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二国会議 初日 8
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しかし、オーシャン王族のフリストさんから話を聞いて尚、私の知るイールとイース像とは中々結び付かない。
いや、無理強いするとカプカプしそうなのはなんとなく想像できるが、伝説になるほど狂暴で粗野には見えないのだ。
確かに、ちびもふブラザーズが始祖様に「皆で遊びたい」と言って答えを待っていた時は、射殺さんばかりに睨んでいたが、エリゴスさんと二人で近付いてきた時は威嚇はしていなかったように思う。
そもそも、そんなに獰猛なら、私とちびもふブラザーズが近付いた時点で威嚇攻撃されるのではないだろうか?
子供はうるさく容赦なく飛び付く生き物だ。相手の事を思いやることが出来ない子供を苦手とする生物は数多いし。
「アルゴス君!?」
つらつらと考えていると、ちびもふ姿ではなく人の姿のアルゴス君がイールの背中に乗って窓の外を横切って行くのが確認出来た。
私の言葉にオーシャン組が窓に殺到すると同時に、今度はリオさんと一緒にイースに乗った人の姿のマルケス君も横切って行く。
アルゴス君もマルケス君もこちらに気付いている様子はなかったが、嬉しそうに楽しそうに笑っていた。
獣還りが終わったのか?という疑問もさることながら、一緒にいるはずの始祖様が見受けられなかったのも気にかかる。
「まさか、本当に」
「なんと!!」
言葉だけでは半信半疑だったオーシャン組も動かぬ証拠を見せつけられて呆然とした後、興奮している。
一方の置いてきぼりのフォレスト組は「今はもう会議なんて無いね」とばかりに皆が皆、肩の力を抜いていた。
こんなグダグタな状態では会議など出来ないだろうし、再開しても内容はリオさんと飛竜兄弟の事に終始するだろう。再び近付いてきたエリゴスさんに聞けば、ここまででは無いにしろ、いつもこんな感じで会議というより懇親会という感じでゆるりと期日まで過ごすらしい。
「あ。良いな~。気持ちよさそう~。どこ行くのかな?」
現実逃避なのか素直な感想なのかシュリさんがのんびりと言う。
「まさか城外には行かれないとは思いますが」
アレスさんが言えば
「あの方向は、城外なら母なる森、近場なら中庭ですね」
ラムセスさんが応える。
「確認すれば良いじゃない。よっぽど遠くなきゃあの大きさなら見失わないんじゃない?」
シュリさんは言うや否や、オーシャン組の居ない窓に駆け寄ると同時に開け放ち、身を乗り出すように確認する。
「あ。中庭」
シュリさんの言葉にランティスさんが大きく頷く。
「ああ。中庭にはクヌギの樹が生えていますね」
「カブトムシ捕獲の準備ですかね」
秘密兵器作成メモを渡したマンティスさんがどこか面映ゆそうに呟く。
ああ。アルゴス君もマルケス君も、すっごく楽しみにしてたしな~。クヌギ林の中にカブトムシ虫やクワガタ虫がいるってのは、どの世界でも共通なんだな~。
「うぇ~。虫かぁ~」
「シュリ様は明日は?」
心底嫌そうなシュリさんの声にアレスさんが茶化すように聞いた。
「絶対パスッ!!早起きして虫取りなんてあり得ない!!」
「そうですか。ミーナは行かれるんですよね?」
「はい。もちろんです」
両手で作ったバツを顔の前でかかげるシュリさんに、微笑んだアレスさんは私にもふってきた。
「ミーナ様と朝のお散歩デート、迷うな~。でも、虫だしな~」
私の返答にシュリさんは本気で考え込んでしまう。
お散歩はありかもだけど、デートはないわ~。
結局、グダグタな雰囲気に何度も陥った初日の会議はもちろん、「オーシャン、大混乱、の巻」のままで終了してしまった。
いや、無理強いするとカプカプしそうなのはなんとなく想像できるが、伝説になるほど狂暴で粗野には見えないのだ。
確かに、ちびもふブラザーズが始祖様に「皆で遊びたい」と言って答えを待っていた時は、射殺さんばかりに睨んでいたが、エリゴスさんと二人で近付いてきた時は威嚇はしていなかったように思う。
そもそも、そんなに獰猛なら、私とちびもふブラザーズが近付いた時点で威嚇攻撃されるのではないだろうか?
子供はうるさく容赦なく飛び付く生き物だ。相手の事を思いやることが出来ない子供を苦手とする生物は数多いし。
「アルゴス君!?」
つらつらと考えていると、ちびもふ姿ではなく人の姿のアルゴス君がイールの背中に乗って窓の外を横切って行くのが確認出来た。
私の言葉にオーシャン組が窓に殺到すると同時に、今度はリオさんと一緒にイースに乗った人の姿のマルケス君も横切って行く。
アルゴス君もマルケス君もこちらに気付いている様子はなかったが、嬉しそうに楽しそうに笑っていた。
獣還りが終わったのか?という疑問もさることながら、一緒にいるはずの始祖様が見受けられなかったのも気にかかる。
「まさか、本当に」
「なんと!!」
言葉だけでは半信半疑だったオーシャン組も動かぬ証拠を見せつけられて呆然とした後、興奮している。
一方の置いてきぼりのフォレスト組は「今はもう会議なんて無いね」とばかりに皆が皆、肩の力を抜いていた。
こんなグダグタな状態では会議など出来ないだろうし、再開しても内容はリオさんと飛竜兄弟の事に終始するだろう。再び近付いてきたエリゴスさんに聞けば、ここまででは無いにしろ、いつもこんな感じで会議というより懇親会という感じでゆるりと期日まで過ごすらしい。
「あ。良いな~。気持ちよさそう~。どこ行くのかな?」
現実逃避なのか素直な感想なのかシュリさんがのんびりと言う。
「まさか城外には行かれないとは思いますが」
アレスさんが言えば
「あの方向は、城外なら母なる森、近場なら中庭ですね」
ラムセスさんが応える。
「確認すれば良いじゃない。よっぽど遠くなきゃあの大きさなら見失わないんじゃない?」
シュリさんは言うや否や、オーシャン組の居ない窓に駆け寄ると同時に開け放ち、身を乗り出すように確認する。
「あ。中庭」
シュリさんの言葉にランティスさんが大きく頷く。
「ああ。中庭にはクヌギの樹が生えていますね」
「カブトムシ捕獲の準備ですかね」
秘密兵器作成メモを渡したマンティスさんがどこか面映ゆそうに呟く。
ああ。アルゴス君もマルケス君も、すっごく楽しみにしてたしな~。クヌギ林の中にカブトムシ虫やクワガタ虫がいるってのは、どの世界でも共通なんだな~。
「うぇ~。虫かぁ~」
「シュリ様は明日は?」
心底嫌そうなシュリさんの声にアレスさんが茶化すように聞いた。
「絶対パスッ!!早起きして虫取りなんてあり得ない!!」
「そうですか。ミーナは行かれるんですよね?」
「はい。もちろんです」
両手で作ったバツを顔の前でかかげるシュリさんに、微笑んだアレスさんは私にもふってきた。
「ミーナ様と朝のお散歩デート、迷うな~。でも、虫だしな~」
私の返答にシュリさんは本気で考え込んでしまう。
お散歩はありかもだけど、デートはないわ~。
結局、グダグタな雰囲気に何度も陥った初日の会議はもちろん、「オーシャン、大混乱、の巻」のままで終了してしまった。
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