醜い皮を被った姫君

ばんご

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不穏な空気の中での会食

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彼の父から会食を誘われた
ずっと話も全て拒否され、追い返される日々だったのに 

彼が言うからには、王妃様がが王に話でも聞くべきなのでは、と進言してくれたらしい

少し不審に思いながらも、言葉を交わしてくれる気になってくれたのは喜ばしいことであった

彼と一緒にその場に行くと笑顔で私達を出迎えてくれた その笑みには何か企んでいるようで私は警戒心が強くなった

そんな不穏な空気の元、会食は進んでいった
私は食事の手が進まなくて、この場にいるだけで胃もたれしそうだった

言葉を交わしながらも、上擦った声になってしまったり、ヴェールで多少は隠されているが、表情筋が引き攣ってないか心配もあった

そんな中、彼は私を気遣ってくれた

『姫、大丈夫ですか?』

『は、はい 大丈夫ですよ
 お気遣いありがとうございます
 お料理もとても美味しいですし…』

『それはよかった
 私の国の料理を好きになってくれたら
 もっと嬉しいです』

『とてもあたたかくて、美味しいです
 こんなにも、素晴らしい料理がある
 のですね』

小さい頃から、あの城で私が運ばれてくる料理は、硬いパンと味のしない冷たいスープだけだった

それしか食すことを許されなかったので、こんなにもあたたかくて、美味しい料理を頂ける事が嬉しくもあり、申し訳なかった

その私達の雰囲気に彼の母は良い印象持てたようで、優しい目で私を見てくれた
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