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第二六話 あたたかな晩秋

第二六話 五

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 皆と協力したので収穫作業は思いの外早くに終わった。昼食までまだ時間があるのをいいことに、ガザが「このメンバーで何かして遊ぼうぜ!」と提案した。カルリアが呆れた目でガザを横目に見る。
「何かって? どうせ何も考えてないんでしょ」
「そうだけどさ。ほら、なんかあんだろ。な、トゥナ!」
 急に話を振られたトゥナは目を白黒させていた。
「ええ⁉ 急にそんなこと言われても……。どうしよう、ソラくん!」
「なんで俺に振るんですか」
 ソラルはそう言いながらもちゃんと考えてくれる。晴天の空と幼い子供たち、それからタムやカルリア達を順に見て、ソラルはようやく口を開いた。
「無難にかくれんぼでいいんじゃないですか。隠れるのは外限定で」
「よしきた! 鬼決めようぜ!」
 ガザが身を乗り出して、場を仕切り出す。
カルリアは最初こそ不満そうにしていたが、メリルが「やりたいな」と言うと、「しょうがないなあ」と苦笑して自身も参加することにした。
タムは半覚醒状態のまま、「かくれんぼ……。いいよ」と呟いた。
そんなこんなで収穫作業を終えた皆がかくれんぼで遊ぶことになった。
鬼はメリルとトゥナに決まった。
「頑張ろうね、メリルちゃん!」
「うん!」
 二人が数を数えはじめたのを合図に、各々隠れられそうな場所へと散っていく。慈乃は物置小屋の後ろに隠れることにした。するとそこには先客がいた。
「ウタくん」
「あ、シノ」
 先にウタセがいるのなら隠れる場所を変えた方がいいと考えた慈乃が踵を返そうとすると、ウタセが手招きした。
「一緒に隠れようよ」
「え、でも……」
 慈乃が迷っていると園庭の方から声が届いた。
「もういいかーい」
「もういいよー」
 隠れる場所も限られているためか、子ども達は既に隠れ終わったようだった。今から違う場所を探すこともできないので、慈乃はウタセの言葉に甘えることにした。
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