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第一七話 夏の終わりに縁日を

第一七話 七

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 時はあっという間に流れ、早くも縁日の前日となった。今日は学び家総出でまとまった買い出しや屋台設営を行う予定だ。
 快晴の空に浮かぶ眩しい太陽は地面を熱して肌を刺す。まだ午前中なのに外にいるだけで汗が止まらなかった。
 ミトドリやウタセが中心となって男性陣は園庭を縁日仕様に作り変えていく。その間に慈乃達女性陣は買い物のために街へ繰り出すことになっていた。まだ幼い子ども達を連れたスギナに見送られ、慈乃達は学び家を出発した。
「夏休みももうすぐ終わりだっていうのにまだ暑いよね」
 カルリアが丘の向こうに広がる青空を眺めやりながら呟いた。カルリアの隣を歩いていたニアが快活に笑った。
「いいじゃない。やる気が出るし」
「それはニア姉さんくらいだと思うよ?」
「そんなことないって!」
 先頭を歩くふたりの軽快なやりとりは、最後尾を歩く慈乃とヨルメイとアスキにも聞こえてきた。こちらは買う物の確認をしていた。基本は自分の所属する班の物を買うことになっていたが、ウタセの班の女子といえばヨルメイとアスキしかいない。そこで慈乃は果物飴に関してはライモとシキブに任せることにし、ヨルメイとアスキを手伝うことにした。
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