3 / 31
告白
しおりを挟む
そんなある日、彼が訪ねてきた
急なことに驚きながらも、会えることが嬉しかった
その日の空はどんよりしてて今にも雨が降り出しそうだ
まるで、今の自分の不安定な心を表しているようだ
ノックの音がした 彼が来たのだろう
顔を覆うヴェールを被り、ドアを開ける
『姫、お久しぶりです
急な来訪なこと、申し訳ありません』
『いいのよ、とても重要な話なのでしょう?
さぁ、どうぞ』
そんな彼の表情はいつもの柔らかい表情もありつつも、少しぎこちなかった
席につき、お茶を飲み一呼吸をつき
彼が語り出す
『近々私に縁談の話がきまして
正直なところ悩んでいます』
『何故?』
『国の為の縁談が主だからです
私は気が進まなくて…』
思い詰めた彼の表情に驚きを隠せなかった
いつも優しく微笑む彼しかみたことなかったからかも知れない
『縁談とはいえ、自分の伴侶を選ぶことに
なるのですよね 慎重にもなりますよ
貴方は魅力的ですし、他の女性達も
ほっとかないでしょう』
心の中では、私もそのうちの一人かも知れないと思いつつ、彼を見ると少し赤面していた
けれど、すぐに表情を戻し私の手を取る
『姫、私は将来の伴侶は貴女がいいのです
国の為ではなく、自分の為に
貴女と生涯共にしたいです
受け入れてくださいますか?』
突然の告白に驚きを隠せなかった
彼は冗談を言う性格でもなく、真面目な人だ
そんな彼が私を選んだのだ
どう返事するべきか、迷いもあった
曖昧な答えでは彼を傷つけてしまう
けれど彼はそんな私の考えも見透かした様に
優しく微笑んだ
『今すぐにとは言いません
けれど前向きに考えてください
姫の正直な気持ちを私は知りたいのです』
手の甲にキスを落とし、『では返事を待ってます』と言い彼は退室した
彼の退室と共にヴェールを取り、鏡を見てみると顔が赤く熱っていた
『…何故こんなにも心臓が高鳴るのかしら
わからないわ…』
この感情を彼女はまだ知らない
急なことに驚きながらも、会えることが嬉しかった
その日の空はどんよりしてて今にも雨が降り出しそうだ
まるで、今の自分の不安定な心を表しているようだ
ノックの音がした 彼が来たのだろう
顔を覆うヴェールを被り、ドアを開ける
『姫、お久しぶりです
急な来訪なこと、申し訳ありません』
『いいのよ、とても重要な話なのでしょう?
さぁ、どうぞ』
そんな彼の表情はいつもの柔らかい表情もありつつも、少しぎこちなかった
席につき、お茶を飲み一呼吸をつき
彼が語り出す
『近々私に縁談の話がきまして
正直なところ悩んでいます』
『何故?』
『国の為の縁談が主だからです
私は気が進まなくて…』
思い詰めた彼の表情に驚きを隠せなかった
いつも優しく微笑む彼しかみたことなかったからかも知れない
『縁談とはいえ、自分の伴侶を選ぶことに
なるのですよね 慎重にもなりますよ
貴方は魅力的ですし、他の女性達も
ほっとかないでしょう』
心の中では、私もそのうちの一人かも知れないと思いつつ、彼を見ると少し赤面していた
けれど、すぐに表情を戻し私の手を取る
『姫、私は将来の伴侶は貴女がいいのです
国の為ではなく、自分の為に
貴女と生涯共にしたいです
受け入れてくださいますか?』
突然の告白に驚きを隠せなかった
彼は冗談を言う性格でもなく、真面目な人だ
そんな彼が私を選んだのだ
どう返事するべきか、迷いもあった
曖昧な答えでは彼を傷つけてしまう
けれど彼はそんな私の考えも見透かした様に
優しく微笑んだ
『今すぐにとは言いません
けれど前向きに考えてください
姫の正直な気持ちを私は知りたいのです』
手の甲にキスを落とし、『では返事を待ってます』と言い彼は退室した
彼の退室と共にヴェールを取り、鏡を見てみると顔が赤く熱っていた
『…何故こんなにも心臓が高鳴るのかしら
わからないわ…』
この感情を彼女はまだ知らない
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
【完結】 いいえ、あなたを愛した私が悪いのです
冬馬亮
恋愛
それは親切な申し出のつもりだった。
あなたを本当に愛していたから。
叶わぬ恋を嘆くあなたたちを助けてあげられると、そう信じていたから。
でも、余計なことだったみたい。
だって、私は殺されてしまったのですもの。
分かってるわ、あなたを愛してしまった私が悪いの。
だから、二度目の人生では、私はあなたを愛したりはしない。
あなたはどうか、あの人と幸せになって ---
※ R-18 は保険です。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。
猫宮乾
恋愛
再婚した父の元、継母に幽閉じみた生活を強いられていたマリーローズ(私)は、父が没した事を契機に、結婚して出ていくように迫られる。皆よりも遅く夜会デビューし、結婚相手を探していると、第一王子のフェンネル殿下が政略結婚の話を持ちかけてくる。他に行く場所もない上、自分の未来を切り開くべく、同意したマリーローズは、その後後宮入りし、正妃になるまでは婚約者として過ごす事に。その内に、フェンネルの優しさに触れ、溺愛され、幸せを見つけていく。※pixivにも掲載しております(あちらで完結済み)。
縁の鎖
T T
恋愛
姉と妹
切れる事のない鎖
縁と言うには悲しく残酷な、姉妹の物語
公爵家の敷地内に佇む小さな離れの屋敷で母と私は捨て置かれるように、公爵家の母屋には義妹と義母が優雅に暮らす。
正妻の母は寂しそうに毎夜、父の肖像画を見つめ
「私の罪は私まで。」
と私が眠りに着くと語りかける。
妾の義母も義妹も気にする事なく暮らしていたが、母の死で一変。
父は義母に心酔し、義母は義妹を溺愛し、義妹は私の婚約者を懸想している家に私の居場所など無い。
全てを奪われる。
宝石もドレスもお人形も婚約者も地位も母の命も、何もかも・・・。
全てをあげるから、私の心だけは奪わないで!!
ついうっかり王子様を誉めたら、溺愛されまして
夕立悠理
恋愛
キャロルは八歳を迎えたばかりのおしゃべりな侯爵令嬢。父親からは何もしゃべるなと言われていたのに、はじめてのガーデンパーティで、ついうっかり男の子相手にしゃべってしまう。すると、その男の子は王子様で、なぜか、キャロルを婚約者にしたいと言い出して──。
おしゃべりな侯爵令嬢×心が読める第4王子
設定ゆるゆるのラブコメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる