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すり変わった歴史の真相。 3

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「イール!!」
「イースっ!!」
「「グルァ!!」」
「ひぃっ!!」
「ちびもふ、どうした??言った」
イールとイースの居る場所が近いというか目の前になった瞬間、アルゴスくんとマルケスくんは二人の名前を叫びながら、私の手を離してロケットもかくやとばかりに抱きついた。
オーシャンの皆さんは……うん。
怖がったり、恐れのためか無表情になったり、とにかく畏怖してるんだな。と一目で判る状態になっていた。
フォレストの皆さんは私とラムセスさんから「心をそのまま跳ね返す。恐怖には恐怖で。平穏では平穏を」。
それを強く覚えていたからか、比較的落ち着いているようにみえる。
あ"~。でも、シュリさん、ディーバさんはすこ~し顔がひきつってる。
草食動物だから、本能的な恐怖は言われたからと簡単にはぬぐえないと言うことかもしれない。
そして、リオさんは相変わらずというかなんと言うか、あれだ。
空気読め。
そう言いたくなるくらいのマイペースっぷりで、のんびりとした口調でみんなへ通訳をしてくれている。
「「グルルァ、グル~」」
「ん??どうしたって??会いたかったから~♪」
「うん。じ~じがみんなで行くぞ!!って言ってくれたから来ちゃった~♪」
「「グルル~♪」」
不思議そうな音と雰囲気でイールとイースが話せば、アルゴスくんとマルケスくんは照れ臭そうに答えて……って!?
あれ!?アルゴスくんもマルケスくんも、イールとイースの言葉、判ってる!?
あれ!?聞いたっけ!?
二人とも、「イールとイースのお話判るよ」って私に教えてくれたっけ?!?
私の動揺はフリストさん以下オーシャンの方々も同様だったのか、目が真ん丸になっていた。
どこか楽しそうな声をあげるイールとイース。
アルゴスくんとマルケスくんの言葉通りだとすると、子供たちの手放しで喜ぶ姿に照れ臭いのかな??と思う。
「ちびもふ、イール、イース、判る??」
「「はいっ!!」」
どうやらリオさんも子供たちがイールとイースと言葉が通じると判らなかったのか、……あ、違う。
この判る??は、「本当に言葉が判るんだね??」な方だ。
イールとイースはリオさんと兄弟。
さらに言うなら一心同体な存在なのだ。
だから、きっと、始祖様と母なる森のように互いのことはテレパシーのようなもので通じてるし判っているんだ。
それにしても、アルゴスくんとマルケスくんは本当に判ってるんだな~。
私も頑張ればイールとイースの言葉、判るようになるかな??
そうならわたし、語学頑張っちゃう!!
だって、相手が誰であれ、自分達の言葉で会話できるってけっこう嬉しいものじゃない??
だから、学べるのであれば学んでみたい。
「「グラ!!グルルル!!」」
「「ね~♪  んん!?だめー!!」」
ん??なんだ??
イールたちの言葉に機嫌良く相づちを打っていたアルゴスくんとマルケスくんは、いきなり否定の絶叫に近い言葉をあげた。
なんか、イールとイースが二人にとって都合の悪いことを言ったのかな??と視線を巡らせれば、バッチリとリオさんと目があってしまう。
「ん。イール、イース、ちびもふ、言葉、判る、言った。ミーナ、言葉、教える。ミーナ、オーシャン、来る、大丈夫、言った」
「それ!!イール、イース、ママは俺たちの!!」
「そう!!ママはフォレスト大好きだから!!ママを取らないで~」
わたしか~。
リオさんの言葉からすると、イールとイースはわたしが原因なのはもちろん、言葉を教えるからオーシャンに行こうと子供たちをからかったようだ。
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