醜い皮を被った姫君

ばんご

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彼に対する思い

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数日、彼女は彼に告げられたことを考えた
世間一般で言うと告白、求婚とも言われるらしい

自分に求婚をする殿方がいるとは思いもしなかったし、その相手が彼と思うとまた
胸が締め付けられる様に苦しくなった

でも嫌な気はしない
そんな自分の感情に不安定、というのがしっくりきた

彼のことは慕っている 信頼できる相手だ
けれど生涯を共にする伴侶、となると話は別になってくる

こんな醜い私と共にしたいなんて、彼はよくても周りの目は蔑んだ目で見てくるだろう

そして皆して口にするだろう
王子の目は腐ってしまった、
醜い姫に洗脳された、化け物に脅されている

周りは受け入れたくなくて、誰かのせいにしなくては、気が済まない  
私もかつてはそうだった

両親に愛されなくて、苦しくて神様のせいにした
けれどそうしたって、この容姿がどうにもならない だから諦めて受け入れた
皆から浴びる非難の声も、すべて

それが最善だと思った けれど私の心の闇は
ゆっくりと負の感情を芽生えさせた
耐えなくては、そう思えば思うほどに

そんな時、彼は言ったのだ
『非難の声を耳にするのは致し方ないこと
 でしょう けれどその言葉を鵜呑みに
 するのは間違えています

 貴女は貴女なのですから 他人の言葉に
 耳を貸してはいけません』

その言葉に救われた気がした
私はここにいていいんだと
心が折れかけた私に光をくれた彼

私はそんな彼のことを…
わからない、この続きの言葉が…
でてこない
 
『私は容姿だけではなく、感情や言葉さえも
 欠落しているのかしら』
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