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第一三話 夏風邪の魔法
第一三話 一三
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「それで、報告ですが……」
「あぁ、うん。そうだったね」
ウタセは一転して真面目な顔つきになる。慈乃は話を続けた。
「クルルちゃんにお願いされて、眠るまでお話ししていたのですが、クルルちゃんの過去を直接聞きました」
「へえ。クルルが」
ウタセは僅かに目を見開いた。職員間で子ども達の情報は共有されているので、もちろんウタセもクルルの過去は知っている。クルルが自身の過去を直接語ったということにウタセは意外だという反応を見せたのだった。
「何か言ってたの?」
「はい。……風邪で寝込んでいてもひとりきりだったと。それが寂しかったと、言っていました」
「そっか。そうだよね……」
ウタセは軽くまぶたを伏せて「僕たちも察してはいたけど、聞いたのは初めてだよ」と呟いた。その表情に一抹の寂しさが過ったが、ウタセは顔をあげると「でも」と明るく笑った。
「ふたりが仲良くなってたみたいで良かったよ」
「……気づいていたのですか?」
「当然だよ」
ウタセは今度はいたずらっぽく笑んだ。
「あぁ、うん。そうだったね」
ウタセは一転して真面目な顔つきになる。慈乃は話を続けた。
「クルルちゃんにお願いされて、眠るまでお話ししていたのですが、クルルちゃんの過去を直接聞きました」
「へえ。クルルが」
ウタセは僅かに目を見開いた。職員間で子ども達の情報は共有されているので、もちろんウタセもクルルの過去は知っている。クルルが自身の過去を直接語ったということにウタセは意外だという反応を見せたのだった。
「何か言ってたの?」
「はい。……風邪で寝込んでいてもひとりきりだったと。それが寂しかったと、言っていました」
「そっか。そうだよね……」
ウタセは軽くまぶたを伏せて「僕たちも察してはいたけど、聞いたのは初めてだよ」と呟いた。その表情に一抹の寂しさが過ったが、ウタセは顔をあげると「でも」と明るく笑った。
「ふたりが仲良くなってたみたいで良かったよ」
「……気づいていたのですか?」
「当然だよ」
ウタセは今度はいたずらっぽく笑んだ。
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