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月夜の酒宴 1
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私がこの世界に永住すると宣言したせいか、ふんふんと鼻息が荒く興奮覚めやらぬアルゴス君と満面の笑みを絶やさないマルケス君の顔を、侍女さんが持ってきてくれた温かい濡れタオルで拭ってやる。気持ちよさそうに目を細めていた二人は必死にハンカチで涙を拭うディーバさんを見つめた後、ふとお互いの顔を見合わせて小さく頷くと椅子から下りた。
ディーバさんの下へ駆け寄ると新しい濡れタオルで顔を拭ってあげている。感動したディーバさんはまた泣き出してしまい、それを見た子供達が拭い去るとディーバさんの涙腺が緩み、とループとなっているようだ。
「泣くなよ~。でも、気持ちい~だろ?」
「独り占めはダメなんだよね~」
どうやらアルゴス君とマルケス君は、美味しい物だけでなく、自分がされて嬉しかった事は皆にしないと独り占めになると学習したようだ。
嬉しい!!可愛い!!そのまますくすく成長してね!!
「は、いっ!!ア、ルゴス様っ、マル、ケス様っ、おふ、っぁり、共、こ、んなにっ……成長っ、され、てっ!!」
後から後から流れてくる涙を自分でも拭いながら言うディーバさんの頭を二人は「良い子良い子」と撫でている。
あ~。そんな事したらますます……って、やっぱり~。
子供たちに優しく慰められたディーバさんの涙腺は決壊してしまったようだ。
「ディーバ~。いい加減に泣き止まねぇとちび達が食い終われねぇだろ」
アルゴス君の隣の席に何故か着いているルッツォさんがディーバさんへ茶化したように言う。料理長なのに晩餐の場にいて良いのだろうか。もしこっそり抜け出して来たのであれば厨房内は修羅場なのではないだろうか。
「は、いっ!!」
なんとか返答したディーバさんにちらりと視線をやった王様が、苦々しい表情でルッツォさんに問い掛ける。
「ジルはお前が抜ける事を了承しているのか?」
「もちろん。じーさんが俺に行けってんだぞ?そんで、ミーナが気に入った酒を発注するんだと」
王様の問い掛けに返すルッツォさんの言葉に私の疑問も解消した。戻ってきたアルゴス君とマルケス君の頭を二人がディーバさんにしたように良い子良い子と優しく撫でると照れ臭そうに嬉しそうに笑ってくれた。
って今、ルッツォさん、ジルさんが私の為にお酒を確保してくれるって言った!?嬉しい~!!ジルさん、愛してる~!!
ルッツォさんに聞き返す事はしなかったが、顔は緩んでいたようだ。アルゴス君とマルケス君が不思議そうに私を見つめてくる。
「ママ、どした~?」
「なんか良いことあったの~?」
「アルゴス君とマルケス君が可愛いからかな?」
お酒を飲めるのが嬉しいなどとは言えずにごまかした私の言葉を受け止めたアルゴス君とマルケス君がにんまりと笑う。
「ママは俺たちにメロメロなんだな~」
「僕たちもママにメロメロだよ~」
隙間無くぴったりとくっつけられた椅子の上を滑るように移動した子供たちは両隣から私の腕に手をかけて微笑む。
「あ!!俺も俺も!!俺もミーナにメロメロだぞ~」
子供達の尻馬に乗ったルッツォさんを子供達がキッと睨み付けた。
「「ルーにいはダメ!!」」
ぴょんと椅子に立ち上がるとアルゴス君とマルケス君がルッツォさんを威嚇し始める。
「ママは俺たちのママなんだぞ!?」
「そうだよ!!メロメロなのは僕たちだけで良いの!!みんなはママにメロメロしちゃダメなの!!」
真面目に宣言しているのだが、ほほえましさに皆の表情が緩んでいる。私もデレデレしている自信がある。
「アルゴス、マルケス、ミーナにメロメロするのか?食事を続けるのか?どちらだ?」
「「ごはん!!」」
王様の問い掛けに間髪入れずに答えた子供達に、大人達の笑いが弾けた。
私、ごはんに負けました。
ディーバさんの下へ駆け寄ると新しい濡れタオルで顔を拭ってあげている。感動したディーバさんはまた泣き出してしまい、それを見た子供達が拭い去るとディーバさんの涙腺が緩み、とループとなっているようだ。
「泣くなよ~。でも、気持ちい~だろ?」
「独り占めはダメなんだよね~」
どうやらアルゴス君とマルケス君は、美味しい物だけでなく、自分がされて嬉しかった事は皆にしないと独り占めになると学習したようだ。
嬉しい!!可愛い!!そのまますくすく成長してね!!
「は、いっ!!ア、ルゴス様っ、マル、ケス様っ、おふ、っぁり、共、こ、んなにっ……成長っ、され、てっ!!」
後から後から流れてくる涙を自分でも拭いながら言うディーバさんの頭を二人は「良い子良い子」と撫でている。
あ~。そんな事したらますます……って、やっぱり~。
子供たちに優しく慰められたディーバさんの涙腺は決壊してしまったようだ。
「ディーバ~。いい加減に泣き止まねぇとちび達が食い終われねぇだろ」
アルゴス君の隣の席に何故か着いているルッツォさんがディーバさんへ茶化したように言う。料理長なのに晩餐の場にいて良いのだろうか。もしこっそり抜け出して来たのであれば厨房内は修羅場なのではないだろうか。
「は、いっ!!」
なんとか返答したディーバさんにちらりと視線をやった王様が、苦々しい表情でルッツォさんに問い掛ける。
「ジルはお前が抜ける事を了承しているのか?」
「もちろん。じーさんが俺に行けってんだぞ?そんで、ミーナが気に入った酒を発注するんだと」
王様の問い掛けに返すルッツォさんの言葉に私の疑問も解消した。戻ってきたアルゴス君とマルケス君の頭を二人がディーバさんにしたように良い子良い子と優しく撫でると照れ臭そうに嬉しそうに笑ってくれた。
って今、ルッツォさん、ジルさんが私の為にお酒を確保してくれるって言った!?嬉しい~!!ジルさん、愛してる~!!
ルッツォさんに聞き返す事はしなかったが、顔は緩んでいたようだ。アルゴス君とマルケス君が不思議そうに私を見つめてくる。
「ママ、どした~?」
「なんか良いことあったの~?」
「アルゴス君とマルケス君が可愛いからかな?」
お酒を飲めるのが嬉しいなどとは言えずにごまかした私の言葉を受け止めたアルゴス君とマルケス君がにんまりと笑う。
「ママは俺たちにメロメロなんだな~」
「僕たちもママにメロメロだよ~」
隙間無くぴったりとくっつけられた椅子の上を滑るように移動した子供たちは両隣から私の腕に手をかけて微笑む。
「あ!!俺も俺も!!俺もミーナにメロメロだぞ~」
子供達の尻馬に乗ったルッツォさんを子供達がキッと睨み付けた。
「「ルーにいはダメ!!」」
ぴょんと椅子に立ち上がるとアルゴス君とマルケス君がルッツォさんを威嚇し始める。
「ママは俺たちのママなんだぞ!?」
「そうだよ!!メロメロなのは僕たちだけで良いの!!みんなはママにメロメロしちゃダメなの!!」
真面目に宣言しているのだが、ほほえましさに皆の表情が緩んでいる。私もデレデレしている自信がある。
「アルゴス、マルケス、ミーナにメロメロするのか?食事を続けるのか?どちらだ?」
「「ごはん!!」」
王様の問い掛けに間髪入れずに答えた子供達に、大人達の笑いが弾けた。
私、ごはんに負けました。
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