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第一章《再降女神と火災の祖》
町を目指して
しおりを挟む森の中を一時間くらい進んでいくと、拓けた場所に出た。
.....いや、拓けたっていうか.....
「.....おもいっきりクレーターだよねコレ」
しかも随分大きいクレーター。
山一個くらいなら入るんじゃない?
「.....なんでこんなとこにクレーター?」
隕石でも降ってきたのかな?
......考えるだけムダか。
さて、さっきの森に戻って、どこか人里を.....
私はくるりと振り替える。
そこに広がるのは圧倒的大自然。
「.....」
クレーターの方を見る。
「.....こっちには、不思議系生物いないよね?」
ちなみに森の中には結構生き物がいた。
目に痛い緑色のキノコとか、ムカデと蜘蛛を足したみたいな感じの虫とか(悲鳴あげながら逃げたわ)。
三つ首で目が青色で手足が6本ずつある兎なんかもいたかな。
キノコ食ってた。しかも毒々しい色のキノコ。
.....森を進むごとに精神力を試されるような光景を見るはめになっているのはなんでだろう?
私、ただの中学生だよ?
14歳なんだよ?
そんな不思議系生物達の私の中での筆頭は虹の木である。
閑話休題。
私は、私の心の安寧の為に、クレーターの方へと歩き出した。
せっかくだしクレーターの真ん中とか行ってみようかな?
いや、何もないだろうけど。
__________________
歩くこと30分。
クレーターの中心に到着した。
「なにこれ.....」
そして鳥を発見した。
そこそこおっきい鳥だ。
多分、私の頭とおんなじくらいの大きさ。
いや、それはいいんだよ?
ほら、すぐそこに不思議なジャングルがあるくらいなんだし。
燃えながら弱々しく鳴いてさえいなければ、別にそんなに不思議な話じゃない。
......なんで燃えてんの!?
「と、とりあえず火を消さないと!」
私は持っていた鞄を勢いよく開く。
そして気付く。
塾の勉強道具しか入ってないことに。
「しまった.....塾に持っていってた鞄だったこれ.....」
まずい。
火を消せるような物が、ない。
どうすれば......
と、その時。
ふっ、と燃えていた鳥の火が消えた。
そこには、両手で掬えるくらいの灰がある。
「え.....?」
燃え尽きた.....?
あの一瞬で?
訳がわからず困惑するのも束の間。
風が灰を巻き上げる。
「あ.....」
せめてお墓くらいは作ってあげたかったなぁ.....
.....あれ?
風に巻き上げられた灰は一塊になって、空中に浮いている。
......待って、おかしい。
普通、そのまま風に散らされる筈じゃ______
ドッ
直後、灰を中心に火柱が出た。
___________________
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