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自分の立場をわからせるためには有効な手段です
しおりを挟む「くそっ、変態が近づくな!」
桐井は拘束台の上で手足を繋がれ、仰向けになったカエルの標本のように
足を大股開きにさせられた体制で固定されていた。
革製の拘束具を力いっぱい引っ張るがガチャガチャと音が鳴るだけだった。
「ひどいね。昨日はあんなに素直だったのに。ピロートークもなしかよ。
刑事さんは奥さんともそうだったのか?だから逃げられるんだよ」
「…てめぇ、ぜってぇぶっ殺す。ムショでほかの奴の尻でもなめてろよ」
「あんたの尻なら喜んでなめるけどな。さて、始めるか」
「近づくなっ、」
カメラを片手にベッドに近づいてくる凶悪犯を桐井はにらみつけた。
しかし、その眼には隠し切れない怯えがあることに凶悪犯は気が付く。
「刑事さん、怖がってる?」
「…馬鹿が、そんなはずないだろう」
凶悪犯の言葉を鼻で笑う。
しかし、桐井はいまだに自分が性の対象として見られて、
拘束されて、犯された事実を受け入れられないでいた。
どんな痛みも受け入れるつもりだったが、まさかこんな辱めを受けるとは
思っていなかった。
「…ほんとは怖いだろ。刑事さん」
凶悪犯はベッドに乗り上げて、桐井の手をつかむ。
小刻みに震えていることに気が付き、凶悪犯はニタァと笑みを浮かべた。
「大丈夫だって。今日も俺のは入れないから。それに今日はあんたにうれしい
お知らせがあるんだぜ」
「最悪だ。くそが。お前の入れようとか思ってるならその前にその汚物を喰いちぎってやる。」
「へぇ、それは下の口で?情熱的な誘い文句だな」
桐井は凶悪犯を下からにらみつけるが、飄々とした態度で
桐井の言葉を受け流す凶悪犯に、桐井はイライラとした感情ばかりがつのっていく。
「ほら、これ、なかなか上手く取れてるだろ」
「ゆ、雄太…!」
凶悪犯が手に持った写真には、桐井の息子である雄太の姿が映し出されていた。
もうずいぶん会ってない気がする。
しかし、愛しい我が子に対する愛情はずっと変わらない。
今でも生活費、学費諸々お金は入れている。
「そう、これ雄太君。刑事さんの子どもだ。
刑事さん奥さんと別れてから息子にずっと会ってないんだろ。
雄太君。今は小学4年生か。●×小学校に通っててるんだよな。
スポーツクラブに入ってて木曜日は19時頃まで活動。その後帰宅。
夜は一人でバスに乗ってるな。元奥さんはパートで忙しいらしいし。
俺の言いたいことわかるよな、刑事さん」
「…お前、雄太に手を出したら、俺の手で殺してやる。絶対に殺してやる、
ちきしょうが、くそっ」
桐井の頭は怒りで埋め尽くされ、目の前の男に対する殺意と憎しみだけが積みあがっていく。
ガチャガチャガチャガチャ。
ただただ目の前の仮面の男を殴りたくて、拘束されている手を引っ張るが、ただ繋がれた
金具がうるさく音を立てただけだ。
「俺もあんまり生意気だと嫌だからな。ちょっと釘を刺しておこうと思って」
ひらひらと桐井の前で息子の写真を見せながら、
凶悪犯は桐井に顔を近づけた。
「もし刑事さんが俺に対してあんまり生意気だったら、雄太君、ここに連れてきてあんたの代わりにするよ。
お父さんの尻拭いは子どもがするもんだろ。
でも、そうだな。
ちゃんと刑事さんが俺の言うこと聞いていい子の肉便器になってくれるなら
俺も人殺しはしない、どう?いいだろ」
まぁ、俺が飽きるまでだろうけど。
凶悪犯は心の中で笑った。
「くそ、くそが、お前を絶対に豚箱にぶちこんでやる」
※※※
ズボンがはぎとられて、パンツも中途半端に下ろされて、桐井は屈辱に
ぎりっと歯を食いしばる。
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