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第六話 幸せはいつもそばに
第六話 六
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以降は昔話で盛り上がった。年越しそばをすすりながら、幼い日に思いを馳せる。
「秋くんの反抗期はすごかったよねえ」
「あー。あったあった」
昴とあかりは顔を見合わせてくすくすと笑った。秋之介はといえば不服そうな顔をしている。
「反抗期なんてあんなもんだろ。昴だって他人のこといえないだろうが」
「僕は秋くんみたいに当たり散らさなかったよ」
「めちゃくちゃひねくれてたくせによく言うぜ」
「そういえばゆづくんは反抗期ないよね」
昴は自身の黒歴史には耳も貸さず、結月に話題を振った。
「……反抗する理由が、ない」
「うーわ、ほんとかよ」
「うーん。でも結月なら納得かも」
「そういうあかりだって、反抗期、ない」
あかりはしばらく逡巡した後、結月と同じ回答を口にした。
「だって反抗する必要がないよね」
「二人とも優しいままでいてくれて嬉しい反面、これでいいのかちょっと心配になるよ……」
荒れないに越したことはないが、反抗期は健全な成長の証ともいう。昴は複雑な面持ちで呟いた。秋之介も思わず苦笑いを浮かべている。
あかりは首を傾けた。
「私がみんなのこと鬱陶しいって思う日なんて来ないと思うよ?」
「あかりに邪険にされるとか……。まあ、確かに想像できないけどさ」
「その言葉を忘れないでほしいよ」
秋之介と昴の言葉に同意するように結月も頷く。
あかりは最後の一口のそばを食べながら話を聞いていた。すると鐘の音が聞こえてきた。除夜の鐘だ。
「一年が終わるな」
「今年は本当に色々あったよね」
秋之介の呟きに、あかりも小さな声で返した。除夜の鐘の音に聴き入っていると、自然と心が凪ぐようだった。
辛いこともあったが、何より幼なじみ揃って時を共にできる幸福を嚙みしめることができた一年だったと思う。
あかりが穏やかな気持ちで懐古していると、一〇八回目の鐘が残響した。
(この先にどんな運命が待っていたとしても、大好きなみんなと一緒なら私は頑張れる)
胸に強く誓って、あかりの新たな一年が始まった。
「秋くんの反抗期はすごかったよねえ」
「あー。あったあった」
昴とあかりは顔を見合わせてくすくすと笑った。秋之介はといえば不服そうな顔をしている。
「反抗期なんてあんなもんだろ。昴だって他人のこといえないだろうが」
「僕は秋くんみたいに当たり散らさなかったよ」
「めちゃくちゃひねくれてたくせによく言うぜ」
「そういえばゆづくんは反抗期ないよね」
昴は自身の黒歴史には耳も貸さず、結月に話題を振った。
「……反抗する理由が、ない」
「うーわ、ほんとかよ」
「うーん。でも結月なら納得かも」
「そういうあかりだって、反抗期、ない」
あかりはしばらく逡巡した後、結月と同じ回答を口にした。
「だって反抗する必要がないよね」
「二人とも優しいままでいてくれて嬉しい反面、これでいいのかちょっと心配になるよ……」
荒れないに越したことはないが、反抗期は健全な成長の証ともいう。昴は複雑な面持ちで呟いた。秋之介も思わず苦笑いを浮かべている。
あかりは首を傾けた。
「私がみんなのこと鬱陶しいって思う日なんて来ないと思うよ?」
「あかりに邪険にされるとか……。まあ、確かに想像できないけどさ」
「その言葉を忘れないでほしいよ」
秋之介と昴の言葉に同意するように結月も頷く。
あかりは最後の一口のそばを食べながら話を聞いていた。すると鐘の音が聞こえてきた。除夜の鐘だ。
「一年が終わるな」
「今年は本当に色々あったよね」
秋之介の呟きに、あかりも小さな声で返した。除夜の鐘の音に聴き入っていると、自然と心が凪ぐようだった。
辛いこともあったが、何より幼なじみ揃って時を共にできる幸福を嚙みしめることができた一年だったと思う。
あかりが穏やかな気持ちで懐古していると、一〇八回目の鐘が残響した。
(この先にどんな運命が待っていたとしても、大好きなみんなと一緒なら私は頑張れる)
胸に強く誓って、あかりの新たな一年が始まった。
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