より向こうの方がビックリしてるの?

 色々とよく分かんないけど、言えることが一つ。
 どうやら私、宇宙人になっちゃったみたいです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

性転換ウイルス

廣瀬純一
SF
感染すると性転換するウイルスの話

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

勇者再び!!

奈落
SF
TSFの短い話です

序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし

水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑ ★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位! ★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント) 「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」 『醜い豚』  『最低のゴミクズ』 『無能の恥晒し』  18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。  優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。  魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。    ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。  プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。  そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。  ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。 「主人公は俺なのに……」 「うん。キミが主人公だ」 「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」 「理不尽すぎません?」  原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。 ※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!

烈風鉄火(シュトゥルム・ウント・フォイエル=S&F)!

クサナギ・モトハル
SF
 ……それは列強各国を始めとする大小の勢力が太陽系の半ば以上にまで進出し、開発を続ける「太陽系開拓時代」、または「烈風鉄火の季節(シュトゥルム・ウント・フォイエル)」とも称される、夢と活気に満ちた時代。しかし、その裏側ではさまざまな理由から、一歩間違えれば太陽系・人類社会すべてが破滅しても不思議ではないような事態が、公然・非公然を問わずに次々と起こっては消えている、そんな世界🌀🔥  主な舞台は、近地球軌道宙域=Near Earth Orbit Space――通称「NEOS(ネオス)」と呼ばれる宇宙空間、そしてそこに点在する各国の人工天体都市のひとつにして新生日本皇国=「日本」の領域である「星海道(セイカイドウ)・輝夜(カグヤ)市⭐🏙                                                        ……主な登場人物は、この宇宙都市に住み、基本的な活動の場とする「新世界人(ネオ・コスモス)」と呼ばれる人々――特にその代表としているのが、「太陽系・人類社会最強(最恐?)カップル」とも呼ばれる天才武道家=〝武闘士(ウォーリア)〟の御月煌子郎(ミヅキ・コウシロウ。通称、シロくん🌕)と完全義体者の〝戦乙女(ヴァルキューレ)〟であるエリゼフィーネ・ミツムラ=ファルケンフェルト(通称、エリーゼさん🐦)。                                               このふたりを中心とした、激しくアブない冒険活劇、そして甘く切ない恋愛模様――そんな(たぶん)架空の近未来での〝日常〟を描いた物語群。それが『烈風鉄火(S&F)!』である💪💕                                                         ※:本作は私のYouTubeチャンネル「クサナギ・モトハル電脳文芸制作室」内にあったフリートーク欄(現在は消失)で第3夜=第3章の途中まで不定期連載していた同名作品をアルファポリスさんで再開したものです😅 ともあれ、自分が考えた物語世界と登場人物たちを好きになってくださった方々に楽しんでもらいたい、ということを目的として書き始めた作品ですし、皆様からのご愛顧をいただければ、作者としては望外の幸せです🙏🌸

リインカーネーション

たかひらひでひこ
SF
いく度もの転生、再びの出会いを繰り返す、えにしの者たち。 それぞれが綾なす人生は、どう移り変わっていくのか。 オレは、新しき出会いに、めまぐるしく運命を変遷させる。

【異世界ショップ】無双 ~廃絶直前の貴族からの成り上がり~

クロン
ファンタジー
転生したら貴族の長男だった。 ラッキーと思いきや、未開地の領地で貧乏生活。 下手すれば飢死するレベル……毎日食べることすら危ういほどだ。 幸いにも転生特典で地球の物を手に入れる力を得ているので、何とかするしかない! 「大変です! 魔物が大暴れしています! 兵士では歯が立ちません!」 「兵士の武器の質を向上させる!」 「まだ勝てません!」 「ならば兵士に薬物投与するしか」 「いけません! 他の案を!」 くっ、貴族には制約が多すぎる! 貴族の制約に縛られ悪戦苦闘しつつ、領地を開発していくのだ! 「薬物投与は貴族関係なく、人道的にどうかと思います」 「勝てば正義。死ななきゃ安い」 これは地球の物を駆使して、領内を発展させる物語である。

処理中です...