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魔術勉強のお時間 5
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すりすりと甘えて私の腕に頬を擦り寄せながら、アルゴス君とマルケス君は言う。
「ママもマルケスから貰えば良いよ!!」
「ママは魔法使えるもんね~」
子供達の中では意味が通じているのだろうが、私には分からない。第一、化学と科学が発達し、スイッチ一つだけで明かりもガスも水道も使える日本でのほほんと生活していた私に何故子供たちが「魔法を使える」と判断したのかは気になる。突然の申し出に面食らいながらも答えてみる。
「魔法は使えないよ?」
「ママ、使ってるじゃ~ん!!」
「うん!!使ってるよね~」
「えぇ!?」
満面の笑みで続ける子供達に、とうとう素っ頓狂な大声を出してしまった。
「あ!!ナイショだったのか!?」
「そうなの?大丈夫!!僕たち、ちゃんとナイショにするよ?」
私の混乱ぶりにアルゴス君とマルケス君は慌てたように口を手で覆ってディーバさんにも同じく「ナイショにしてね」と目で訴えている。笑いながら彼も口を手で覆うと満足したのか子供たちはにっこりと笑った。
って、どうすれば良いの!?私、魔力なんて無いよ!?
口を塞いでいないのは私だけで、結果、自分がなんらかのアクションをしなければ、この事態は納まらないだろう。
「ナイショなんて無いよ?だから、お手手を離して良いよ?」
「本当?」と目で訴えてくる子供たちに笑顔で頷いて見せるとホッとしたように手を口から離した。
「ね?どうして私が魔法を使えると思ったの?」
「ママのくっちーとお月様食べるとほわんてなるし!!」
「うん。元気になるよね~」
胸を張って嬉しそうに言うアルゴス君に、マルケス君も胸に軽く手をあてて嬉しそうにニコニコしながら続いた。傷付けるのが分かっているので子供たちには口が裂けても言えないが、初めて食べたお菓子に感動しているだけではないのかと思っていると、なんとディーバさんまでが続いてきた。
「確かに、ミーナ様のお作りになられた料理は魔力が回復しますね」
うんうんと頷いたディーバさんに子供たちも「やっぱり~!!」と興奮気味だ。
あまりの喜びっぷりに錯覚でしょうと水をさせず、どうしたものかと頭を抱えたくなった。
「それに!!ママの森に居たじゃん!!」
「そうだよ~?ほんとはね?僕たちのお部屋で儀式したから、僕たちのお部屋に帰ってくるはずだったんだよ?なのに、森に出ちゃったし、じーじも知らなかったみたいなんだもん。だからママが魔法を使ったと思ったの」
「あ」
そういえばそうだ。この世界に来て、毛玉ちゃん達にセクハラ紛いのナデナデをした時に「ママの森」と言われたはずだ。
そして、王族についての説明を受けた時も「獣人以外は森に入れない」と聞いた。なのに何故、獣人ではない、ましてや、この世界の人間ではない異世界から来た私が拒絶されなかったのだろうか。
「私が、普通なら入れないはずの森に居た理由……」
恐らく縋るような視線を送ったのだろう。ディーバさんが優しく微笑んでくれた。
「そんなに心配なされなくても大丈夫ですよ。獣人ではないミーナ様が森に受け入れられたのです。むしろ誇るべきです。ですが、御心配でしたら始祖様をお尋ねになられてはいかがでしょうか?」
「はい。ありがとうございます」
ディーバさんの気遣いに頭を下げる。彼は子供たちの「誇るとはなんだ?」の問いに「エッヘンと胸を張る事ですよ」と答える。教わったアルゴス君とマルケス君は胸を張る。
「ママの代わりに俺達がホコッてやるぞ?エッヘン!!」
「エッヘン!!」
かっわい~!!なにこれ!!なんでこんなに可愛~の~っ!!
もやもやと湧き出る不安も子供たちの「エッヘン」に掻き消され、救われた気がした。
「ママもマルケスから貰えば良いよ!!」
「ママは魔法使えるもんね~」
子供達の中では意味が通じているのだろうが、私には分からない。第一、化学と科学が発達し、スイッチ一つだけで明かりもガスも水道も使える日本でのほほんと生活していた私に何故子供たちが「魔法を使える」と判断したのかは気になる。突然の申し出に面食らいながらも答えてみる。
「魔法は使えないよ?」
「ママ、使ってるじゃ~ん!!」
「うん!!使ってるよね~」
「えぇ!?」
満面の笑みで続ける子供達に、とうとう素っ頓狂な大声を出してしまった。
「あ!!ナイショだったのか!?」
「そうなの?大丈夫!!僕たち、ちゃんとナイショにするよ?」
私の混乱ぶりにアルゴス君とマルケス君は慌てたように口を手で覆ってディーバさんにも同じく「ナイショにしてね」と目で訴えている。笑いながら彼も口を手で覆うと満足したのか子供たちはにっこりと笑った。
って、どうすれば良いの!?私、魔力なんて無いよ!?
口を塞いでいないのは私だけで、結果、自分がなんらかのアクションをしなければ、この事態は納まらないだろう。
「ナイショなんて無いよ?だから、お手手を離して良いよ?」
「本当?」と目で訴えてくる子供たちに笑顔で頷いて見せるとホッとしたように手を口から離した。
「ね?どうして私が魔法を使えると思ったの?」
「ママのくっちーとお月様食べるとほわんてなるし!!」
「うん。元気になるよね~」
胸を張って嬉しそうに言うアルゴス君に、マルケス君も胸に軽く手をあてて嬉しそうにニコニコしながら続いた。傷付けるのが分かっているので子供たちには口が裂けても言えないが、初めて食べたお菓子に感動しているだけではないのかと思っていると、なんとディーバさんまでが続いてきた。
「確かに、ミーナ様のお作りになられた料理は魔力が回復しますね」
うんうんと頷いたディーバさんに子供たちも「やっぱり~!!」と興奮気味だ。
あまりの喜びっぷりに錯覚でしょうと水をさせず、どうしたものかと頭を抱えたくなった。
「それに!!ママの森に居たじゃん!!」
「そうだよ~?ほんとはね?僕たちのお部屋で儀式したから、僕たちのお部屋に帰ってくるはずだったんだよ?なのに、森に出ちゃったし、じーじも知らなかったみたいなんだもん。だからママが魔法を使ったと思ったの」
「あ」
そういえばそうだ。この世界に来て、毛玉ちゃん達にセクハラ紛いのナデナデをした時に「ママの森」と言われたはずだ。
そして、王族についての説明を受けた時も「獣人以外は森に入れない」と聞いた。なのに何故、獣人ではない、ましてや、この世界の人間ではない異世界から来た私が拒絶されなかったのだろうか。
「私が、普通なら入れないはずの森に居た理由……」
恐らく縋るような視線を送ったのだろう。ディーバさんが優しく微笑んでくれた。
「そんなに心配なされなくても大丈夫ですよ。獣人ではないミーナ様が森に受け入れられたのです。むしろ誇るべきです。ですが、御心配でしたら始祖様をお尋ねになられてはいかがでしょうか?」
「はい。ありがとうございます」
ディーバさんの気遣いに頭を下げる。彼は子供たちの「誇るとはなんだ?」の問いに「エッヘンと胸を張る事ですよ」と答える。教わったアルゴス君とマルケス君は胸を張る。
「ママの代わりに俺達がホコッてやるぞ?エッヘン!!」
「エッヘン!!」
かっわい~!!なにこれ!!なんでこんなに可愛~の~っ!!
もやもやと湧き出る不安も子供たちの「エッヘン」に掻き消され、救われた気がした。
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