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助けにきたのは・・・天敵でした
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「あいつはどこに行ったんだ?」
騎士団長のサーガは召喚士を探し、城中を探し回っていた。
そもそもあいつは王様から謹慎を申しつかれたはずなのに、
自室にいずにどこをほっつきまわっているんだ。
イライラとしながら、一つだけ召喚士がいる場所に目星をつける。
13番書庫。
あそこは召喚に使うための禁書の類が置いてある場所だ。
部下があそこは召喚士の住処だから絶対近づかないと言っていた。
(そもそも王様の前で失敗ばかりする召喚士はすべからく嫌われているし、
召喚に巻き込まれて胴体がカバになった部下もいるため誰もあいつには近づきたがらない)
サーガは13番書庫の扉を開ける。
「おい、召喚士。王様がお呼びだ。いるのか?」
暗い書庫に呼びかけるが、召喚士の返事はない。
13番書庫は、禁書の類が置いてあるため普段は鍵がかかっているが
開けっ放しになっているということは召喚士がここにいるという証拠だろう。
(禁書が置いてある書庫は限られたものにしか鍵を渡されない。
召喚士は出来損ないだが召喚士のため王様から書庫の鍵をもらっていた)
「禁書の類が置いてある書庫を開けっ放しにしたまま何やっているんだ?」
ぶつぶつと文句を言いながら、埃っぽい書庫の中に歩みを進める。
しかし、どこを見てもあのうさん臭い召喚士の姿はなく
代わりに永遠に続く本棚が続いている。
しかし、ようやくそれも終わりがきた。
書庫のつきあたりには積みあがった本と見覚えのない扉が一枚。
「なんだこの扉。こんなもの今までなかったはずだ」
しかもその扉の下には召喚士がよく使う魔法陣と開かれたままの本があった。
これは召喚によって生み出された扉だとあたりをつける。
しかもその扉からはかすかに魔物の匂いがする。
魔物の魔力を封じ込めた危険な召喚であることは間違いなかった。
サーガはすらりと腰の剣を抜く。
…ぎぎぎ。
ひとりでに、そして静かに扉が開いていく。
どぱぁっ!
しかし、次の瞬間扉が開け放たれ、中から大量の触手が現れた。
サーガは後ろに飛びのき、そして自分にまとわりつこうとする触手をすべて剣で断ち切る。
「…!」
触手は思わぬ反撃に遭い、うねって元の扉の中に戻ろうとする。
しかし、扉が奥に引っ込もうとしたとき、触手の奥に人の影が見えた。
サーガは剣を投げ出して、触手の中に半身を突っ込み、腕を伸ばしてその人影を掴んだ。
触手はサーガを妨害し、捕らわれた人間を離すまいとするが、彼の鍛えられた腕力には敵わなかった。
ずるずるとサーガは捕らわれた人間を触手の海から引きずり出していく。
「…おい、大丈夫か?」
引きずり出した人間は全裸で気を失っていた。
小柄な体を腕に抱き呼吸を確かめる。規則正しい呼吸が聞こえ、生きていることに胸を撫でおろす。
可憐な少女のような見た目の人物は、しかし、下半身には自分と同じものがついているため男性だとわかる。
ぺちぺちと軽く頬を叩く。
「おい、生きてるか?」
「…う、あぅ…」
その人物が身じろぎした後、ゆっくりと瞼を上げる。
その声を聞いたときにやっとこの腕の中の人物が誰であるのかわかった。
召喚士だ。
いつも目深にかぶったフードと目隠しをしているため、今まで素顔を見たことがなかった。
”なんでこいつはいつもあんな胡散臭い上に暑苦しい恰好をしているんだ?”
よく召喚士を見るたびに思っていたが、素顔を見て理由が分かった気がする。
…確かに素顔を晒したら、面倒な輩に手を出されそうだな。
「おい、召喚士だよな?俺が分かるか?」
「…あ、ぁ、…お…」
目の焦点が合わずに、母音しか発しない召喚士の様子を見てだんだんと焦ってくる。
とにかくこのままじゃまずいから、服を着せて医務室にでも連れていくか。
そう思って彼を抱き上げようとしたとき、
「…う、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
召喚士は腕の中で目をカッと見開いて、死ぬ間際のような叫び声をあげた。
何かから逃れるように足をばたつかせ、サーガの腕を痛いほどにつかむ。
「おい、どうした?おい!」
サーガはいきなり暴れだした召喚士を落ち着かせようと、ルキを包み込むようにして、
根気強く問いかける。
「…あ♡あぁ、はぁ♡はぁ♡なかぁ♡なか」
「なか?」
息を切らしながらとぎれとぎれにルキが言葉を紡ぐが、
彼が何を言いたいのかわからないサーガは問いかける。
騎士団長のサーガは召喚士を探し、城中を探し回っていた。
そもそもあいつは王様から謹慎を申しつかれたはずなのに、
自室にいずにどこをほっつきまわっているんだ。
イライラとしながら、一つだけ召喚士がいる場所に目星をつける。
13番書庫。
あそこは召喚に使うための禁書の類が置いてある場所だ。
部下があそこは召喚士の住処だから絶対近づかないと言っていた。
(そもそも王様の前で失敗ばかりする召喚士はすべからく嫌われているし、
召喚に巻き込まれて胴体がカバになった部下もいるため誰もあいつには近づきたがらない)
サーガは13番書庫の扉を開ける。
「おい、召喚士。王様がお呼びだ。いるのか?」
暗い書庫に呼びかけるが、召喚士の返事はない。
13番書庫は、禁書の類が置いてあるため普段は鍵がかかっているが
開けっ放しになっているということは召喚士がここにいるという証拠だろう。
(禁書が置いてある書庫は限られたものにしか鍵を渡されない。
召喚士は出来損ないだが召喚士のため王様から書庫の鍵をもらっていた)
「禁書の類が置いてある書庫を開けっ放しにしたまま何やっているんだ?」
ぶつぶつと文句を言いながら、埃っぽい書庫の中に歩みを進める。
しかし、どこを見てもあのうさん臭い召喚士の姿はなく
代わりに永遠に続く本棚が続いている。
しかし、ようやくそれも終わりがきた。
書庫のつきあたりには積みあがった本と見覚えのない扉が一枚。
「なんだこの扉。こんなもの今までなかったはずだ」
しかもその扉の下には召喚士がよく使う魔法陣と開かれたままの本があった。
これは召喚によって生み出された扉だとあたりをつける。
しかもその扉からはかすかに魔物の匂いがする。
魔物の魔力を封じ込めた危険な召喚であることは間違いなかった。
サーガはすらりと腰の剣を抜く。
…ぎぎぎ。
ひとりでに、そして静かに扉が開いていく。
どぱぁっ!
しかし、次の瞬間扉が開け放たれ、中から大量の触手が現れた。
サーガは後ろに飛びのき、そして自分にまとわりつこうとする触手をすべて剣で断ち切る。
「…!」
触手は思わぬ反撃に遭い、うねって元の扉の中に戻ろうとする。
しかし、扉が奥に引っ込もうとしたとき、触手の奥に人の影が見えた。
サーガは剣を投げ出して、触手の中に半身を突っ込み、腕を伸ばしてその人影を掴んだ。
触手はサーガを妨害し、捕らわれた人間を離すまいとするが、彼の鍛えられた腕力には敵わなかった。
ずるずるとサーガは捕らわれた人間を触手の海から引きずり出していく。
「…おい、大丈夫か?」
引きずり出した人間は全裸で気を失っていた。
小柄な体を腕に抱き呼吸を確かめる。規則正しい呼吸が聞こえ、生きていることに胸を撫でおろす。
可憐な少女のような見た目の人物は、しかし、下半身には自分と同じものがついているため男性だとわかる。
ぺちぺちと軽く頬を叩く。
「おい、生きてるか?」
「…う、あぅ…」
その人物が身じろぎした後、ゆっくりと瞼を上げる。
その声を聞いたときにやっとこの腕の中の人物が誰であるのかわかった。
召喚士だ。
いつも目深にかぶったフードと目隠しをしているため、今まで素顔を見たことがなかった。
”なんでこいつはいつもあんな胡散臭い上に暑苦しい恰好をしているんだ?”
よく召喚士を見るたびに思っていたが、素顔を見て理由が分かった気がする。
…確かに素顔を晒したら、面倒な輩に手を出されそうだな。
「おい、召喚士だよな?俺が分かるか?」
「…あ、ぁ、…お…」
目の焦点が合わずに、母音しか発しない召喚士の様子を見てだんだんと焦ってくる。
とにかくこのままじゃまずいから、服を着せて医務室にでも連れていくか。
そう思って彼を抱き上げようとしたとき、
「…う、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
召喚士は腕の中で目をカッと見開いて、死ぬ間際のような叫び声をあげた。
何かから逃れるように足をばたつかせ、サーガの腕を痛いほどにつかむ。
「おい、どうした?おい!」
サーガはいきなり暴れだした召喚士を落ち着かせようと、ルキを包み込むようにして、
根気強く問いかける。
「…あ♡あぁ、はぁ♡はぁ♡なかぁ♡なか」
「なか?」
息を切らしながらとぎれとぎれにルキが言葉を紡ぐが、
彼が何を言いたいのかわからないサーガは問いかける。
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