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人間は思っているよりも見た目に騙される生き物だから
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※R-18エロい描写は2ページ目から始まります。
※ニューヨーク出てきますが、完全に妄想です。海外行ったことないです。
なんとか逃げのびた。
異国の地を踏みしめながら、男は一人思った。
目の前に広がるニューヨークの街並み。黒い空の闇をを照らす煌々と光る無数のネオンの蛍光色が目に痛い。
疲れ切った男は手元のスマホに目を落とす。
国際サービスのチャットメッセージで指定されたバーは目の前だった。
男は扉を開けて、その薄暗く怪しげな空間に足を踏み入れた。
男の名前はマサという。
ここでは高飛びした、つまり海外逃亡したただの日本人だった。
マサは日本ではそれなりに有名な組で組長であるオヤジの右腕だった。
しかし、へまをやらかしてしまった。
組で失敗したものの末路は”死”だ。
サツとつながりがあるその組ではサツに捕まったとしてもすぐに組に身柄が引き渡される。
その後は見せしめとして処刑されるのだろう。
彼はそういうやつを何人も見てきた。
しかし、マサは自分がそのような事態になるかもしれないことを予想していた。
自分がおそらく嵌められて、すべての罪を擦り付けられ消されるだろうことを。
そのためあらかじめ、組の大規模な事業の前に海外の人間とつながりを持った。
カウンターに座り、適当に酒を頼んだ。
あまり言葉はわからない。しかし、外国人になれているのかバーテンダーは注文した酒を手際よく出した。
アルコール度数の高い酒を煽る。
しばらくすと、するりと隣に人が座った。
背が高い男だ。マサも平均身長である170㎝以上はあるが、その男は190㎝を優位に超える身長をしていた。
そして目を引くのは薄暗い店内でもわかる輝く金髪と知的な顔立ちだ。薄汚れたバーに合わないその紳士は店にいた女性客だけでなく、男性客の目も引いた。
男はバーテンダーに酒を注文すると、そのグラスをマサの方にスライドさせた。僕のおごりだよ、男はいう。
「やぁ、会うのは初めましてだね。君がマサだね」
その紳士はマサに話しかけた。嘘くさい笑みを張り付けた顔だ。
「ああ、あんたがリンクか?」
酒を飲みつつ視線だけ上げてぶっきらぼうに答えると、男は気にしてないようにマサの肩に手を回した。
慣れ慣れしい様子に少し苛立ちを感じたが、マサの頭はアルコールと疲れで正常な判断ができず、海外の人間だから距離感が違うのだろうと納得させた。
「そうだよ、さぁ、ここでは話しづらいことを話すからとりあえず僕の家に行こうか」
マサはうなずき、立ち上がろうとする。ふらりと少し体が傾いた。
すかさず女性をエスコートするときのようにリンクはマサの腰に手をまわした。
「大丈夫かい?少し酔っているようだね。僕が支えるから一緒に車に行こうか」
距離感は非常に近く、彼のつけているコロンの匂いも汗の匂いもわかる距離だ。しかし、マサは指摘するのも面倒で腰を抱かれて、促されるままに彼の車に乗り込んだ。
車の後部座席に乗せられたマサはすぐに意識が遠のいた。逃亡のための連日の準備と久方ぶりの高い酒。しかし、ずっとヤクザとして神経を張り詰めて生きてきたマサがそれだけでこの状態になるのだろうか。
リンクはマサの頬に手を添える。酒のせいかうっすらピンクに色づき、火照っていた。
「ああ、かわいいなぁ、本当にいい買い物をしたよ」
リンクは後部座席の男の寝顔をじっくりと見ながら、一人つぶやいた。
※ニューヨーク出てきますが、完全に妄想です。海外行ったことないです。
なんとか逃げのびた。
異国の地を踏みしめながら、男は一人思った。
目の前に広がるニューヨークの街並み。黒い空の闇をを照らす煌々と光る無数のネオンの蛍光色が目に痛い。
疲れ切った男は手元のスマホに目を落とす。
国際サービスのチャットメッセージで指定されたバーは目の前だった。
男は扉を開けて、その薄暗く怪しげな空間に足を踏み入れた。
男の名前はマサという。
ここでは高飛びした、つまり海外逃亡したただの日本人だった。
マサは日本ではそれなりに有名な組で組長であるオヤジの右腕だった。
しかし、へまをやらかしてしまった。
組で失敗したものの末路は”死”だ。
サツとつながりがあるその組ではサツに捕まったとしてもすぐに組に身柄が引き渡される。
その後は見せしめとして処刑されるのだろう。
彼はそういうやつを何人も見てきた。
しかし、マサは自分がそのような事態になるかもしれないことを予想していた。
自分がおそらく嵌められて、すべての罪を擦り付けられ消されるだろうことを。
そのためあらかじめ、組の大規模な事業の前に海外の人間とつながりを持った。
カウンターに座り、適当に酒を頼んだ。
あまり言葉はわからない。しかし、外国人になれているのかバーテンダーは注文した酒を手際よく出した。
アルコール度数の高い酒を煽る。
しばらくすと、するりと隣に人が座った。
背が高い男だ。マサも平均身長である170㎝以上はあるが、その男は190㎝を優位に超える身長をしていた。
そして目を引くのは薄暗い店内でもわかる輝く金髪と知的な顔立ちだ。薄汚れたバーに合わないその紳士は店にいた女性客だけでなく、男性客の目も引いた。
男はバーテンダーに酒を注文すると、そのグラスをマサの方にスライドさせた。僕のおごりだよ、男はいう。
「やぁ、会うのは初めましてだね。君がマサだね」
その紳士はマサに話しかけた。嘘くさい笑みを張り付けた顔だ。
「ああ、あんたがリンクか?」
酒を飲みつつ視線だけ上げてぶっきらぼうに答えると、男は気にしてないようにマサの肩に手を回した。
慣れ慣れしい様子に少し苛立ちを感じたが、マサの頭はアルコールと疲れで正常な判断ができず、海外の人間だから距離感が違うのだろうと納得させた。
「そうだよ、さぁ、ここでは話しづらいことを話すからとりあえず僕の家に行こうか」
マサはうなずき、立ち上がろうとする。ふらりと少し体が傾いた。
すかさず女性をエスコートするときのようにリンクはマサの腰に手をまわした。
「大丈夫かい?少し酔っているようだね。僕が支えるから一緒に車に行こうか」
距離感は非常に近く、彼のつけているコロンの匂いも汗の匂いもわかる距離だ。しかし、マサは指摘するのも面倒で腰を抱かれて、促されるままに彼の車に乗り込んだ。
車の後部座席に乗せられたマサはすぐに意識が遠のいた。逃亡のための連日の準備と久方ぶりの高い酒。しかし、ずっとヤクザとして神経を張り詰めて生きてきたマサがそれだけでこの状態になるのだろうか。
リンクはマサの頬に手を添える。酒のせいかうっすらピンクに色づき、火照っていた。
「ああ、かわいいなぁ、本当にいい買い物をしたよ」
リンクは後部座席の男の寝顔をじっくりと見ながら、一人つぶやいた。
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