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第一三話 守りたいもの
第一三話 一六
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それから一週間後、約束の果物狩りの日がやって来た。
秋之介が声をかけた結果、結月も昴も快諾してくれたということで、この日も四人で集まっていた。いつもと違うのはここが西白道の通る森林のなかで、周囲には西の地の民があちこちにいるということだ。
続々と人が集まる中、あかりは空を見上げていた。赤、橙、黄など鮮やかな枝葉の隙間から澄んだ青空が垣間見えた。
「いい天気だな」
声に振り返ると秋之介だった。珍しく結月と昴が側にいないので、あかりが首を傾げていると秋之介は察したようで「あいつらは挨拶まわりしてるよ」と背後を親指で指し示した。秋之介の言う通り、結月と昴は西の地の民に取り囲まれていてなにやら挨拶を交わしているようだった。
「そのうちこっちに戻ってくんだろ。ところであかりは何狙うのか決めたのか?」
あかりは頷くと右腕を伸ばしてある一本の樹を指した。
樹高がそう高くない樹には緑の葉が茂り、リンゴよりは小ぶりな赤い実がたわわに実っている。
秋之介は目を眇めると得心顔で頷いた。
「ヒメリンゴか。あかりは好きだよなぁ」
『果物ならなんでも好きだけどね』
「そりゃ知ってるけどよ」
そんなことを話しているうちに人はさらに集まり、開始時間になった。うまく話を切り抜けてきたらしい結月と昴もあかりと秋之介のもとに戻って来た。
「それで、あかりちゃんはヒメリンゴ狙いかな」
「なんでわかった⁉」
驚く秋之介をよそに、昴は肩をすくめた。
「この場所はヒメリンゴの樹に近いからだよ。でも、そうなると僕は別の果物を狙おうかな」
「おれも、そうする。……秋、あかりのこと、任せたから」
「はいよ」
あかりとは別の果物を収穫するため、昴と結月は方々に散っていった。残った秋之介だけはあかりと一緒になってヒメリンゴの収穫に集中した。
秋之介が声をかけた結果、結月も昴も快諾してくれたということで、この日も四人で集まっていた。いつもと違うのはここが西白道の通る森林のなかで、周囲には西の地の民があちこちにいるということだ。
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声に振り返ると秋之介だった。珍しく結月と昴が側にいないので、あかりが首を傾げていると秋之介は察したようで「あいつらは挨拶まわりしてるよ」と背後を親指で指し示した。秋之介の言う通り、結月と昴は西の地の民に取り囲まれていてなにやら挨拶を交わしているようだった。
「そのうちこっちに戻ってくんだろ。ところであかりは何狙うのか決めたのか?」
あかりは頷くと右腕を伸ばしてある一本の樹を指した。
樹高がそう高くない樹には緑の葉が茂り、リンゴよりは小ぶりな赤い実がたわわに実っている。
秋之介は目を眇めると得心顔で頷いた。
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「そりゃ知ってるけどよ」
そんなことを話しているうちに人はさらに集まり、開始時間になった。うまく話を切り抜けてきたらしい結月と昴もあかりと秋之介のもとに戻って来た。
「それで、あかりちゃんはヒメリンゴ狙いかな」
「なんでわかった⁉」
驚く秋之介をよそに、昴は肩をすくめた。
「この場所はヒメリンゴの樹に近いからだよ。でも、そうなると僕は別の果物を狙おうかな」
「おれも、そうする。……秋、あかりのこと、任せたから」
「はいよ」
あかりとは別の果物を収穫するため、昴と結月は方々に散っていった。残った秋之介だけはあかりと一緒になってヒメリンゴの収穫に集中した。
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