【R-18】『対魔のくノ一・ナツキ』~人間、忍者、魔物から犯され、セックス依存になるまで堕ちる少女~

文々奈

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第3章 淫武御前トーナメントの章

64話 エリナと龍司の交渉

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 64話 エリナと龍司の交渉

「龍司! 榎本をどこにやったの!?」

「あぁん? こん中入ってくの見てなかったのかよ? この神秘的な鏡の世界によ」

「龍司っ! ……このっ!」

 鏡の中に突入しようとしたエリナであったが、やはりガラスで隔てられたように阻まれてしまう。
 叩き斬ろうとするも、ナツキからの忠告を思い出し、ギュッ、とクナイを握り締めたまま踏み留まった。

「くっ……! ナツキ! どうにかならないの!?」

 似たような転移の術を持つナツキに、エリナはアドバイスを求めた。

「ナツキ!!」
 
「……もしかしたら転移じゃ無いかも知れない。だから分からない」

「榎本は鏡の世界の住人になった。淫魔の世界の住人にな。お前等も住人になるか? 鏡の世界の住人によ」

「なるわけないでしょ!? 龍司!! そんな返事の決まり切った質問してないで、言いたいことがあるならさっさと言ったらどうなの!?」

「随分と焦っているなぁ。それとも四回気絶させて余裕があるから早く終わらせてぇのか?」

 決勝が始まってすぐ、エリナは後一押しのところまで龍司を追い詰めた。
 それは、くノ一連合最大の功績ともいえた。
 それもあって、龍司が言ったようにエリナには余裕があった。
 だが、それだけが余裕を生んでいる理由ではない。

 榎本を人質にしたことが、龍司が追い詰められているなによりの証拠だった。
 
 ――どういった訳か、忍びの宝具・逆さま玉手箱を使わないと助けられないと思っていた榎本は、中途半端な形で復活していた。
 おじさん・古賀茂とも分離していた。
 今思えば、何かしらの取引材料にするための、龍司の策略だったのだろう。
 生きていることをしっかり身体に思い知らせるために、榎本と戦わせたのだろう。

 ……やっぱり、まともに戦ったら勝てないから?

「ふふ~ん……」
 
 気絶しながらも射精の止まらなかった龍司の悶える姿を思い出して、エリナはニヤニヤと笑った。

「榎本の奴は俺のさじ加減一つで蘇ることも出来るし、淫魔化を解くことも出来る――。オレ様の気分次第だがな」

 やっぱり取引のために榎本と戦わせたみたい。

 決勝が終わるまでもう一日と無い。
 このままくノ一チームが勝ったら、榎本は永久に蘇れないかもしれない。
 くノ一チームが優勝した場合の報酬は、淫魔の消滅なのだ。
 そうなれば、龍司は死ぬ。

 ――そうなると、一生榎本を元に戻せなくなる……。

 敵の強大さに一旦は諦めた榎本の命。
 でも、今、手の届くところに榎本の命がある。
 どのような無理難題を押し付けられて、この身を汚されようとも誰にも迷惑を掛けないで手を伸ばせる。
 どっちにしても決勝戦はあと一日。勝利は揺るぎない。

「でー、何をお願いしたいわけー?」
 
 身を挺する覚悟を決めているエリナは、気怠そうに問い掛ける。
 しかし、声とは裏腹なクールな心持ちで返事を待っていた。

 そんなエリナに対して、龍司は緩すぎて疑いしか持たないようなことを望んだ。

「鏡の中でオレ様と戦え。お前が負けたらお前はオレ様の女だ。シンプルだろ?」

「……う、んー? と。――それだけ? たったそれだけ?」

 決勝戦でくノ一チームが負けた場合のペナルティ『くノ一の家畜化』の方が遙かにペナルティが大きい。
 この戦いは、事実上の決勝戦になりかねないのに、あまりにもアンバランスな罰則である。
 
「ただし、勝負を受けた時点で、決勝戦のタイムリミットは無しだ。相手チーム全員を五回気絶させるまで決着は無しだ」

 あぁ……。それが狙い……。ただし、と付けてからの要求が本題なのだろう。
 このままタイムリミットになれば、くノ一チームの勝利。龍司としては、それだけは避けたい筈。
 しっかし、餌を最初に渡せば食いついて離さないとでも思ったのかな?
 思っていると、ナツキと龍司が揉め始めた。
 
「エリナ、乗らないで。エリナが負けるとは思わないけど、あまりにも条件が悪い。あと少し我慢すれば私達の勝ち。無理に相手に合わせる必要は無い」

「じゃますんじゃねぇ、根暗」

「野蛮よりはマシ」
 
 ナツキは思ったとおりの反応をして、龍司と口論を始めたのだ。
 はっきり言って、ナツキは頑固を通り越している。
 近所で誰からも相手にされない頑固じいさんよりもよっぽど頭が硬い。
 ただ交渉を有利に進めるには、要求を呑むかどうかの決定権が無いナツキが口論になってくれたほうが進めやすい。
 少なくとも、榎本をどうにか助け出したいエリナにとっては。
 
「そもそもゲート鏡の中の仕掛けも分からない。乗ると思っているの? 交渉したいのが山々なのはお前達だ。それなのになんでお前達が有利な条件を飲まなきゃならないの?」

「あぁあ゛!? ……殺せって言ったんだけどな。むかつくから加瀬ナツキを殺せってマモンのクソガキに言ったんだけどな」

「影遁の術が厄介だからって、子どもにそんな命令下したらしいね。子どもに殺人依頼する親? 子どもに殺人依頼するおじいちゃんと変わらないくらいにニュースになっても誰も信じないレベルの話」

「勘違いすんなよチビ女。お前が死ぬのは影遁が厄介だからじゃねぇぞ。……気に入らねぇからだ」

 なんかおかしな方向へと話が行っている……。
 エリナは最終的に仲裁する形で交渉をまとめてしまおうと思っていたがゆえ、呆れながらも黙ってやり取りを見ていた。

「気に入らない? そんな理由で私を殺せって? おじいちゃんより最悪」

「あぁ、最悪だ。そして気が変わった」

 言った龍司がデジタル腕時計をポチッと押した。
 すると龍司の残り気絶回数を示していた1の数字が、54の数字に切り替わった。その数字が、カウントダウンタイマーのように53に切りかわる。

「なにこれすごい」

 腕に嵌められているメカの新機能発見に驚いているナツキ。

「そんな機能まであったの? 私のも同じように画面が切り替わる」
 
 ナツキがもう一回ボタンを押すと、今度はタイマーの数字だけでは無く、淫魔チームマイナス4、くノ一チームマイナス10、と液晶が切り替わった。 
 一足遅れて、困惑した面持ちになったエリナもデジタルウオッチの縁に付いているスイッチをカチッ、と押した。
   
「50……、龍司!? あと50分ってことこれ!?」

「チィエイック! メイ…………ッ」

 聞いてて恥ずかしくなるような、外国人外国人したイントネーションで勝ち誇られた。

「ナツキ! 呆れてる場合じゃない!」

「え?」

「時間が……ないっ……残り50分しかないっ!」
 
 50の数字は、決勝戦が終わるまでの時間を知らせるもので、残り50分を切ったことを意味していたのだ。
 そして、失点の少なさが勝負を決めるルールで、どういった訳か、くノ一チームは大きく負け越していた。
 
「どういうこと……っ」

 いまさら不正があっても驚かない。
 とは言え、こんなルールを無視するような不正をするはずが無いのだ。龍司が罰ゲームを執行したい以上、罰ゲームが無くなるような不正をする筈が無いのだ。

「どーもこーもねぇよ。性的快楽で気絶したのは俺の4回だけだ。そーだろ?」

「マモンは死んだ。主催の男もさっき死んだ。……なんでカウントされていないの?」

 割って入ってきたナツキに、龍司が小馬鹿にするように舌を伸ばして、そして言った。

「そう、死んだ。死んだが気絶はしていない。チィエイック! メイ…………ッ」
 
 最初から狙っていたかのような得意気な態度の龍司に、エリナも高い声を張り上げた。

「おかしい! 誰が8回も逝ったのさ!?」

「ナツキがマモンに2回気絶させられて、エリナがマモンに4回気絶させられましたぁ……。翔子が樽男に4回気絶させられて、今も激しい交尾が継続ちゅうう……」

「樽男……? 嘘を吐くな! オネエはどこ!?」

「影遁の術で見つからない時点で予想は付いてたんじゃないんすかぁあああ!?」

 ナツキが大太刀を召喚して、一刀両断のもと姿見に斬り掛かる。
 ガキィイイイイイイイインッ!!
 しかし、空間自体が別なところに存在しているかのように弾き返されてしまう。

「残り30分!! 子作りモルモット確定のみなさーん、時間制限無しで仕切り直しませんかぁあああああああああーーーー!?」

「くっ……、ナツキ!! くっ、葉月!!! 何か手は無いの!?」

 ナツキはブンブンッと鳴る勢いで首を左右に振るって打つ手無しをジェスチャーした。
 ずっとだんまりを決めていた葉月は、もっと早い段階で詰んでいることに気付いていたらしく、覚悟を決めた表情で顎を引いた。

「仕切り直す気が無いならこのまま優勝させてもらいま~す、良いっすよねぇえ!?」
 
「仕切り直すっ!! 仕切り直すから! 鏡の中で戦うからあたしをそっちに連れて行きなさいよ!!」

「おっしゃー決まりだ、罰ゲーム抜きにして脳みそスッカラカンになるまで犯してやるよエリナ!!」

 龍司が鏡の中から叫ぶと、エリナの身体がパンッ、と砕けたように光の粒子へと姿を変えて、それが掃除機で吸われるような勢いで鏡の中へと吸い寄せられていくのであった。 
 こうしてエリナと龍司の最後の戦いが始まるのであった。
 見送ったナツキは、まさかこの戦いで、エリナが再起不能になるまで見るも無惨に壊されるなんて、夢にも思わずにいたのであった。
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