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第五話 朱咲の再来
第五話 一九
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その直前で、二つの声と白い影が割って入った。
「青柳、白古、朱咲、玄舞、空陳、南寿、北斗、三体、玉女!」
「水神演舞、急々如律令!」
結界があかりと式神使いの間を阻み、あかりが驚きから動きを止める一瞬のうちに結月が鎮火をし、秋之介が式神使いの衿を咥え遠方に投げ飛ばした。
式神使いは背を大木に強打し、気を失ったようだ。
「なんで、邪魔するの」
あかりのものとは思えない冷え切った声と熱い熱い視線。
あかりの近くに降り立った秋之介は、彼女を睨み返した。
「何かあったら力づくで止めるって言ったろ」
「何かって? 私が負けそうに見えた?」
「はあ? そうじゃねえだろ」
口論になるあかりと結月のもとに、後処理を簡単に済ませた昴と結月がやってくる。大声のせいで離れた場所にいた彼らにも話は聞こえていた。
「あかりちゃん、君の力や強さは何のためにあるの?」
昴の真剣な声が場を打った。あかりは昴にも鋭い眼差しを向けた。
「守るため。だから、私は守れなかったみんなの分も……」
「それは、違う」
結月はあかりの瞳をひたと見つめて言った。
「あかりの霊剣や言霊は、今を生きる人を守るため。あかりが仇討ちして、何になるの。それでみんなが帰ってくるわけじゃない。ただ、あかりが悲しくて痛い思いをするだけ」
「……んで、……の?」
「青柳、白古、朱咲、玄舞、空陳、南寿、北斗、三体、玉女!」
「水神演舞、急々如律令!」
結界があかりと式神使いの間を阻み、あかりが驚きから動きを止める一瞬のうちに結月が鎮火をし、秋之介が式神使いの衿を咥え遠方に投げ飛ばした。
式神使いは背を大木に強打し、気を失ったようだ。
「なんで、邪魔するの」
あかりのものとは思えない冷え切った声と熱い熱い視線。
あかりの近くに降り立った秋之介は、彼女を睨み返した。
「何かあったら力づくで止めるって言ったろ」
「何かって? 私が負けそうに見えた?」
「はあ? そうじゃねえだろ」
口論になるあかりと結月のもとに、後処理を簡単に済ませた昴と結月がやってくる。大声のせいで離れた場所にいた彼らにも話は聞こえていた。
「あかりちゃん、君の力や強さは何のためにあるの?」
昴の真剣な声が場を打った。あかりは昴にも鋭い眼差しを向けた。
「守るため。だから、私は守れなかったみんなの分も……」
「それは、違う」
結月はあかりの瞳をひたと見つめて言った。
「あかりの霊剣や言霊は、今を生きる人を守るため。あかりが仇討ちして、何になるの。それでみんなが帰ってくるわけじゃない。ただ、あかりが悲しくて痛い思いをするだけ」
「……んで、……の?」
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