無能で鬱のリーマン転生～幸運の天使でひっぱりだこに～

1章

痴漢ダメ、絶対

「…っ」

　…びくっ。

　すすす…っと男の手が下に下がってくる。

　ズボンの合わせ目からひやりとした外気が入ってくる。
　大きな手が下着の上から俺の陰部に触れた。

　そのまま恥骨から太ももを触られる。
　そして、形をなぞるように根元から先端までを撫でていく。

　抵抗しようにも頭からつま先までピクリとも動かず、
　眼を開けることもできない。

　正直泣きそう。

　金縛りで体が動かせないだけでも恐怖なのに、
　知らない男に自分の体を好き勝手に触られている状況に
　恐怖と混乱でパニックになっていた。

　いやだ、いやだ、触るな。
　心の中の叫びが男に伝わることはない。

「かわいいな、本当にかわいい」

　それなのに、男の手によって何度も触れられたそこは
　勝手に熱を持っていく。

　男の手の中で硬くなっていくそれを隠したいのに、
　足を閉じることもかなわない。

「まだ、起きてくれないのか？」

　股間辺りをさすっていた手がするりと肌に直接触れた。
　同時に顔付近に男の吐息を感じた。

　男の香水の匂いが鼻先をかすめ、唇に少しかさついた柔らかいものが当たる。

　その瞬間。

　体中に電気が走ったような衝撃。

　ぴんっと足がつり、同時に目を見開いた。