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第二二話 答えの在り処

第二二話 四

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「はあ、追いかけてきたのがソラくんで良かった」
「あああ。ここにもひとがいました……!」
 急に駆け込んできたのはトゥナとヨルメイ、アスキだった。
「ほんとだ、先客がいるね。ってシノ姉じゃん!」
 トゥナが興奮のあまり大声をあげるのをツクシが「静かに~」と窘めた。アスキは人差し指を口元にあてている。トゥナは両手で自身の口を覆うと「ごめんごめん」と潜めた声で謝った。
「だってさ、シノ姉に会うの久しぶりなんだもん。嬉しかったから、つい」
「気持ちはわかります」
 ヨルメイの言葉と同時にアスキはうんうんと首を縦に振っていた。
「でも、急に隠れられるとはいえ追いかけっこだなんて、疲れてない?」
 トゥナは格好をつけることも忘れて、素で問うた。慈乃は幾分柔らかくなった表情で答えた。
「まだ始まったばかりですし、大丈夫です」
「そっかそっか」
 トゥナは嬉しそうににこにこしていた。
「トゥナお兄ちゃん、たのしそうだね」
 テオが言うと、トゥナはさらに笑みを深めた。
「当然だよ。シノ姉とはずっと話したかったんだから」
「……私と話してて楽しいですか?」
 トゥナは迷いなく即座に頷いた。
「シノ姉はオレの知らないこといっぱい教えててくれるし、オレの話もちゃんと聞いてくれるじゃん。楽しいに決まってるって」
 思いもしない返答に、慈乃の卑屈な考えも吹き飛んでしまう。
「そんな風に思われているなんて、思いませんでした……」
「なにそれ。シノ姉ってときどきおかしなこと言うよねー」
「そうそう~。シノちゃんはもっと自信を持ちなって~」
「あっ、ソラル兄さんが来ましたよ……!」
 ヨルメイの一声で温まっていた場が瞬時に凍り付いた。
「もう、しつこいな、ソラくん!」
「聞こえてますよ、トゥナさん!」
 ソラルはトゥナ一点集中で追いかけまわし始めた。その隙に慈乃も一旦解散することにした。
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