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8話 食事会 その2
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男性貴族3人対女性令嬢3人の食事会。男性陣はシムルグ伯爵以外にも、ドット子爵とマーレ伯爵の二人。どちらもなかなかの好青年だった。
ペニュアとマリーンの二人は、先ほどかあオフィーリアに夢中になっているドットとマーレを快く思っていない。食事会という名の闘争劇は早速、状況が変わった。
「そういえば、ドット子爵はお酒が強いんですよね?」
「ええ、まあ……兄弟が皆、強いからな。その血を受け継いでいるんだと思うよ」
ペニュアの最初の切り出し。餌に食いついたドット子爵に、すかさずマリーンが攻撃を開始した。
「お酒の強い人は憧れますわ! 本日は食事会ですが、ぜひ飲みに連れて行ってくれませんか?」
「ああ、そういうことなら喜んで」
ドット子爵としても悪い気はしないのか、顔が少々にやけている。ペニュアとマリーンは小さくガッツポーズをしていた。
「ドット子爵は数々のスポットにも行かれたご経験がおありでしょう? そういった場所にも興味がありますわ」
「では、今度デートでも如何かな? はははははっ」
「ええ、喜んでっ」
マリーンとドット子爵の会話は盛り上がっているようだ。そこにマーレ伯爵とペニュアも加わり出した。心身ともに充実している者たちの自然の語らいのようだ。オフィーリアはそういう雰囲気は苦手であった。シムルグ伯爵に推薦され、セクシーな外見にしてはきたが……男性陣の興味がペニュアとマリーンに移っていることに安心していた。
「料理の味はどうですかな?」
「シムルグ伯爵。はい、とっても美味しいですわ」
料理上手な彼女の目から見ても、明らかにプロの料理人が作ったと分かるラインナップであった。マーレ伯爵専属のシェフの手によるものだ。
「しかし、先日いただいたオフィーリア殿の料理の方が、私には合っているようだ」
そう言いながら、彼は豪華な料理を口に運ぶ。いくらオフィーリアが料理上手とはいえ、専属のシェフに勝てるわけはない。それでもシムルグ伯爵の言葉は嬉しかった。
「そういえば、オフィーリアって料理得意なんだって?」
「えっ?」
そんな時、二人の雰囲気を壊す一言が入ってきた。ペニュアからの言葉だ。その顔は、食事会で恥をかかせてやるというオーラを存分に含んでいた。
ペニュアとマリーンの二人は、先ほどかあオフィーリアに夢中になっているドットとマーレを快く思っていない。食事会という名の闘争劇は早速、状況が変わった。
「そういえば、ドット子爵はお酒が強いんですよね?」
「ええ、まあ……兄弟が皆、強いからな。その血を受け継いでいるんだと思うよ」
ペニュアの最初の切り出し。餌に食いついたドット子爵に、すかさずマリーンが攻撃を開始した。
「お酒の強い人は憧れますわ! 本日は食事会ですが、ぜひ飲みに連れて行ってくれませんか?」
「ああ、そういうことなら喜んで」
ドット子爵としても悪い気はしないのか、顔が少々にやけている。ペニュアとマリーンは小さくガッツポーズをしていた。
「ドット子爵は数々のスポットにも行かれたご経験がおありでしょう? そういった場所にも興味がありますわ」
「では、今度デートでも如何かな? はははははっ」
「ええ、喜んでっ」
マリーンとドット子爵の会話は盛り上がっているようだ。そこにマーレ伯爵とペニュアも加わり出した。心身ともに充実している者たちの自然の語らいのようだ。オフィーリアはそういう雰囲気は苦手であった。シムルグ伯爵に推薦され、セクシーな外見にしてはきたが……男性陣の興味がペニュアとマリーンに移っていることに安心していた。
「料理の味はどうですかな?」
「シムルグ伯爵。はい、とっても美味しいですわ」
料理上手な彼女の目から見ても、明らかにプロの料理人が作ったと分かるラインナップであった。マーレ伯爵専属のシェフの手によるものだ。
「しかし、先日いただいたオフィーリア殿の料理の方が、私には合っているようだ」
そう言いながら、彼は豪華な料理を口に運ぶ。いくらオフィーリアが料理上手とはいえ、専属のシェフに勝てるわけはない。それでもシムルグ伯爵の言葉は嬉しかった。
「そういえば、オフィーリアって料理得意なんだって?」
「えっ?」
そんな時、二人の雰囲気を壊す一言が入ってきた。ペニュアからの言葉だ。その顔は、食事会で恥をかかせてやるというオーラを存分に含んでいた。
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